載ってるレシピ、全部作った!私の大切な「料理本」の話【おいしい思い出 vol.19】

載ってるレシピ、全部作った!私の大切な「料理本」の話【おいしい思い出 vol.19】

クックパッド初代編集長であり、自他共に認める料理好き・小竹貴子のエッセイ連載。誰にでもある小さな料理の思い出たちを紹介していきます。日常の何でもないひとコマが、いつか忘れられない記憶となる。毎日の料理が楽しくなる、ほっこりエピソードをどうぞ♪

料理が得意になったきっかけは、1冊の本

料理が大好きで、得意です。
自信を持ってそんなことを言えるようになっていた私ですが、20歳半ばを過ぎるまでほとんど料理はできませんでした。子どもの頃は部活と遊びに明け暮れ、すべて母親任せ。一人暮らしをはじめた大学時代も、料理は面倒すぎてごはんが食べられるバイト先を優先しているくらいでした。以前このコラムでも書きましたが、彼氏が家に来たときにインスタントの麻婆豆腐の素を使ったのに失敗してしまうくらいと言えば、私がどれほど料理が苦手だったのか想像がつくでしょう。

そんな私が運良く結婚をしたのは20年ほど前、これを機会に料理くらいはしっかり身につけようと決めました。母親は遠くに住んでいるし、料理教室も家の近くにはなく、何より今のようにインターネットがまだまだ普及していない、そんな時代です。当然のことながら、クックパッドもまだ生まれたばかりのころです。

どうしたら覚えられるだろうと、途方にくれて本屋に行き手に取ったのが、当時人気絶頂、今でも誰もが知っている料理研究家・栗原はるみさんが書かれた第1作目の本「ごちそうさまが聞きたくて」でした。

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パラパラと本を開いたときに、まず前書きに「新しいおいしさを見つけられるから、料理は楽しい」と大きく書かれているのが目を引きました。紹介されているお料理もハンバーグといった定番のお料理もありますが、何よりレンジをつかった肉豆腐、ポタージュの素をつかった簡単なグラタンなど、これなら私でもできるかもしれないと、ほっとした気持ちで購入したことを今でも覚えています。

そして買ってすぐ、最初から最後までくまなく読み、凝り性の私は本の最初から最後までのお料理をすべて作りました。もちろん初心者ですから、ちゃんとレシピ通りうまくいかないこともあったりもしたのですが、そんなときはその理由を母親やお料理好きの友人に聞いたりしながら学んでいきました。

そして1冊終わるころには、超だめだめだった私の料理の腕前は、なんとかマシな感じになりました。さらにもうひと回しということで、もう1回この本のすべてのお料理を作りました。レシピひとつひとつにかかれている彼女の語り口調でかかれたお話は、まるで先生がとなりにいて教えてくれるような感じでした。

2回めが終わったときには、前よりも上手になっていく実感、そして作ったものをおいしいおいしいと食べてくれる家族の反応が嬉しくて、すっかり料理の魅力にとりこになりました。

いまでも作るのは、千切りにした大根とホタテ缶をつかった千六本サラダです。実は、このお料理を極めたくて何度も千切りの練習をしたんですよね、本当に懐かしいです。

それからは旬の食材でアレンジしたり、調味料をちょっと変えたりして、栗原はるみさんの味が少しずつ私の味になっていきました。料理中に使っているので、ところどころ折り曲がっていたり、油染みもできたりボロボロになっていますが、それもなんとなく愛着があって、今でも見返すくらい私のなかでとても大切な本になっています。

この本がきっかけでお料理にはまり、その後はテレビで見たものをノートに書きとめたり、自分でオリジナルレシピを書いたり、そんなことをしていてあるときクックパッドに出会い、レシピ作者として投稿を始めるようになりました。

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先日、私自身のお料理への思いを綴った本「ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる」を発売しました。そこでも彼女への思いもほんの少し綴っています。栗原さんにはまったく及びませんが、自著を通じて、多くの人の料理へのハードルがちょっとだけ下がり「私でもできるんだ」という気持ちを感じてもらいたいなと思っています。

いつか栗原はるみさんには、お会いしたいな。そんな夢を持っています。


読むと「料理が得意」になる本!『ちょっとの丸暗記で外食レベルのごはんになる』(日経BP)大好評発売中!

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★調味料はぜんぶ大さじ1
★家族のためにはつくらない
★同色でそろえるとおしゃれに見える


「今日、料理するのがおっくうだな」。そう思ったことはないでしょうか? この本は、全編文章で「あなたが料理が得意になる」ために、さまざまな方法をお伝えします。
クックパッドの立ち上げメンバーで、現在は編集本部長を務める著者は、これまでクックパッドの320万に及ぶ膨大なレシピを見て、たくさんのシェフに会い、そして日々の自分の料理をする中で「ここは手を抜いてもいい」「ここはこだわった方がおいしい」のラインを仕組み化してきました。この本では、その方法と全68品のオリジナルレシピを紹介しています。

>>ご購入はこちらから

著者の小竹貴子さんが、2020年6月29日(月)のお昼12:35分頃より、TBSラジオ「ジェーン・スー生活は踊る」に生出演予定! 本書に書かれている丸暗記レシピの裏話をご紹介します♪


小竹貴子

Dffec93b2e01878fbff1a0f0a86003e4 クックパッド株式会社ブランディング・編集部担当本部長。1972年、石川県金沢市生まれ。関西学院大学社会学部卒業。株式会社博報堂アイ・スタジオを経て、2004年に有限会社コイン(後のクックパッド株式会社)入社。編集部門長を経て執行役に就任し、2009年に『日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2010』を受賞。2012年、同社退社。2016年4月から再びクックパッド株式会社に復帰、現職。現在、クックパッドニュースにて『おいしい思い出』、ForbesJAPANにて『それ、「食」で解決できます!』を連載中。また、フードエディターとして個人でも活動を行っている。

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