お料理の基本として、味付けの順番はさしすせそと言われており、聞いたことのある方も多いかと思います。けれど必ずしもその順番通りでないレシピも数多く存在しており、どうしたらよいのか悩んでしまいますよね。
そこで管理栄養士が、味付けの順番の考え方について解説していきます。
料理における「さしすせそ」は基本的な調味料5つを指しており、さは砂糖、しは塩、すはお酢、せは醤油、そは味噌のことを指します。そして、「さしすせそ」つまり、砂糖、塩、酢、醤油、味噌の順番で料理に加えると料理が美味しくなると言われています。
さしすせその順番で調味料を入れると料理が美味しくなる理由は2つあります。1つは、調味料の浸透のしやすさ。砂糖の方が塩よりも粒子が大きく味が染み込むのに時間がかかるので、特に煮物を作る場合、先に砂糖を入れることで味が均等に染みて美味しく仕上がります。
もう1つの理由は香りの飛びやすさ。酢や醤油、味噌は香りが命なので、なるべく加熱しない方が香りが残り風味が引き立って美味しい料理ができます。そのため、最後の方に入れるとよいとされているのです。
確かにさしすせその順番通りに調味料を入れると美味しくはなりますが、さしすせそ全てを使う料理というのはあまりありません。そのため、さしすせそは順番を守るためのものというよりかは、より美味しく作る料理の考え方のひとつとして考えればOKです。
例えば煮物でも一気に調味料を入れるレシピも多いですし、炒め物や和え物なども基本は同時に調味料を入れることがほとんどだと思います。このような場合は、レシピに記載の順番を優先して考えましょう。
さしすせそは順番を守るというよりは、考え方を取り入れるとより料理が美味しくなります。 例えば、炒飯などでは炒めた後にひと回し追加で醤油を入れることがありますが、これは醤油の香りを引き立たせるために最後の方に入れる考え方の応用とも言えるでしょう。
味噌汁をグラグラ煮立たせない方が美味しいというのも、味噌の香りを大切にする考え方からくるものです。
さしすせその考え方は、厳密に守らなければならない調味料を入れる順番ではなく、料理をより美味しく仕上げるコツとしてとらえることができます。ちょっとした工夫を取り入れて、より美味しいお料理にぜひチャレンジしてみてくださいね。
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フリーランス管理栄養士。献立・レシピ・栄養バランスが即キマる! 即決バランスクッキングスクール代表。「忙しくてもちゃんと簡単に自炊」をサポートするコンテンツ・レシピを提供。延べレシピ開発数は2,000以上。