どんなに世の中の技術や研究が進んでも、私たちの生活に潜むさまざまな危険が完全になくなることはありません。
予期せぬ犯罪、交通事故などに遭遇してしまうことや、地震や津波、火災、風水害、原発などの災害に巻き込まれてしまう可能性が「ゼロ」になることはないからです。
けれど、対策の1つとして、そうしたさまざまな危険から大事な命を守るための力を育むことで、少しでも危険から身を守ることはできるはずです。
そういった、自分で自分の体や命を守る力、自分以外のまわりの人の安全にも配慮できる力を身につけ、そして将来は、市民としてみんなの安全のために自分にできることを考えて行動できる力を身につけるということをめざしているのが「安全教育」です。
あなたはお子さんに「安全教育」をしていますか?
私たち親世代は、親の躾や、おばあちゃんの知恵、ときにはご近所の方の注意に支えられて無事に大人になることができました。
しかし、その頃に比べ社会は大きく変わっています。
インターネットが生活の中に浸透し、街は24時間フル稼働、そして自然環境も姿をかえていますよね。
こうした現代社会で危険から身を守り大人になっていくためには、今の時代に即した向き合い方を子どもたちに教えなければなりません。
まずは、自分たちの頃と状況が変化しているということ、今までどおりの安全に関する知識では通用しないことを大人が理解することが「安全教育」の第一歩です。
子どもの安全教育は学校だけで行うものではありません。むしろ、まず家庭での安全教育が大切なのです。
日々の生活を通して、家族とのコミュニケーションの中に取り入れながらできる、「家庭での安全教育」のベースとなる“9カ条”をご紹介します。
1.犯罪や災害、交通事故などについて話し合う
2.命の大切さを伝える
3.信頼関係を深め愛情の絆を結ぶ
4.大切な子どもであることを伝える
5.約束や決まりを守る習慣をつける
6.身の回りの物を大切にする習慣をつける
7.ご近所の人にあいさつをする
8.地域行事や地域の活動に親子で参加する
9.自然に親しんだり外あそびをする
子どもの安全教育は0歳から、もっと言うと、子どもを授かったその日から始まると考えていただければと思います。
上記の「安全教育」の基本をベースとし、大切な子どもを犯罪の被害者にも加害者にもさせないために、また、災害や事故で傷つくことのないように、子どもの発達段階や性差、個人差などに合わせ「わが家の安全教育」からスタートしていきましょう。
宮田美恵子
順天堂大学医学部協力研究員。日本こどもの安全教育総合研究所理事長(特定非営利活動法人)。
大学で学生への講義のほか、児童・生徒の授業、および成人を対象とした市民安全のための生涯学習活動にも力を入れている。新聞・テレビ・ラジオ・雑誌など多数に出演(安全教育学)。
暮らしニスタの方々がアイデア持ち寄り、お互いに情報をシェアするのがこのサイト。決して手抜きではない“時短家事”の方法や、気分が上がるインテリアのコツ…など、生活の中で生まれた「知りたい!」の答えがあります。