【ほっこり江戸ごはん Vol.2】江戸好きが高じて、地毛で「ちょんまげ」まで結ってしまった江戸マニアの伊尾木将之さんに、江戸時代のレシピとともにほっこりエピソードを教えてもらいます。今回は、江戸時代のお花見気分が味わえる「桜ずし」をご紹介。
おはようございます、こんにちは、こんばんは。
江戸時代が大好きで江戸の食文化を研究している伊尾木と言います。
江戸時代とは関係ないのですが、つい先日バレンタインに、初めてカカオ豆からチョコレートを作って奥さんにプレゼントしました。独特の風味が面白かったです。ちなみに、奥さんからは何も貰っていません。ホワイトデーは子どもと一緒にチョコクッキーを焼いて、奥さんにプレゼントしました。 ちなみに、奥さんからは何も貰っていません。
さて、そんな個人的な話はおいておいて、第2回目に紹介するのは「桜ずし」という料理です。桜といっても、本当の桜を使っているわけではなく、タコを桜に見立てたシンプルなのにちょっと華やかな気分になれる料理です。
昨今、自由にお花見にもいけませんが、是非桜ずしでお花見気分だけでも味わってください!
基本の材料はお米とタコと調味料です。もしあれば、木の芽を添えてください。 ぐっと彩りが綺麗になります。
まず、酢飯用のご飯を炊きます。
ご飯を炊いている間に、だし汁、醤油、みりんを混ぜた煮汁にタコを入れ、5分ほど煮ます。
タコが煮えたら、しばらく冷ましましょう。
この間に味がしみ込んでいきます。
冷めたらタコを薄切りしておきます。
ご飯が炊けたら、お酢、塩、砂糖を混ぜた合わせ酢をご飯にかけて酢飯を作ります。
酢飯を器に盛って、タコと木の芽をチラしたら完成です!
江戸時代もお花見は盛んに行われていました。
江戸の春の名物お菓子といえば、桜餅が非常に有名でした。
上の絵が、墨田川の桜を描いたものですが、女性二人がもっているものが「桜餅」です(実は関東の桜餅は発祥のお店が浅草に現存しています)。
浮世絵にも書かれるくらい大人気だったんですね。
他にも様々な文献にも桜餅は出てきますが、その中の一つ幕末の下級武士・酒井伴四郎[1]の日記を紹介します。酒井伴四郎が浅草へ遊びに行ったときの日記です。
「茶屋にて茶を呑、桜餅などを喰(中略)浅草観音え参詣ここにて浅草餅を喰、それより浅草通にてすしなどを喰、また祇園豆腐にて飯を喰」
とあります。桜餅が有名なお菓子だったことが分かりますが、
ちょっと食べすぎでは?と思ってしまうくらいに食べ歩きをしていますね。
江戸の人もこんなのんびりした日々を過ごしていましたが、現代も早くこんな日常が送れるようになるといいですね。
[1] 幕末単身赴任 下級武士の食日記 (生活人新書)
大阪出身のうさぎ好き。修士までは物理を学び、博士課程で情報系に進むも撃沈。現在はクックパッドでエンジニアをしながら、食文化を研究している。
日本家政学会 食文化研究部会の役員を務める。
2020年秋から社会人大学生(文学部)に。
本業は川崎フロンターレのサポーター。