巷を騒がしている話題の「壁ドン」。女の子は、壁ドンをされるとドキドキしてしまったりするようですね。ではなぜドキドキとしてしまうのでしょうか? これには「パーソナルスペース」という自分と相手との距離の意識が関係しているようです。
今回は、この「パーソナルスペース」と「壁ドン」の関係について、医師にインタビューしてみました!
男性の腕の長さの空間に男女2人が入りこんで見つめあう壁ドン。顔と顔の距離は30㎝程にも縮まります。その距離の近さがドキドキの理由と考えられます。
実は私たちは相手との親密度によって、無意識に相手との距離を使い分けているのです。それを「パーソナルスペース」といいます。この「パーソナルスペース」こそが壁ドンのドキドキと関係していると考えられるでしょう。
「パーソナルスペース」とはコミュニケーションをとる相手が、自分に近づくのに違和感を感じない距離のことです。エレベーターの中などで知らない人がそばに来ると、なんとなく気まずい思いをしますよね。わざと目をあわせないように階数表示をじっと見てみたり。
これはパーソナルスペースに侵入された違和感によるものと考えられます。「パーソナルスペース」は個人差、人種差、男女差もあります。
「パーソナルスペース」は1966年アメリカの文化人類学者、エドワード・ホールにより相手との親密度から4つの距離へと分けられました。
○密接距離(0〜45㎝):
夫婦や恋人との距離(容易に相手に触れられる距離)
○個体距離(45㎝~120㎝):
友人同士の距離(手をのばせば相手に触れられる距離)
○社会距離(120㎝~360㎝):
仕事上の付き合いの距離(会話ができる距離)
○公衆距離(360㎝以上):
個人的な関係がない相手との距離(複数の相手が見渡せる距離)
普段は個体距離や社会距離をとっている相手が、壁ドンでは不意に密接距離に侵入してきます。恋愛対象としての意識をしてしまう距離ですね。
一般的に男性は女性よりパーソナルスペースが広く、前方に距離が長く広がっています。お互い気になっているような関係で、男性にここぞと意識させたい場合、前方に座ってパーソナルスペースに侵入すれば、意識を向けさせることができるかもしれません。
しかし男性が、内向的な性格であったり、男性が控えめな女性が好きな場合は、パーソナルスペースに侵入することで、積極的すぎる印象をもたれて逆効果になってしまう可能性もあると思います。
壁ドンなどで不意に密接距離に入ることで、相手をドキドキさせることができますよね。このドキドキで恋愛対象として意識させることができるのは、吊り橋効果といって、吊り橋を渡るドキドキを恋のドキドキと混同してしまうというものと同じです。
ところで、密接距離に入るからこそ気をつけなければいけないこともあります。近づくことで気になる、体臭のケアも必要ですし、健康的な肌や髪の毛の清潔感で好印象を与え、プラスのイメージをもってもらうことが大事ですよね。
では、どのように密接距離に入ればいいのでしょうか。壁ドンはその潔く男らしい行動も魅力的ですが、そこまではちょっと…という男性もいらっしゃるのではないのでしょうか。一緒に携帯電話で動画を観るなど、さりげなく密接距離に入るのも一つの方法かもしれません。
お互い好意をもっているのを感じているけど、なかなか進展しない関係、そんな時は壁ドンのように不意に密接距離に入ることが良いきっかけになるかもしれません。
しかし、まだ付き合いの浅い関係で、パーソナルスペースに侵入しすぎてしまうと、この人とはなんだか合わないと違和感をもたれてしまう可能性もあります。相手のパーソナルスペースを理解して、それに合わせることによって、居心地のよい相手と認識され、安定した関係を築けるかもしれませんね。
(監修:医師 あい先生)
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