農業研究にたずさわる傍ら、雑草など身近な草花の自然観察を続けている静岡大学大学院教授の稲垣栄洋先生に、子ども時代の自由研究のエピソードと、子どもの「理科力」を伸ばすための親の関わり方を教えてもらいました。
稲垣先生の子ども時代の自由研究について、教えてもらいました。この夏の自由研究のテーマを決める参考にしてみてくださいね。
小学校5年生のときに、せみの抜け殻を題材にした自由研究をしたんだ。
ニイニイゼミ、ツクツクボウシなどせみの種類によって好きな木が違うのか?
せみの種類によって抜け殻の場所(木の高さ)が違うんじゃないか?
と考えて、実際に自分で調べてみたんだ。
「ふしぎだな?」「本当かな?」と思うことを、調べたり、実験して確かめてみるのが自由研究。本やインターネットに書いてあることを調べることも大切だけど、実際に観察や実験をして自分の目で確かめてみるのはもっと大切! 大人が気づかないような、新しい発見があるかもしれませんよ。
研究は、思い通りにいかないことも多い。でも、うまくいかないときこそ、大発見のチャンスでもある。たとえば、実験をしようと種をまいたけれど、うまく芽が出なかったとしよう。そのときは、どうして芽が出なかったのか考えてみよう。種を変えてみたり、まく場所を変えてみたり、水のやり方を変えてみたりして、どうして芽が出なかったのか調べてみても面白いね。