ミルクといえば牛乳ですが、牛乳のかわりに豆乳を愛飲している人も多くなりましたね。実は、もうひとつミルクの選択肢が広がりました。最近日本に上陸したミルク、ライスミルクをご存じでしょうか。
ライスミルクとは、お米と水でできおり、牛乳、豆乳につづく第3のミルクといわれています。豆乳のように絞るわけではなく、酵素の働きでコメを糖化させたり、お米と水を滑らかに擦り合わせて作られるため、お米の栄養素がそのまま含まれています。また、いずれの製法でも、米の風味や甘みが感じられ、日本人には親しみやすく、優しい味になっています。
牛乳や豆乳のアレルギー対策として、また、お米を食材として、サラダやデザートに使う習慣のある欧米では、ポピュラーな飲み物だったのですが、お米は主食である思考の強い日本では、これまで馴染みのないものでした。
ところが最近、ライスミルクのダイエット効果やアレルギー対策として、そして、何よりも味が美味しい!ということで、日本でも注目されるようになったのです。
さて、ライスミルクの栄養を見てみましょう。ライスミルクのレシピはいろいろあり、一概にはいえないのですが、ざっと計算してみます。
<エネルギー>
普通牛乳 67kcal
低脂肪乳 46kcal
豆乳 46kcal
ライスミルク 28kcal
<タンパク質>
普通牛乳 3.3g
低脂肪乳 3.8g
豆乳 3.6g
ライスミルク 0.5g
<炭水化物>
普通牛乳 4.8g
低脂肪乳 5.5g
豆乳 3.1g
ライスミルク 5.9g
<脂質>
普通牛乳 3.8g
低脂肪乳 1.0g
豆乳 2.0g
ライスミルク 0.2g
<カルシウム>
普通牛乳 110mg
低脂肪乳 130mg
豆乳 15mg
ライスミルク 1.2mg
たしかに、ライスミルクは低カロリーですね。牛乳の半分以下です。では、それぞれの比較をみていきましょう。
栄養成分が特徴的で、牛乳や豆乳はタンパク質豊富であるのに対し、ライスミルクは炭水化物がメインです。そして、カルシウムがほとんど含まれないことも牛乳との大きな違いです。ライスミルクは、低カロリー、低脂質で胃腸に優しく消化のよい飲料ということになります。
低カロリーと優しい味を生かして、そのまま飲むほか、パンやケーキ、プリンなどに、牛乳の代わりに利用すれば、カロリーダウンでき、ダイエットにおすすめです。
ライスミルクは、タンパク質とカルシウムが少なく、栄養素的には牛乳の代わりにはなりません。ライスミルクを利用する時には、タンパク質やカルシウムが豊富な食材を、合わせて取り入れていく必要があります。
●タンパク質が豊富な食品:肉、魚、大豆製品など
●カルシウムが豊富な食品:小魚、小松菜、モロヘイヤ、ひじきなど
牛乳と1:1で割って飲めば、カロリーダウンしつつ、カルシウムも摂ることができます。また、豆乳と割ることで、アミノ酸スコアがアップし、人間の体に適したアミノ酸組成になります。
もうひとつ注意点として、様々なライスミルクのレシピでは、砂糖や蜂蜜が加えられていますし、市販品には油脂が添加されているものもあります。コップ1杯に小さじ1杯加えた場合、砂糖なら約12kcal、蜂蜜は21kcal、油脂は37kcalが追加されてしまいます。
美味しく、低カロリーなライスミルク。特徴を知って、ダイエットに上手に取り入れてくださいね。
管理栄養士。その他健康運動指導士、NR・サプリメントアドバイザー、アスリートフードマイスター、製菓衛生師などの資格を持つ。管理栄養士として、レシピ開発やカウンセリング、食育活動、現在は主に保健指導で、働き盛りの方々の健康づくりに携わっている。
「正しく食べてやせる」をテーマにした、管理栄養士の個別指導によるダイエットプログラムです。オンラインの「ダイエット診断」で個人の生活習慣上の弱点を発見できる他、全室個室のカウンセリングルーム「クックパッド ダイエットラボ 銀座店」では、管理栄養士による個別カウンセリングを実施しています。
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