料理による、臭いや煙を排出してくれる換気扇は、暮らしに欠かせない道具のひとつです。無ければ困る存在であり、キッチンで一番汚れている場所かもしれません。よく汚れるということは、それだけ暮らしを助けてくれているということです。「いつもありがとう」という気持ちを込めて、精一杯、掃除をしてきれいにしましょう。
換気扇の種類は、プロペラファンのタイプ、もしくはレンジフードタイプのどちらかかと思います。換気扇の掃除とは、羽根の油汚れを落とすことです。そのためには羽根を取り外しますので、まずは、羽根と、その周辺の汚れ具合、取り外すための構造を確認しておきます。
揃えるものは、アルカリ性のレンジ用洗剤、ゴム手袋、汚れてもよいタオル、キッチンペーパー、フキン、使い古しの歯ブラシ、ドライバー、新聞紙です。新聞紙は、換気扇の下に敷き、パーツや移動させたものを置いたりするための役立ちます。
羽根で手を切りやすいので必ずゴム手袋をしましょう。換気扇の電源を切り、カバーを取り外します。タオルで羽根をしっかりおさえて、ツマミを右の方向へ回して取り外します。
レンジフードタイプも、同様に羽根を取り外します。フィルターがあるタイプの場合は、取り外したフィルターの掃除も一緒に行いましょう。(フィルターは大きいので風呂場や室外で掃除しましょう。仕様や構造によって異なりますので説明書をよく読んでから行ってください)
まずは、取り外した羽根やカバーを、新聞紙の上で、歯ブラシを使って、油を含んだホコリをしっかり落とします。
羽根とカバーをシンクに移動させて、全体にまんべんなくレンジ用洗剤を吹きかけて、2〜3分おきます。汚れが浮いてきたら、キッチンペーパーで取り除き、スポンジで水洗いをして、フキンで水気をふき取ります。水分が残るとカビの原因になるので注意です。
落ちにくい油汚れには、重曹ペースト。重曹3に対して、水を1の割合で加え、スプーンでかき混ぜます。ペースト状になったら、ファンの汚れた部分につけて、5〜10分ほど放置してから、湯で洗い流します。
掃除をした羽根とカバーを戻したら、汚れを落とした新聞紙をたたみ、汚れたシンクや道具、その周辺をしっかり掃除をします。キッチンまわりの掃除は、後片づけにも気を抜かないことが大切です。これで終了です。一通りの手順を、メモしておくと、次に掃除する時に役立つでしょう。
文・写真:松浦弥太郎
日々の料理を助けてくれる換気扇。他にも、ありがとうの心を伝えたい台所道具はたくさんあります。一度、洗い方を見直してみてはいかがでしょうか。
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