ビルの二階にその店はありました。
名前はニイハオ 。本格派餃子のお店です。
さっそく階段をあがり二階へ。
創業は1982年。幡ヶ谷駅近くのこの場所で始めたお店です。
入り口からいわゆる餃子専門店らしからぬ、女性も入りやすい綺麗な店内が覗けます。
広々としたテーブルは大人数での食事や家族連れの方もゆっくりできる空間となっています。
ニイハオの餃子は焼・水・揚の三種類。蒸し餃子はありません。
こちらは焼餃子・揚餃子の包み方です。焼餃子を一晩置いて水分を飛ばし、注文を受けてから揚げるのが揚餃子。
この日も揚餃子になるべく、たくさんの餃子が待機していました。
続いて水餃子。先ほどのものと比べてひだが少ないことがわかります。これがとぅるっと吸い込まれる水餃子の秘密です。
一番人気は定番の焼。両面焼きとは、さすがです。
餃子は焼目で決まると私は思うのですが、両面綺麗に焼くのは至難の技。一度茹でたものを乾かしてから焼くそうです。なるほど焼き目のない部分はもちもちってわけだ。食べやすいサイズながら、一口で食べてしまってはもったいない。
カリッとした皮に包まれたしゃきしゃきの餡。満遍なく美しく揚げられ、凹凸がパリパリ感を引き立てる。
中の餡には豚肩ロースのブロック肉を切って使います。ひき肉よりも噛みごたえが増すそう。白菜、キャベツ、ニラ、ネギ、椎茸、生姜が具材。生姜が効いて少し辛みのある餡、野菜の切り方も独特でかなり歯ごたえがいい。
これは絶対に食べて欲しい!!
水餃子は皮のおいしさを一番感じられる調理法だと思いました。なにもつけなくても餡に味が付いているので楽しめます。つかむと箸からするすると逃げ出す。何回か追いかけないと捕まえられないから口に運べた時は一層幸せです。
生地は強力粉を中心としていますが、薄力粉を少し混ぜているそう。それに塩と水を加えるそうですが、粉を2種類使うことで柔らかみのある餃子を実現。
三種類の餃子は皮、餡ともに同じものを使用。ですが全く別の料理のように思えます。個性的な餡はあなたの思う餃子の常識をきっと変えます。
タレもご紹介。テーブルの上には醤油や酢などなにも置いていません。何もつけない?わけではありません。
サーサージャン、酢、醤油それにネギのみじん切りを入れた状態でテーブルに運ばれてきます。一番美味しい比率で食べて欲しいのだとか。沙茶醤は中華料理に使われる隠し味。これだけで味ががらっと変わります。
刺身くらげ酢セロリ添えがおすすめだそう、名前だけでおいしいじゃん。
乱切りのクラゲは食感の違いを楽しめる。味付けは薄めで箸休めにぴったりです。注文するとカウンターの目の前で、きゅうりを刻み、味付けをする姿が直に見えます。
それにしてもこのお店、こちらが申し訳なくなるほどすべて話してくれます。 隠すことはなく、厨房がオープンなことも「堂堂と好きなだけ見てくれ」という自信が感じられます。
店主のよしちゃんこと野坂由郎さんはおしゃべりでとっても楽しい方でした。常連さんと同じテーブルに座り、話す様子を見ていると、お客さんもお店の人も安心できる場所だと感じました。
しかしそんな明るいよしちゃんも、フライパンを握れば別人のよう。そのギャップがかなりいい。34年間手抜きをせず、試行錯誤を繰り返し、進歩しているそうです。
営業は夜だけ、日曜日もお休み。
手抜きはしないけれど休む時は休む。そんなところもこのお店の素敵なところですね。
ニイハオでしか食べられない餃子を食べて、今年を締めくくってみては?
住所:東京都渋谷区西原2-27-4 升本ビル 2F
営業時間:平日 17:00~24:00(23時 L.O.)
土 17:00~23:00(22時 L.O.)
定休日:日曜日
大学二年生
和菓子と豆とカメラが大好き。