受験生をもつ親が悩むのが、栄養バランスを考えたご飯つくり。特に「お弁当」に関しては、レシピに困っている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、東大に現役合格した息子さんに毎日お弁当を作り続けたみきママこと藤原美樹氏の著書『みきママの東大合格弁当』(扶桑社)から、受験生活を支えるお弁当つくりのヒントを少しだけお届けします。
受験生活を支えるお弁当つくりに大切なこと、それは栄養バランスです。 特に、記憶力アップを助けるレシチン、精神を落ち着かせるカルシウム、免疫力をととのえるビタミンC、この3栄養素を含む食材を使うことを、毎日意識します。
栄養素というと難しく聞こえるかもしれませんが、それぞれの栄養成分を含む食材から、お弁当に使えそうなものをリスト化しておき、そこからチョイスするだけ。肉も野菜もちゃんと含まれていて、普通にお弁当によく使う食材ばかりなので、かえって拍子抜けするかもしれません。
でも、この3つを少量でもいいから必ず入れるんです。それにご飯やパンなどの炭水化物をガッツリ加えたお弁当を、息子に毎日持たせていました。
なぜこの3栄養素なのか。
たとえば頭がよくなることで有名なDHAは、青魚に多く含まれているのですが、マグロやサンマ、イワシやウナギなどお弁当に使いにくいものがほとんど。ですから夕飯でとり入れたほうがいいと思っています。一日のトータルの食事バランスを見たときに、お弁当に使いやすい食材が、レシチン、カルシウム、ビタミンCの3つに多かった、というわけなんです。
長い目で見て大事なのは、単に賢くなるだけでなく、受験生活に負けない精神力と体力を鍛えること。成績が伸び悩んでイライラしたり、風邪をひきそうになったり、といったイザというときにめげずに力を発揮できる人間力を、バランスのよい食事で養っていきましょう。毎日のお弁当づくりは、無理なく続けられることが第一。3つの栄養素をとり入れることをルーティン化して、長い受験弁当生活を乗りきってください。
レシチンはおもに卵と大豆に含まれ、頭の働きをサポート。脳に効くブレインフードとも言われ情報伝達機能を高めるため、学習能力向上に欠かせない栄養素です。レシチンを構成する成分の一部であるコリンが記憶力や集中力などの認知機能に作用するので、理解を深めたり記憶や情報をインプット・アウトプットする速度にも影響します。
卵黄100g中に含まれるレシチンの量が630mgなのに対して卵白は0.3mgと含有量が多いのは圧倒的に卵黄です。卵は酸化しやすく、本来は生や半熟など加熱しすぎないほうがいいのですが、お弁当に生は厳禁。卵焼き、目玉焼き、ゆで卵など、手軽な調理法で黄身までしっかり火をとおし、頻繁に入れるようにしています。
カルシウムは骨の形成や筋肉の収縮に関わる、成長期に必須の栄養成分。不足すると筋肉の緊張状態が続き、イライラや不安などの症状となって出てしまいます。受験期は、試験前に緊張するなどストレスにさらされがちなので、リラックス効果のあるカルシウムで気持ちを落ち着かせて。乳製品やビタミンDを含む食品と一緒に食べると吸収を促進できます。
カルシウムの保有量がダントツに多いのが干しエビ。100g中に含まれるカルシウムの量は2000mgほどで、これは牛乳の18倍にもなります。大さじ1杯(約5g)でも100mgのカルシウムをとることができるので、ご飯にふりかけたり、おにぎりの具にしたりするのがおすすめです。保存食として長期保管でできるのも嬉しいポイントです。
レモン○個分などとたとえられるビタミンCですが、じつはピーマンやブロッコリーといったお弁当でおなじみの野菜のほうが多く含まれます。免疫機能をサポートし、皮膚や粘膜を健康に保つことから、風邪やインフルエンザの予防にも効果が期待できるそう。抵抗力を高め、疲労や乾燥、老化、貧血など体にかかるストレスから守ってくれます。
油で炒めた場合、100g中の含有量が赤ピーマン180mgに対し緑ピーマン79mgと、赤が優勢。ただ、緑のほうが安くて手軽なので、彩りなども考慮して使い分けします。
こま肉を使って、タネを練ったりヒダをつくって包んだりするギョーザの手間を省きました!ニラはカルシウムとビタミンCを両方含む超パワー食材。ニラのアリシンが、豚肉に多く含 まれるビタミンB1の活性を高め、疲労回復や滋養強壮に効果を発揮します。さらにミニトマトでビタミンC、キャンディチーズで手軽にカルシウム追加。ゆで卵にかけるふりかけも、カルシウム入りを選ぶとなおよしですね。
材料 (12個分)
豚こま肉... 200g
ニラ(3cmに切る)...1/4束
A
∟しょうゆ、オイスターソース...各小さじ2
∟片栗粉...大さじ1/2
∟ゴマ油...小さじ1/2
ギョーザの皮...12枚
ゴマ油...小さじ1
つくり方
1.ボウルに豚肉とニラ、Aを入れて混ぜ合わせる。
2.12等分してギョーザの皮にのせ、皮の端に水少しをつけ、両端をギュッとくっつけるように押しつける。これを12個つくる。
3.フライパンに並べ、油を回しかけてフタをし、片面3分ずつ肉に火がとおるまで焼く。
材料とつくり方 (1 人分)
ゆで卵1個にカツオ節入りふりかけ適量をかける。
本文は『みきママの東大合格弁当』(扶桑社)より一部抜粋・編集しています。
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中学時代の塾弁から高校3年間のランチ弁当まで、3つの栄養素を支えにしてお弁当づくりに励みました!もちろんお弁当だけで息子が東大に合格できるわけはないですよね。でも、日々のおかずにのせて応援の気持ちを届けることで、がんばる背中を少しくらいは後押しできたんじゃないかなと思うんです。
そんな東大合格弁当レシピには、頭脳だけでなく体力面や精神面など受験期のいろんな悩みに寄り添うヒントがたくさんつまっています。もしお子さんのお弁当づくりに悩んでいらっしゃるなら、同じお弁当をつくって、ご自身もランチに食べてみてはいかがでしょう。
ギョーザ弁当で元気が出てきたら、きっとお子さんの疲れも吹っ飛んでいるはず! 今頃同じおかずを食べてるのかなぁって考えるだけで、ニヤニヤしちゃうと思いますよ(笑)
『みきママの東大合格弁当』(扶桑社)
TVでも話題沸騰!長男の現役東大合格をあと押ししたお弁当レシピ
昨春、長男が東大に現役合格したみきママさん。高校3年間、毎日つくり続けたお弁当には、料理で受験勉強を応援するヒントがたっぷりつまっています。この本では、受験生に必要な3つの栄養素「記憶力アップを助けるレシチン」「精神を落ち着かせるカルシウム」「免疫力を整えるビタミンC」を取り入れたお弁当を大公開! 昨年、『踊る!さんま御殿!!』出演時にも東大合格弁当について話をし、大きな注目を集めました。受験生をもつ親はもちろん、資格試験勉強や頭脳労働に励む人などにも参考になるレシピと栄養の話は必見です。
PART1 レシチン・カルシウム・ビタミンC…3つの栄養素を使う!受験期弁当
「記憶力アップ!カツ丼みたいなお弁当」「勝負のテスト期間に向けて!サバの甘辛焼き弁当」「疲れて元気がなかったら…豚こまギョーザ弁当」…など受験生のあと押しをするお弁当を紹介。
PART2 3つの栄養素別おかずカタログ
レシチン、カルシウム、ビタミンCの栄養素別メイン&サブおかずをどどんと80品公開!
PART3 余裕のない朝に便利なラクおかず
切り身魚のやサブおかずの冷凍テク、市販の冷凍おかずのアレンジ術…など寝坊した朝や時間がない日に役立つアイデアを紹介。
COLUMN
・またつくって!と必ず言われる「リクエストおにぎり」
・パパッと食べれる!と大絶賛「時間がたってもおいしい麺弁当」
さらに…長男・はる兄とのお弁当対談も必見です!
藤原 美樹 (ふじわら みき)
ブログフォロワー74万人、インスタフォロワー40万人、YouTubeちゃん念登録者数44.5万人、と大人気のおうち料理研究家。アイデア満載でつくりやすいメニューに定評がある。
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