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コラム

寝る直前に水を飲むと心筋梗塞になりやすい⁉️「心臓力」を高めるための食習慣とは

「人生100年時代」とよくいわれますが、そのうちハッピーに100歳を迎えられる方はどれくらいの割合でしょうか。年齢を重ねながら充実した暮らしをしていくうえで重要な事は、「心臓」を健康に保つこと。健康な心臓は酸素や栄養を体に効率的に供給してくれるので、より活発な生活が送れるのです。今回は、心臓のエキスパートである大島一太医師による著書『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』(かんき出版)から、心臓を健康に保つ食習慣について少しだけご紹介します。

健康で幸せな老後をおくるためには「心臓力」の強化が重要!

心臓とはどのような臓器で、そこにはどんな役割があるのか。ほとんどの人が考えたこともないでしょう。それは、その問いの答えが意識する必要もないほど明快だからです。

「心臓はカラダ全体に血液を送り続けるポンプである」
「心臓が止まれば、死んでしまう」

そうです。心臓は私たちのカラダにとって欠かすことのできない「命の源」であり、一生涯にわたって黙々と働き続ける「命の泉」なのです。

健康な心臓は酸素や栄養をカラダ全体に効率的に供給し、体力や持久力を向上させます。心臓力を高めることで、より活発な生活を送ることができるのです。そして、カラダの健康はQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の土台となり、ハッピーな人生へとつながっていきます。

明日からやりたい!
心臓力を高める「朝の食習慣」

毎朝の白湯が心臓力を高める

就寝中は絶飲絶食が続くので、起床時のカラダは脱水状態になっています。そこで、血流をうながすためにも水分を補給しなければなりません。ただ、冷水は血管や筋肉の緊張を招くので、白湯を飲むことをおすすめします。
白湯とは一度沸騰させて冷ましたお湯です。だいたい50°Cくらいが適温です。カラダを温め、筋肉や内臓がほぐれると、それぞれの機能が高まり、基礎代謝もアップします。腸の働きも活性化するので、白湯とともに朝、トイレに行く習慣もつけていきましょう。

朝食は抜かずに食べる

朝食をしっかりとることも、心臓力を高めるために大切です。朝食を抜くと、カラダはエネルギーの欠乏による「飢餓状態」と感じ、その後、昼や夜にとったエネルギーを必要以上に蓄積してしまいます。
もし、これに運動不足が加われば、メタボとなって、高血圧や糖尿病、脂質異常症を併発する可能性が「掛け算式」に高まり、動脈硬化が進むと、やがては心筋梗塞や脳卒中を引き起こしてしまいます。1日のはじまりに、バランスのよい朝食を心がけましょう。

明日からやりたい!
心臓力を高める「夜の食習慣」

深夜の食事に要注意! おやつは午後3時に

夜遅くに食事をとって、すぐに寝るという生活には危険がひそんでいます。食後は血糖値が上がったり、胃腸の血流が増えたりして睡魔が襲ってきます。そして、1日の疲れやアルコールなども影響して、心地よく眠ってしまいます。*この、心地よさが超危険! *夜中の食事がなぜ危ないのか。その理由はたくさんありますが、なかでも、朝起きて夜寝るという生活リズムをつくる体内時計(サーカディアンリズム)が大きく関係しています。
体内時計を調節する働きをする成分に、「BMAL1」というタンパク質があります。近年、注目を集めているこのタンパク質は、脂肪をつくってため込む酵素を増やし、増加すると脂肪もどんどん増え、減少すると脂肪をため込みにくくなります。
BMAL1は、1日の体内時計のなかで午後3時くらいに低下し、午後10時から深夜2時に上昇します。その差は20倍以上。この仕組みからも、深夜の食事は体内の脂肪を増やし、肥満への道を加速させてしまうことがわかります。
いっぽう、おやつをとるなら午後3時が合理的。おすすめはチョコレートです。カカオポリフェノールやGABAなどの成分が、抗酸化作用や血圧を下げて動脈硬化を防ぎます。食べ過ぎは禁物ですが、最も心血管病のリスクを下げるのは、1週間に45g程度と報告されています。

寝る前の水分のとり過ぎに注意

寝ている間にカラダの水分は500mℓ以上失われ、脱水状態になるため、就寝前に水分を補給するのは健康にいいとされています。これは、夜間就寝中に血液がドロドロになるのを防ぐためですが、じつは、寝る前の過度の飲水には注意も必要です。
寝る前に水分をとり過ぎると、水分はすぐに血液から腎臓を通って膀胱にたまり、尿意をもよおし、夜間頻尿のために何度も目が覚める原因になってしまいます。
眠りが断続的になると、疲れがとれないばかりか、冬場はトイレの寒暖差によるヒートショックや翌朝の血圧上昇による心筋梗塞、脳卒中の引き金となり、さらに夜間の転倒、骨折の原因にもなってしまいます。
夜の飲水は、入浴前後にコップ1杯ずつ、寝る1時間前までに1杯、合計3杯が目安です。また、起床時はもっとも水分が足りないので、朝はしっかり水分をとるようにしてください。就寝中、3回以上のトイレは異常です。水分をとることは必要ですが、頻尿の有無や体調などをふまえて医師の指示に従い、自分にとってベストな飲水量やタイミングを意識しましょう。

本文は『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』(かんき出版)より一部抜粋・編集しています。

画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ

いつまでも、美味しくご飯を食べていきたいですよね。そのためには健康が第一! 健康のもとには「心臓」があります。心臓を弱らせて、心臓病を発症したら寝たきりになりかねません。心臓力を鍛えて楽しい食生活を送って欲しいと思います。そのヒントが、食習慣。たとえば、朝食はとったほうがいいのかどうか。深夜に食事して、体はどうなるのか。寝る前の水分補給に注意点はあるかなど、気を付けてみてはいかがでしょうか。他にも、高血圧や血糖値、コレステロールも気になるところ。私の医院にいらっしゃる患者さんは、食習慣を気を付けたその時から体調が変わっていきます。健康を蝕む食習慣から、健康寿命を育む食習慣へ、スイッチしてみては。

書籍紹介

『100歳まで元気でいたければ心臓力を鍛えなさい』(かんき出版)
健康で長生きしたい人、心臓に不安がある人が読む本!

本書は、「全国、循環器系スペシャリストの1人」、「朝6時から行列ができる町医者」、「大学病院の循環器科医師」である心臓のスペシャリスト、大島一太医師・医学博士が解説!

ご自身の健康診断と照らし合わせて本書をお読みください!
次のようなことがわかるようになります。
〇心臓と健康長寿の関係
〇自分に心臓がいつまでもつか
〇いま、何をしたらいいか

医学的なエビデンスに基づく「知識」と「生活習慣」が詰まった一冊です。

■心臓を鍛える習慣×ストレッチ法
◎タマゴはいくつまでOKか?
◎イヌイットの食生活に隠された健康的な食べ方
◎一生、自分の足で歩く筋トレ法
◎健康にする貧乏ゆすり法
◎高血圧、コレステロールの正しい下げ方
◎ストレスのコントロール法
◎血管をやわらかくする方法
◎自分に合った運動法の見つけ方
◎血圧を下げる薬は何がいいか
など。

■心臓の最新情報×知っておきたい知識
◎気になる心臓病の症状と対処法
◎50代以上の多くが心不全
◎医者が危惧する「心不全パンデミック」とは?
◎寿命を明らかにするホルモンがある?
◎LDLだけが悪玉ではない⁉
◎第三の脂肪とは?
◎遺伝・性格で心臓力が左右される?
など。

今、知って絶対に得する内容が満載!!

著者紹介

大島 一太(おおしま かずたか)
医師・医学博士。大島医院院長、東京医科大学循環器内科学分野、東京医科大学八王子医療センター循環器内科兼任講師、日本看護協会看護研修学校非常勤講師、日本循環器学会心不全療養指導士実務部委員、日本心臓病学会特別正会員・フェロー・心臓病上級臨床医、Japan Cardiology Clinic Network理事など。
平成8年東京医科大学卒業、同大学院修了。聖路加国際病院循環器内科、東京医科大学八王子医療センター循環器内科、東京医科大学病院循環器内科に勤務。日本循環器学会や日本心臓病学会、日本不整脈心電学会、日本集中治療医学会、日本救急医学会など、多くの学術集会で教育講演、シンポジスト、座長、査読委員などを歴任。日本看護協会、東京都看護協会、日本臨床衛生検査技師会、東京都臨床検査技師会などでは長年にわたり教育、研修講師を担当。テルモ株式会社の技術開発指導などにも携わり、循環器病学の発展に広く貢献。連日行列となる地域密着の開業医でもあり、大学病院の専門性を兼務する、きわめて質の高い地域医療を、正しく丁寧に実践している正統派のスペシャリストである。
おもな著書に『Dr.大島一太の7日でわかる心不全』(日総研出版)、『これならわかる! 心電図の読み方』(ナツメ社)、『心電図の読み方 Dr.大島一太の心電図講座』(看護の科学社)、共著に『あなたの家族が病気になったときに読む本 狭心症・心筋梗塞』(講談社)などがあり、医学系専門誌への執筆は100編以上、その他、健康誌、スポーツ誌など多数執筆。

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