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コラム

絶対にやめて!「カセットこんろ」の危険すぎる使い方が大事故の原因に

鍋料理が増えるこの季節、活躍するのが「カセットこんろ」です。一方で、カセットこんろによる事故は毎年10月ころから増加し、年末から年始にかけてピークを迎えます
冬場だけ使う、防災用に備蓄しているなど使用頻度が低いと、意外とカセットこんろ本体にも寿命があることや正しい使用方法を忘れてしまいがちです。 場合によっては、爆発・破裂を伴うなど大きな被害が発生する恐れがあるので注意が必要です。

そこで今回は、カセットこんろ使用時の注意点を製品事故の調査を行なっている独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の調査をもとに紹介します。

大きな被害発生の恐れあり!カセットこんろの事故に注意

2017年度から2021年度の4年間にNITEに寄せられたカセットボンベ使用製品の事故情報は129件。特に最近ではガストーチによる事故が急増しております。しかしながら、カセットこんろによる事故も全体の約30%を占めており(下図参照)、ひとたび事故が発生すると、爆発や破裂をしたり、火災によって全焼してしまう事故も起きています。過去には、「高校の文化祭での事故で15人がやけどを負う」など10代の被害者が出たこともあります

このようにカセットこんろによる事故は、年齢問わず注意が必要で、爆発・破裂、さらには火災による全焼など大きな被害が発生する恐れがあります。

事故の発生状況と防止策をチェック!

カセットこんろの事故発生状況を分析すると、次のような事故が多く発生しています。ここでは、特に事故が多発していた①から③について詳しくご紹介します。(※1)

① 他の熱源(電気こんろ、ガスこんろ、IH調理器等)で過熱された
② 火をつけたまま放置した
③ カセットボンベを適正に装着しなかった
④ 使用中に可燃物(衣服、新聞紙等)が接触した
⑤ 内部に滞留していたガスに引火した
⑥ 五徳(※2)を正しく装着しなかった など

(※1)平成17年度から21年度の5年間に発生した事故154件のうち、「専ら設計上、製造上又は表示に問題があったと考えられるもの」や「調査中のもの」を除いた135件の事故にうちで現象別被害状況をまとめたデータを参照。
(※2)ガスこんろの部位の一つ。やかんやフライパンなどを置くための金属製の台。

①他の熱源で過熱されたことで発生した事故

【事例1.】IH調理器の上にカセットこんろを置いていた際に誤って電源を入れてしまい、カセットこんろ内のボンベが加熱されて破裂したと推定される事故。

【事例2.】ガスこんろのグリル排気口にカセットこんろを置いたまま魚を焼いていたところ、グリルからの排気熱でカセットボンベが過熱されて爆発したと推定される事故。

【防止策】カセットこんろを他の熱源の上に置かないこと。
(例)ガスこんろのグリル排気口、電気こんろ、鉄板の焼き台、七輪、暖房器具等
「片付けの時、ちょっとその辺にカセットこんろを置いておく」そんなときも絶対に他の熱源の上には置かないようにしましょう。

②火をつけたまま放置したことで発生した事故

【事例】カセットこんろを使用したまま放置したため過熱し、周囲の可燃物に燃え移り火災に至ったものと推定される事故。

【防止策】調理中はその場を離れないこと。その場を離れるときは火を消すこと。
「少しの間だから」とその場を離れると、カセットこんろやその周辺で起きる異変に気づくのが遅くなり、小さな事故が大きな事故に発展してしまうかもしれません。少しの間でも必ず火を消しましょう。

③カセットボンベを適正に装着せず起きた事故

【事例】カセットこんろを使用中、「ヒューヒュー」と音がしてボンベの周辺から炎が出た事故。カセットボンベが表示どおり正しくセットされずガス漏れして、こんろの火が漏れたガスに引火したと推定される。

【防止策】カセットボンベは、カセットこんろの取扱説明書にしたがって正しく装着・使用すること。他にも、こんろに不適合なボンベの使用や、火力が弱くなった時にカセットボンベを熱して使用するなどもやめましょう。

製品や取扱説明書を確認して安全に使用しよう!

カセットこんろは様々なシーン・幅広い年齢層で使用されています。使い慣れてる人もそうでない人も、使用前には取扱説明書を確認したり経年劣化の有無を確認したりして、安全に料理を楽しみましょう。 見た目に異常がなくても、カセットこんろは10年、カセットボンベは7年を目安に買い替えることが推奨されています。さっそくご家庭の製品の製造年月日を確認してみてくださいね。

参考資料
カセットこんろによる事故の防止について(2011年7月21日公表プレスリリース)
鍋の季節に要注意!「カセットこんろ」の正しい使い方(2022年11月25日配信クックパッドニュース/NITE取材協力)

取材協力:独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)

NITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)は「安全とあなたの未来を支えます」をスローガンに、経済産業省所管の法令執行や政策を技術的な面から支援している公的機関です。製品安全センターでは、家庭用電気製品等の事故の原因究明を再現実験により検証し、その結果を情報発信することで、製品による事故の未然防止に貢献しています。

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