それぞれのスタイルで無理せず料理を楽しむ、働くパパ5人のインタビュー企画の第1弾。料理と聞くと、「大変そう」「面倒くさそう」と、身構えてしまう男性は多いようです。しかし、「続けるには、頑張らないくらいがちょうどいい」と、パパの子育てや家事への参加を啓蒙する「パパラボ」のメンバーである関 晋弥さんは語ります。関さんは平日の朝食をつくっているそうですが、大変ではないのでしょうか?「時短5分朝食」についてお伺いしました。
僕には3人の子どもがいます。一番上が小学校4年生の男の子、真ん中が小学校1年生の女の子、一番下が保育園に通っている4歳の女の子です。妻は看護師をしていて、共働きです。3人も子どもがいると、とにかく時間が足りません。
あるとき、健康診断で管理栄養士に「タンパク質を毎食とってください」と言われたんです。「毎食なんて無理じゃないだろうか?」と思いましたが、その方に「ご飯に納豆をかける、食パンにハムとチーズを乗せる、ふりかけの中に小魚が入っているだけでいいんです。あまり難しく考えなくても大丈夫ですよ」と教えてもらって。それなら、「自分も子どもたちに、ご飯をつくってあげられそうだな」と思ったのが、僕が朝食をつくるようになったきっかけです。
いまは、朝6時から7時まで息子と一緒に勉強をして、勉強が終わったら2人の娘を起こしています。子どもたちが着替えているときに何が食べたいのかを聞いて、朝食の準備をしてテーブルに出すのが7時10分から20分くらい。40分には食べ終えて、ランドセルの中を整理したり、歯磨きをさせて身だしなみを整えたりして、小学生2人を8時に送り出します。それから一番下の子の歯磨きと身支度をして8時30分に一緒に保育園へ向かうのが、僕の日課になっています。
朝は限られた時間しかありませんから、3人分の朝食を5分でつくるのが基本です。僕はこれを「時短5分朝食」と呼んでいます。毎朝、ご飯とパンの両方を用意して、ご飯に何を乗せるか、あるいはパンに何を乗せるか、その日その日で組み合わせを楽しんでいます。
例えば食パンは、バタートーストの日とか、ジャムパンの日とか、チョコレートパンの日とか。パンにお好み焼きソースを塗って、お好み焼き風パンにしたりすることも。最近は少し慣れてきまして、スクランブルエッグをつくってパンに乗せてあげたり、ワンプレート皿を使ってパンにヨーグルトを足したり、少しずつ工夫するようになりました。
ドリンクも、牛乳やスポーツドリンク、お茶、飲むヨーグルト、オレンジジュースなんかを4種類くらい。お味噌汁やコーンスープも常時用意しています。あとは、冷凍ピザパンや冷凍ドリア、冷凍パスタなどの冷凍食品が登場するときも。とにかく手間をかけずに、子どもたちが食べたいものを好きなように食べられるようにしています。
子どもたち自身が「これが食べたい」と考えることで、食育にも繋がっているような気がします。子どもが寝坊したときは、こっちで決めたメニューを出すんですけれど、それが子どもたちは嫌みたいです(笑)。
最初は、「サラダも付けなきゃ」とか「栄養を考えなくちゃ」と思っていました。でも、それだと続けられないと思ったんです。お昼は給食があるし、夜は妻が頑張ってご飯をつくってくれる。ならば、「朝は子どもが空腹で学校に行かなければそれでいい」と、割り切って朝食をつくろうと決めました。
だから、料理のレパートリーを増やすのではなく、調味料で味のレパートリーを変える工夫をしているわけです。あくまでもベースは、ご飯かパン。同じケチャップでも、トマトケチャップとピザソースを使い分けたり、たくさんの種類のふりかけやジャムを買ってきたり。
「つくる」って言うのもおこがましいですけど、パンに乗せるだけ、ご飯と混ぜるだけ、トースターで焼くだけ、レンチンするだけでも十分だと思います。つくるのに5分しかかからないので、苦になりません。毎日じゃなくても、平日5日あるうちの1~2日だけでも、朝ごはんをつくると喜ばれると思います。肩ひじを張らずに続けるのがおすすめです。
料理をしていて嬉しいのは、妻から「ありがとう」と言ってもらえるとき。子どもたちからも、僕の誕生日に「パパ、いつもご飯をつくってくれてありがとう」と書かれた手紙をもらったこともありました。もう、ジーンときますよね。男って単純な生き物ですから、褒められたら「また、明日もつくるか!」という気持ちになります。
それが高じて、土日はなるべく家にいるようにして、子どもの習い事に付き添ったり、妻が仕事のときは夕ごはんをつくったりするようになりました。頑張らずに無理なく続けられることを少しずつ増やしていきたい。妻と子どもからの「パパ、ありがとう」がまた聞けたら、本当に嬉しいですね。
(取材:植木優帆 TEXT:中薗昴)
株式会社電通
ソリューション開発センター
ソリューション・プランナー
コミュニケーション領域に限らず、ヒトが動く/モノが売れる仕組みを作ることにコミットする課題解決プランナー。プライベートでは3児のパパ、看護師のママと一緒に共働き奮闘中。新宿区で少年野球チームのコーチも務めている。
「パパって、日本のポテンシャル」を掲げる「これからのパパ」についてのプラットフォーム。子育て中のパパや家族を研究し、企業の新たなマーケティング支援や、パパが楽しんで取り組める子どもとのコミュニケーション方法の開発などを行っています。
>>公式HPはこちら