オーストリアからやって来た食材救出人で映画監督のダーヴィド・グロスさんと相棒の塚本ニキさんが、日本全国を回ってフードロスの実態を探るドキュメンタリー映画『もったいないキッチン』。本作に出演する出張料理人・ソウダルアさんに、おいしく、無駄なく、料理を楽しむコツを伺いました。
出張料理人として全国各地を飛び回り、目の前にある限られた食材を使って多様な料理へと変身させるフードパフォーマンスを展開しているソウダルアさん。仕事でも、プライベートでも、お料理を作る際には「流れ」を大事にしていると語ります。
「川の流れのようでありたいと思っているんです。雨が山に降り、川が始まり、その小さな始まりが集まり、大きな河となり、海へ還る。特にフードパフォーマンスでは、すでに土地土地にある、自然の循環を料理として表現することを大切にしています」(ソウダさん)
そんなソウダさんがいつも信条としているのは、食材を余すところなくおいしくいただくこと。
例えば1つの食材でも、部位ごとに適した調理法を選び、さまざまな料理に仕上げたり、調理工程の中で生まれた茹で汁をほかの料理にだしとして活用するなど、料理の「流れ」に乗ると自然にアイデアが生まれ、結果的に食材をすべて使い切ることができているのだそう。
家庭で料理をしていると、食べられる部分まで捨ててしまっていたり、食材を余らせてしまったり、意図せず食品ロスを排出してしまうことがあるのではないでしょうか?
そこで、ソウダさんが実際にご自宅で作っている、楽しく食材を使い切るコツが満載な2つのレシピをご紹介。食材を無駄にしない上、洗い物も減らせて、2度おいしい。そんなお得な「もったいない」をゼロにするお料理をお届けします♪
茄子……3本
鶏むね肉……150g
青唐辛子(赤唐辛子でも可)……2本
ニンニク……3、4片
オリーブオイル……100ml
白だし……50ml
水……50ml
味醂……50ml
1.ニンニクと青唐辛子をみじん切りにし、オリーブオイル、白だし、水の入ったフライパンに入れ、弱火にかける。
2.茄子と鶏むね肉を2cmの拍子切りにする。
3.茄子は、1のオイルがふつふつとしたところへ入れて、しばらくそのまま弱火にかけ続ける。
4.鶏むね肉は味醂に漬けておく。
5.茄子がとろりとしてきたら、一度火を消して鶏むね肉を入れ、蓋をして少し置く。
6.再び、弱火にかけて沸いてきたら完成。
そうめん……2束
「茄子と鶏むね肉のアヒージョ」のオイル……適量
1.そうめんは気持ち固めに茹でて、水洗いをした後、水をよく切る。
2.具材を食べ終わった後の「茄子と鶏むね肉のアヒージョ」のオイルが入ったフライパンにそうめんを入れ、火にかけて混ぜ合わせる。
3.お好みでねぎ、胡麻、少し醤油を入れる。
アヒージョを楽しんだ後、残ったオイルでもう一品おいしい料理ができちゃうなんて嬉しいですね。ちなみにそうめんチャンプルーを作る際、アヒージョの具材は多少残っていてもいいし、なくてももちろんOKとのこと。
「そうめんチャンプルーは、アヒージョの具材が残っていなくても、新たに具材を足さなくて大丈夫。シンプルに食べた方がおいしいですよ。見た目には具材がなくとも、ニンニク・茄子・鶏むね肉・出汁の味わいがオイルにしっかり入っているので、ちゃんとうまみたっぷりのそうめんチャンプルーになります」(ソウダさん)
食品ロスを減らそう!と意気込んでみても、日々の料理の中でストイックに取り組むのはハードルが高いものです。いつものお料理の「流れ」のままに、少しクリエイティビティを発揮してもう一品作ってみる。そんなちょっとしたアイデアが、「もったいない」をゼロにすることにつながっていくのではないでしょうか。
「まず、世の中にはいろんな料理がある、いろんな食べ方や地域や国ごとのスタイルがあると知ることから始めてみてください。そして、それらを自分の物差しや枠組みで捉えるのではなく、素直にあるがままに受け取れれば、自然と日々の料理の中でアイデアが湧き、意識しなくとも、おいしく楽しくロスもなく、料理を楽しめるようになっていると思います」(ソウダさん)
(TEXT:福井千尋)
2020年8月26日(水)14時00分よりInstagramLiveを配信! 記事でご紹介した「茄子と鶏むね肉のアヒージョ」と「そうめんチャンプルー」の作り方とコツを実演しながらレクチャーしますので、ぜひご覧ください。
当日は、クックパッド編集部担当本部長の小竹貴子とともに料理を作りながら、日々の料理の中で「もったいない」をゼロにするためのちょっとしたヒントについてもトークを展開します。お楽しみに♪
>>InstagramLiveはクックパッドニュースのInstagramアカウントからご覧になれます。要チェック!
食の「もったいない」を美味しく楽しく解決! 舞台は“もったいない精神“の国、日本。
“もったいない精神”に魅せられ、オーストリアからやって来た食材救出人で映画監督のダーヴィドと、パートナーのニキが日本を旅して発見する、サステナブルな未来のヒントとは?
8月8日(土)よりシネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか、全国順次ロードショー。
ソウダルアさんも出演する映画『もったいないキッチン』を、ぜひこの機会にお楽しみください。
大阪生まれ。5歳の頃からの趣味である料理と寄り道がそのまま仕事に。“美味しいに国境なし”を掲げ、日本中でそこにある食材のみを扱い、これからの伝統食を主題に海抜と緯度を合わせることで古今東西が交差する料理をつくる。現在は和紙を大きな皿に見立てたフードパフォーマンスを携え、新たな食事のあり方を提案中。
【フードパフォーマンス映像】
https://vimeo.com/275505848