意外と知らない栄養や料理の疑問を管理栄養士が解説するシリーズ。今回はカップ麺とノンフライカップ麺の違いを解説していきます。
保存がきき、すぐに食べられて便利なカップ麺。カロリーが気になりますよね。最近ではノンフライという表記があるものが増えてきましたが、ノンフライ麺って本当にヘルシーなのでしょうか?そこで管理栄養士がノンフライ麺と通常のカップ麺の違いについて解説していきます。
カップ麺の麺は乾燥していることで保存性がアップし、お湯を入れただけで食べることができるようになっています。
通常のカップ麺は乾燥させるために中華麺を油で揚げています。簡単にいうと麺全体が「揚げ物」なので、やはりカロリーが高くなってしまいます。
一方のノンフライ麺は文字通り麺を油で揚げていません。湿度などをコントロールした熱風を当てて麺を乾燥させています。油を使っていない分、ノンフライ麺の方がカロリーが低くなっています。
製品や1食当たりの重量にもよりますが、通常のカップ麺とノンフライ麺のカロリーを比較すると、ノンフライ麺の方が約100kcal低くなっています。これはご飯を軽くお茶碗に盛った時の約2/3杯分のカロリーに匹敵します。
油の量やカロリーが抑えられる分、ノンフライ麺はダイエット中の方向けと言うことができます。但し同じ主食であれば、ノンフライ麺を1個食べるよりも、ご飯をお茶碗1杯食べた方がカロリーは抑えられます。
ノンフライ麺はあくまで通常のカップ麺と比較した場合にカロリーが抑えられるのであって、ノンフライ麺自体がとてもカロリーが低い食品という訳ではありません。
「どうしてもラーメンが食べたくなった」「買い物に行けておらずにストックがカップ麺しかない」など時に選ぶ場合は、ノンフライ麺を選ぶようにしましょう。
ダイエット中をする時にただ「カロリーを制限する」ことだけを考えてしまうと、食事バランス全体が乱れてしまいます。バランスが乱れると、疲れやすくなったり、代謝が落ちてかえって痩せにくい体になってしまうこともあります。
ノンフライカップ麺1つではバランスをとることが難しいので、お肉やお魚などのタンパク源、野菜やきのこなどを足してバランス良く食べるようにしましょう。
また、麺類全体としてスープの塩分が高い傾向にあり、塩分の摂りすぎはむくみに繋がります。むくみがあると冷えにつながり、代謝を落としてしまうこともありますので、特にダイエット中の方はスープを残すようにするのがおすすめです。
ノンフライ麺はダイエット中やカロリーを気にしている方が「どうしてもカップ麺が食べたい」時におすすめです。食事全体のバランスや、スープの飲み方に注意しながら上手に活用してみてくださいね。
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フリーランス管理栄養士。献立・レシピ・栄養バランスが即キマる! 即決バランスクッキングスクール代表。「忙しくてもちゃんと簡単に自炊」をサポートするコンテンツ・レシピを提供。延べレシピ開発数は2,000以上。