家事や育児の分担は、円満な夫婦生活を送っていくために欠かすことができない大きなポイントです。共働き家庭も多い昨今は、上手に家事を分担をして、夫婦で力を合わせて日々の暮らしを乗り越えていくのは当たり前のことでしょう。そんな中、リンナイ株式会社(愛知県名古屋市)が、知的家事プロデューサー・本間朝子先生の監修のもと、既婚男女2,350名を対象に「夫婦の家事分担」に関する意識調査を実施しました。
まず、「夫婦の家事の分担割合」について聞いたところ、「妻が9割」(女性回答34%、男性回答28%)が最も多い回答となりました。「妻が10割」と答えた人は、女性が23%、男性が8%と男女で差が見られ、そもそも家事分担の認識が夫婦間で大きく異なっている面もあるようです。また、「妻が8割以上」と回答した家庭が7割弱あり、共働き家庭が6割を超えた現在でも、妻の家事の負担がまだ高いこともわかりました。
本間先生いわく、「妻10割と回答したのが女性のほうが多いのは、夫には見えていない小さな家事が多数あるため」とのこと。 夫婦の家事を見直したい場合は、それぞれがやっている家事を書き出す「見える化」が効果的で、前向きな話し合いがしやすくなるそうです。
次に、「 1日に家事に費やしている時間」を尋ねたところ、最も多い回答は、女性が「3~4時間未満」(28%)、男性が「1~2時間未満」(48%)でした。さらに、「担当している主な家事」に関しては、すべての家事において女性が男性を上回り、男性が担当している家事は、「掃除」(53%)と「買物」(50%)が上位を占めました。
「パートナーにやってほしい家事は?」との問いには、女性は1位が「掃除」(54%)、2位が「育児・介護」(40%)、男性は1位が「食事」(49%)、2位が「特にない」(35%)という結果となりました。これについて本間先生からは、「どの家事に困っていて、どの作業をやってほしいのかを話した上で家事をすることが、お互いにとって有益です」とアドバイスをもらいました。
「食事・洗濯・掃除で担当している具体的な家事」を聞いたところ、女性の7割以上がほぼすべての家事を担当していることがわかりました。一方、男性に多かった回答は、掃除「ごみ袋の取り替え」(37%)、食事「食器洗い・乾燥」(34%)、洗濯「洗濯物を干す(乾かす)」(32%)と、食事・洗濯・掃除の一部分のみに限られていました。
「食事・洗濯・掃除で負担に感じる家事」については、女性の上位回答が、食事「献立を考える」(57%)、掃除「水まわりの汚れ掃除」(49%)、洗濯「洗濯物をたたむ」(37%)となりました。また、女性がパートナーに気にかけてほしい家事は、食事「コンロなど調理機器の掃除・手入れ」(39%)、掃除「換気扇の油汚れ掃除」(39%)、洗濯「洗濯物をしまう」(32%)が多い答えでした。
家事分担を「見える化」すること、家事について普段からコミュニケーションを取ること、時短家電や便利グッズを活用すること。この3つが夫婦で上手に家事分担をしていく上で大切なポイントだと本間先生は言います。お互いが心地良く日常生活を送っていくためにも、家事分担で気になる点がある場合は、きちんと夫婦で話し合ってみることが重要かもしれませんね。
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知的家事プロデューサー。自分自身が仕事と家事の両立に苦しんだ経験から、家事の効率化役立つメソッド「知的家事」考案し、メディア講演等を通じて提案している。著書に『写真で分かる!家事の手間を9割減らせる部屋づくり』(青春出版社)、『ムダ家事が消える生活』(サンクチュアリ出版)、『ゼロ家事』(大和書房)、『60歳からの疲れない家事』(青春出版社)他、多数。