【料理研究家が教える作りおきのコツ】毎日のごはんはラクにおいしくしたいけど、忙しくてなかなか難しい……。そんな方におすすめするのが「作りおき」。でも、どこから始めたらいいの? という方に、作りおきのプロで料理研究家・鈴木美鈴さんが、これを知ってればできる! 「作りおきのコツ」をお届けします。普段の献立にも役立ちそうな調理法や手順などのアイデアも必見です♪
ゴールデンウイークが明け、夏へ向けて、節約モードに入っている人も多いのではないでしょうか? そんなとき、食材を無駄なく食べることができる作りおきは強い味方。食費の節約になるのはもちろん、数日分のおかずをまとめて調理することで、ガス代や水道代などを抑えられるメリットがあります。
今回は、そんな作りおき“節約しながら作るコツ”を料理研究家の鈴木美鈴さんに教えてもらいました。
作りおきといえば、冷蔵庫から出してそのまま食べられるのが利点ですが、毎日同じおかずが続くと飽きて食べ残しが出てしまうことも。そうならないためにもアレンジしやすいかどうかは大事なポイント。一度にたくさんの量を作っても最後まで飽きずに食べられ、調理の手間やコストも大幅に削減できるからです。鈴木さんイチオシの節約にうってつけのメニューを紹介します。
作りおきの定番・「かぼちゃの煮物」は、さまざまな使い回しがきく万能おかず。煮物をミキサーで撹拌して牛乳を加えればかぼちゃのポタージュになり、潰して衣をつければコロッケに、ホワイトソースをかけて焼けばグラタンにもなります。そして耐熱容器にかぼちゃの煮物を入れて、溶けるチーズをかけてトースターで焼けばチーズ焼きのできあがり。このようにアレンジのバリエーションの豊富なので、たくさん作っておくと便利なのです。
「野菜入りのそぼろ」は、ご飯にのせてそぼろ丼にしたり、コロッケの具にしたり、ゆでた春雨を足して春巻きの具にするなどアレンジができます。オムレツや卵焼きの具にすると簡単にボリュームアップになるので、朝ごはんやお弁当にも重宝しそうです。
簡単に作れてイチオシなのが、「キャベツの塩もみ」です。主菜のおかずにさっと盛り付けてもよし、ドレッシングやマヨネーズをかけてサラダにしてもよし。小麦粉や卵を加えてフライパンで焼くと、あっという間にお好み焼きが完成します。キャベツの千切りを大量に作るのは結構手間がかかるもの。冷蔵庫に常備していれば平日の調理の手間を大幅に時短できます。
作りおきに向く節約食材の代表といえば、鶏むね肉。いつでもリーズナブルに入るから大助かりですよね。
「鶏むね肉は1パックで2枚入りのものが一般的なので、私は買ってきたら2枚とも調理してしまいます。1枚はフライパンひとつでできる炒めものに、もう1枚はレンジで調理が可能な蒸し鶏にしたりして、レンジでお任せにしている間にもう1品作ると時短にもつながります」(鈴木さん)
さらに鈴木さんはできるだけ洗い物を減らすことも考えながら調理しているそう。
「お肉に下味をつけたり、野菜を和えたりするときは通常ボウルを使うと思いますが、それをポリ袋ですると洗い物が出ません。野菜などを茹でるときは鍋ではなくラップに包んで電子レンジで加熱したり、フライパンを使うときも専用のクッキングシートを敷いたりすれば、鍋やフライパンを洗う手間が省けます。和え物やマリネなどは保存容器に調味料を混ぜて食材を入れるとそのまま冷蔵庫で保存できるので、ボウルを使わなく済みますよ」(鈴木さん)
いつか使おうと思って冷蔵庫の奥にしまっておくとついつ存在を忘れて捨ててしまう食材も、作りおきをしておくと無駄にせずに済みますよね。
「お買い得の食材を使うのは節約になりますが、食材を残してしまうと本末転倒。使い切ることも大事です。なにを作りおきにするか計画的に考えて買い物をすると、より節約につながると思います」と鈴木さんも話します。
食材を無駄にしない効率の良い作りおきで、節約しながら毎日の食事を楽しみましょう!
※ メイン写真は記事をイメージして選定させていただきました 画像提供:Adobe Stock
保存状況により、保存期間は異なりますので、なるべく早く食べきりましょう。
- 冷蔵庫で保存…常温での保存は避ける
- 清潔な保存容器を使用する…水滴や汚れは腐敗の原因に
- 取り分け用の清潔なスプーンなどで取り出す…口に直接入れるスプーンや手でさわるのはNG
- 作った日付を記しておく
- 冷蔵の場合は、2〜3日を目安に早めに食べきる
料理研究家。トータルフードコーディネーター。クックパッド公式アンバサダー。作りおき・お弁当を得意とし、素材の味を大切に心と身体にやさしい家庭料理を考案、発信している。ウェブ・雑誌・企業へのレシピ掲載をはじめ、数々の料理コンテストにて受賞歴あり。著書に『盛るだけ つめるだけ 毎日かんたん 作りおき おかず』(オーバーラップ)。クックパッドにも絶賛投稿中♪>>>鈴木美鈴さんのキッチン