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コラム

【医師が教える】老けて見える人、見えない人の「食習慣」の差

山田周平

エンタメ記事や育児コラムなどを書いています。

老化を防いで元気に長生きをしたいというのは誰もが願うことでしょう。とはいえ、年齢を重ねるにつれて、見た目も体の中も衰えを感じるようになるものです。いつまでも若々しさを保つためには、どのような食習慣を意識していくことが大切なのか。YouTubeチャンネルの登録者数が37万人を誇る、医師でヘルスコーチの石黒成治先生に教えてもらいました。

「老化」を防ぐための2つのポイント

健康寿命を延ばすためには、やはり健康的な食生活やライフスタイルを心がけることが何よりも大切です。元気に歳をとっていきたいのであれば、何がそれを阻害するのかを考える必要もあるでしょう。

老化を防ぐための重要なポイントとして、わかっていることがいくつかあります。

まずは、「カロリーを制限すること」。カロリー制限による寿命の延長は、人ではまだ証明されていないものの、猿やミミズなどではすでに実証済みです。

次に、「メチオニンを制限すること」。メチオニンを制限することも有効でしょう。メチオニン制限食は、ラットだと平均寿命を最大40%も延ばすことができるという基礎データがあります。

「メチオニン」の制限はさまざまな効果を生み出す

「メチオニン」は硫黄を含んだアミノ酸で、必須アミノ酸の1つ。牛肉、鶏肉、魚の肉などの肉類やチーズ、大豆などに含まれていて、同じ分量でも、大豆類より肉類のほうが圧倒的に含有量が多いです。

肥満やメタボリック症候群の人に、約4ヶ月間「メチオニン制限食」と「普通食」を取ってもらったところ、メチオニン制限食を取っていた人のほうがインスリン抵抗性や脂肪の燃焼度が良くなったという研究結果が出ています。脂肪肝の肝臓の中の脂肪も燃えたなど、体内の代謝を変える効果も見られたそうです。

さらに、心筋梗塞などの血管が詰まるような現象は、メチオニン摂取量が多い人に現れやすいというデータもあります。

ほかにも、メチオニンは酸化ストレスや老化に関連していることを示すデータもある上に、老化を遅らせるだけではなく、ダメージを積極的に修復していくような効果も出ているので、健康寿命に影響を与えてくれる可能性も高いと考えられます。

老化を防いで長生きするための生活スタイル

老化を防ぎ、健康的に長生きをしていくためには、生活習慣の見直しも欠かせません。

野菜や果物に含まれている植物栄養素や抗酸化物質を積極的に摂る。そして、メチオニン制限食を意識して、動物性たんぱく質の量を制限する。さらに、すでにわかっているアンチエイジングの効果を利用して生活をしていく。

こういった点を意識して、日々の生活スタイルを自分なりに確立していくことが大事になりますよ。

(TEXT:山田周平)

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石黒成治(いしぐろ・せいじ)

消化器外科医、ヘルスコーチ。
1973年、名古屋市生まれ。1997年、名古屋大学医学部卒。国立がん研究センター中央病院で大腸癌外科治療のトレーニングを受ける。その後、名古屋大学医学部附属病院、愛知県がんセンター中央病院、愛知医科大学病院に勤務する。2018年から予防医療を行うヘルスコーチとしての活動を開始。腸内環境の改善法、薬に頼らない健康法の普及を目的に、メールマガジン、YouTube、Instagram、Facebookなどで知識、情報を分かりやすく発信している。Dr Ishiguro YouTubeチャンネル登録者数は37万人超(2024年1月時点)。

執筆者情報

山田周平

ライター。さまざまなWEBサイトでエンタメ記事や育児コラムなどを書いています。著書に『ひとのパパ見て わがパパ直せ』。
Instagramアカウント:@damepapa31

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