ラガーマンを支える管理栄養士・金剛地さんに聞く! 「食べることを楽しむ」秘訣

ラガーマンを支える管理栄養士・金剛地さんに聞く! 「食べることを楽しむ」秘訣

新型コロナウイルスの影響によりお家時間が増えたことで、以前にも増して毎日の料理への意識が高まっています。そこで今回は、アスリートの栄養管理を行っているサントリーラグビー部サンゴリアスの管理栄養士・金剛地舞妃さんに、「家族と楽しむ食事」についてお話を伺いました。

栄養管理と同じくらい大事なことは…

――選手の食事を考えるうえで意識していることを教えてください。

クラブハウスの食事メニューはあらかじめ決まっているので、選手はその日の気分で食事を選ぶことができません。だからこそ、心がけているのは「食べるのが楽しみになる」メニューを提供すること。栄養学的なところはもちろん気にしますが、それと同じくらい食のおいしさ・楽しさという点も重視しています。

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家でもできる!食事を楽しむ工夫

――選手に食事を楽しんでもらうために行っていることはありますか?

クラブハウスでは、練習スケジュールを考慮しながら気持ちのリフレッシュやお楽しみ目的で、“Burger Day”や“ラーメンDay”などを実施することもあります。

健康のことを考えるとラーメンは避けがちですが、煮卵やほうれん草をトッピングすれば、体のことを考えた食べ方ができますし、どんな工夫をすれば自分にいい食事がとれるのかという教育にもなります。選手が自分で好きな具材をトッピングしてアレンジできるのも食事を楽しむことにつながるため、食のイベントは積極的に取り入れています

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――イベント要素を盛り込むと食事が楽しくなりますよね。

ご家庭でも「ホットプレート」を使うメニューは、イベント性があって喜ばれると思います。お好み焼きは意外と野菜がとれますし、油を少なめにして、豚バラ肉の代わりにシーフードミックスを使えば栄養的にも低脂質・高たんぱくでお子さんの体づくりにもいいのでおすすめです。小学校高学年くらいの子なら生地をひっくり返したりもできるので、料理を作る楽しみにもつながるのではないでしょうか。

また、家族で食卓を囲みながら料理をすることで、より会話も弾むのでコミュニケーションメニューとしてもよいですよ。

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食は大事なコミュニケーションツール

――“イベント食”や毎日の食事に対して、選手の反応はいかがですか?

「今日のごはん、おいしかった」「今度はこんなメニューにしてほしい」など、直接感想や意見をくれることも多く、食事の時間を楽しむことで選手同士のグラウンド外のコミュニケーションも増えた気がします。食事って会話をするツールにもなるのだと改めて実感しました。それに、反応があると作る側もうれしいですよね。

ご家庭の中でも「今日は勉強頑張ったから好きなカレーにしたよ」とか「おいしそうなじゃがいもで作ったんだよ」という感じで、その料理を作るに至った背景や意図を伝えると、そこから会話が広がっていき、ハッピーな空間が作れると思います。

選手たちはクラブハウスの石井料理長のカレーが大好きなので、「今週はハードな週だから、今日はみんなの好きなカレーだよ」など言うととても喜びます。

栄養を意識した食事の作り方

――献立作りにおいて、栄養面で特に意識していることはありますか?

選手たちは激しく体をぶつけあう練習も行うため、体をつくる大事な栄養素である「たんぱく質」を多めにとれる食事作りを意識しています。たんぱく源も何種類かとれるといいので、クラブハウスでは肉と魚の両方を出しているんです。

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ただ、ご家庭で両方作るのはなかなか大変だと思うので、例えば「豚の生姜焼き」の日はご飯に鮭フレークをのせたり、缶詰のツナを使ったツナサラダを副菜として作ったりするといいですね。

――缶詰は便利ですよね。

ツナ以外にサバ缶、サンマ缶も使いやすいと思います。骨ごと食べられるのでカルシウムもとれますし、加熱してあるので調理の手間もかかりません。魚には成長期のお子さんに重要な栄養素も多く、カルシウムのほかに骨作りに必要なビタミンDも豊富なので、特にお子さんのいるご家庭にはおすすめです。

――缶詰を使ったおすすめレシピを教えてください。

「さんまの蒲焼き卵とじ丼」です。さんまの蒲焼き缶を卵とじにして、ご飯の上に乗せれば完成! レシピというほどでもないくらい簡単なメニューです。

私がチームの仕事を始めた当初は、魚が苦手な選手やそもそも魚をあまり食べない外国人選手が多かったのですが、料理長さんが臭みを消したりいろいろな工夫をしておいしく出してくださったので、みんな食べるようになりました。

魚の臭みを感じやすいサバも蒲焼の味にしたり、カレー粉をまぶすことで、臭みが消えて食べやすくなりますよ。

――毎日料理を頑張って作っている方々にメッセージをお願いします。

料理を作るうえで栄養も大事ですが、そこばかりを意識しすぎて食事を楽しめなくなるのはすごくもったいないと思います。

パスタソースなどの市販品やめんつゆなどの万能調味料を使って手間を省くのもひとつの手です。料理は毎日のことだからこそ、無理のない範囲でやっていくのがポイントだと思います

来年1月16日には、ジャパンラグビートップリーグ2021が開幕します。ラグビーは体格差のある人たちがぶつかっていくスポーツなので、それに当たり負けしない体を作るために選手たちは毎日トレーニングだけでなく、食事から得る栄養素にも気をつかって頑張っています。

そういった観点からラグビーを見てみると、また違った発見やおもしろさを感じていただけるのではないかと思います。

(記事トップの写真:長尾亜紀、TEXT:河野友美子)


サントリー ラグビーチーム「サンゴリアス」

管理栄養士 金剛地 舞妃
5491573c47737ab99dcc32a8d636103a 「勝利につながる食環境を強化する」を今シーズンの抱負として掲げ、選手が日々の食事を楽しめる工夫を常に凝らしている。
食事メニューの考案だけでなく、選手に対してその時々に合わせた栄養教育の実施を行う。
Twitter:@sungoliath
Instagram:sungoliath_official
公式ブログ:SMILE ❀ CAFE

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