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コラム

ソロキャンパー・ヒロシが語る!役に立つ&楽しい「キャンプ料理道具」の世界

1人でキャンプを楽しむ“ソロキャンプ”の様子を配信し、YouTuberとしても活躍中のヒロシさん。8月には書籍『ヒロシのソロキャンプ ~自分で見つけるキャンプの流儀~』が発売され、キャンプ本として異例の大ヒットになるなど話題を集めています。今回はヒロシさんに、ご自身が愛用しているおすすめのキャンプ道具について語っていただきました。実用性の高いものから、趣味として楽しめるものまで、3つの道具を紹介します。

おうちでも使える!ホットサンドメーカー

ーー以前、キャンプ場でお米を炊いたりパンを焼いたりするのに使える「クッカー」をおすすめしていただきました。今回は、キャンプごはんでヒロシさんがおすすめする道具を3つ挙げていただきたいです。

はい。まずおすすめなのが、直火で使えるホットサンドメーカーですね。僕は、ソロキャンプを始めた5年くらい前に、バウルーというメーカーのシングルタイプのものを3000円ちょっとで買ったんです。今は高くなっちゃっているんですが、他のメーカーからもたくさん出ています。

ーーホットサンドメーカーは、直火式・電気式問わず人気ですね。忙しい朝でも、手軽に素早くおいしいホットサンドが作れますから。

よくわかりませんが、女性はこういうホットサンドとかパンケーキとか、好きなんですよね? なんかワクワクするんでしょ?

僕はおっさんだからワクワクはしないんだけど、これでパンを焼くと、うまさのレベルが、普通のトースターで焼くのとは違うんです。キャンプ以外に家のコンロでもよく使っています。

ーーヒロシさんはこれを使って、どんな料理を作るんですか?

難しいことはせず、食パンを置いて、ハムや野菜など好きなものを挟むだけですね。それで片面1分半くらい焼いて、反対側も1分くらい焼いて完成、みたいな感じです。途中で中の様子を見ながら、焦げ具合は各々の好みにすればいいです。僕の場合は、具材は挟まず、バターを上下に引いて食パンだけで焼いたり、チーズを挟んで焼いたりといった使い方が多いです。

すごくおいしいのは、最初にチーズを置いて上に食パンを乗せ、その上にチーズ→食パン→チーズという順番で重ねて、挟んで圧縮して両面焼いたもの。カリカリのチーズに包まれて、中にはとろけたチーズが入っているホットサンドがかんたんにできますよ

ーー聞いただけで唾が口の中に溜まります……。ちなみにヒロシさんがこのホットサンドメーカーを選んだ理由はなんですか?

いや、これが入っていた元箱がレトロな感じでカッコよかったんですよ。まぁ箱はすぐに捨てたので、意味はないんですけど。

ただ、表面が平らなところも気に入っています。直火式のホットサンドメーカーって可愛い焼き目模様がつくように表面が凸凹になっているものや、食パンを真ん中で分けるためにくぼんでいるものが多いんですね。でも、僕のキャンプは「無骨」がテーマなので、可愛い模様がつくのは嫌だったんです。

あと、基本は食パンを焼くのに使うのですが、他にもいろいろ使えるんです。上下で挟むから蓋をする形になるでしょ? 水分が逃げにくいから、これで肉を焼くとジューシーなまま両面焼けるんです。

あとは冷凍餃子も油を引いて焼いたりするんですが、フライパンだとひっくり返す時に失敗しがちですよね。これならば挟んだまま裏返しにできるから、失敗しません。餃子は焼きすぎると焦げてくっついちゃうので、もんじゃ焼きのコテとかで鉄板と餃子を少し剥がしてから裏返す、といったひと工夫はしていますけどね。餃子のきつね色の焼き目は、動画でも映えるんですよ。

こういった使い方をするので、真ん中のくぼみがないほうが使い勝手がいいんです。

改造して、使いやすさを追求!

ーーあと、ヒロシさんの使っているホットサンドメーカーは、今回の書籍でも触れていましたが、確か留め具の部分を改造しているんですよね?

そうです。上下の鉄板をつなげている留め具のネジは、元々外れないようになっていました。そこを金ノコギリを使って自分で外して、そこに取り外し可能なネジをつけて、2つの鉄板に分けられるようにしたんです。ネジを外すだけで、キャンプ場で小さなフライパン2つの出来上がり。家のコンロでも片方を使ってソーセージとかを焼いたりしていますね。表面が平らなのはその際も実用的で、たとえば、ホットケーキとかお好み焼きとかを流し込んでも、うまく焼き上がるんです。

焼くことに関しては、キャンプにおいてはこの一台でオールオーケーって感じですね。魚だって一匹丸々は無理ですけど、切って敷き詰めて焼くことができますし。張り付いちゃう場合はもんじゃのコテを使ったり、油を引いたりするひと工夫をすれば大丈夫です。

ーーキャンプをやるうえで、すごく便利そうな道具ですが、手入れとかが面倒だったりするんじゃないでしょうか?

ちゃんとしている人は、使用後に油を薄く引いたり、新聞紙で包んだりしていますから、少し面倒ですね。僕の場合はホットサンド以外にもフライパンとして使うから汚れもひどいです。でも、僕は傷など気にせず金たわしでゴシゴシこすっちゃうし、油を塗るといったメンテナンスもしていません。汚れも「味」だなぁと思っているので。

それにこれだけ見ると汚いですが、家の台所で、綺麗なフライパンの隣とかにこれがかけてあったりすると、「あれ? あなた、おしゃれな人なの?」って思われますよ。そういうの、クックパッドを見ている人は好きでしょ? キッチンの脇でパセリとか育てている人は、そういうの好きでしょ?

ーー偏見な気もしますが……、たしかに好きな人は多いかもしれません(笑)。インダストリアルインテリアとかブルックリンインテリアとかが流行っていますが、エイジングされた調理器具は魅力的に思えますね。

焚き火が楽しくなる!?おしゃれなバーベーキューフォーク

ーー他に、持ってきていただいた道具は?

ホットサンドメーカーは実用性の高いものですが、こちらは逆に実用性ほぼゼロのものです。
伸縮性のバーベキューフォーク。フィンランドで1000円くらいで買ったもので、これにソーセージを刺して直火で焼くんです。

ーーマシュマロも焼いたりできそうですが……、さして使い道がなさそうですね。

ええ。まったく。ただ、これで焼くと楽しいんですよ。それだけの道具です。

フィンランドには、夜、家の外や街の広場で焚き火をして、そこでソーセージを焼きながら、皆で椅子に座って酒を飲んでおしゃべりする文化があるんです。コッコマッカラっていったかな。それを街で見かけて、「いいなぁ」って思って現地のホームセンターで調達したんです。ゆっくり直火で焼くその時間を楽しむ、というのは僕の焚き火のスタイルにも合いますから。ただ、キャンプには1回も持って行ったことがないですね。

ーーヒロシさんですら使いこなせないんですね。

木に水を吸い込まなくさせるために、くるみ油をつけたんですが、金具のところにその油がこびりついちゃって、伸縮するのに力がけっこういるんですよ。使わない時には片手に収められるくらいコンパクトになるのが売りなわけですが、余計なことしちゃいましたね。

ただ、楽しい道具ですよ。ちょっとしたバーベキュー気分を楽しむのにはいいアイテムだと思います。日本に輸入したら売れると思うんですけど、これはまだないと思います。キャンプでは使っていないということもありますが、僕の道具としてメディアに公開するのもおそらく初めてです。

ーー初出し、ありがとうございます! 焼くだけの時間を楽しむのは優雅ですね。

2種類をまとめて持ち運び!調味料入れ

それと、最後の1つは小物系ということで調味料入れを持ってきました。このアルパインソルト&ペッパーシェイカーは、塩と胡椒の両方を入れられるんです。MSRというキャンプメーカーが出しています。

僕はたいした料理をしないからあまり調味料が必要ないので、これ1個と、100円ショップで売っている旅行用のケースや化粧水入れに油とか醤油を入れて持って行ったりします。水っぽいものはスプレータイプのケースに入れて、とろみが少しあるものはシャンプーとかリンスを詰め替えるケースに入れたり。

ーーヒロシさんも100円ショップ、使われるんですね。

ええ。旅行先とかにハンドクリームとかクレンジングを少量持っていく際に使う、小さなケースありますよね? あれにマヨネーズ入れて持って行ったりもします。

最近の100円ショップはメスティン(飯盒)を扱ったりとキャンプグッズも豊富ですし、食器や今言ったケースなど、キャンプで使えそうなものがたくさんあるので、まずはそういった手軽なものを買って試してみるのがおすすめですよ。

ヒロシさんの最新著書

『ヒロシのソロキャンプ ~自分で見つけるキャンプの流儀~』(学研プラス)

8月6日に発売されるやいなや、全国書店で売り切れが続出。即重版となり、9月21日現在累計発行部数6.9万部の話題のソロキャンプ本。ヒロシさんのソロキャンプのすべてが詰まっており、秋のキャンプシーズンにもおすすめの1冊です。

「僕の持っている道具やその使い方が紹介されていますが、僕と同じ道具を揃える必要なんか一切ないんです。本を通して言いたかったのは、お金をかけなくても、キャンプはできるということですね。身の回りのものを外に持ち出すだけでキャンプですから。キャンプ専門店やアウトドアショップに行かなくても、近所の100円ショップやスーパーの日用品売り場に使えるものがたくさん転がっているんです。自分がやりたいキャンプのスタイルを作っていく参考にしてくれれば嬉しいですね。僕の真似するより、そっちのほうがかっこいいでしょ?」(ヒロシ)

本では、予算1万5000円以内で揃えられる、ヒロシ風キャンプ道具も紹介されています。この秋、キャンプデビューしようとしている人や、既にキャンプをやっている人まで、自分のキャンプスタイルを探す参考にいかがですか?

(TEXT:中野一気)

ヒロシ

1972年1月23日生まれ。熊本県出身。ヒロシ・コーポレーション所属。
【TV】
BS朝日『迷宮グルメ異郷の駅前食堂』レギュラー
熊本朝日放送『ヒロシのひとりキャンプのすすめ』レギュラー
【書籍】
初のキャンプ本『ヒロシのソロキャンプ ~自分で見つけるキャンプの流儀~』(学研プラス)発売中!

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