理想のキッチンを叶えるwebマガジン「たのしいキッチンmag」編集部がキッチンにまつわる豆知識をご紹介。キッチンの選び方から、レイアウト、動線づくりのコツ、費用別でできることなどを発信します。理想のキッチンを叶えるための参考にしてみてくださいね。
こんにちは! 「たのしいキッチンmag」編集部です。
キッチンの排気設備として欠かせないレンジフード。静音性や排気量はもちろんですが、普段の掃除のしやすさが気になる方も多いのではないでしょうか?お手入れに手間がかかるため、キッチンの中でも気分が上がらない部分だと思う方もいるかもしれません。
普段は意識することが少ないレンジフードですが、意外と視界には入ってくるもの。自分のお気に入りを選べたら、楽しい気持ちでキッチンに立てるかも! ルックスはもちろん、見えない部分にもこだわって、自分らしいキッチン空間を作ってみましょう。
今回はレンジフード・換気扇の選び方をご紹介します。どのぐらいの費用がかかるか、内訳も解説しているので、参考にしてみてくださいね。
レンジフードとは、キッチンのコンロ上部に設置された換気扇(ファン)と、ステンレスをはじめとする素材でつくられたフード(覆い)を組み合わせた、排気設備のことです。
換気扇はフードに覆われていることで、料理をするときに出る匂いや煙、蒸気などが換気扇に誘導されやすくなり、外気へと効率よく排出できます。
レンジフードには、キッチン全体をリフォームする場合とレンジフード本体のみ交換する場合の2つのパターンがありますが、今回は後者について説明します。
レンジフードの設置費用はファンの種類や取り付け方によって大きく異なるので、事前に確認しておきましょう。
たとえばレンジフード本体代だけ見ると、プロペラファンのようなシンプルなタイプであれば、費用はおよそ2~3万円になります。自動洗浄機能や省エネを目的とした風量調節などの最新機能がついたタイプでは20~30万円と、本体の価格幅も大きいです。
またレンジフードの本体代だけではなく、既存のものの撤去・処分、取り付けなどの工事費用も必要です。工事費も踏まえると、5~35万円前後を相場として捉えておきましょう。
換気扇(ファン)は、プロペラファン・シロッコファン・ターボファンの3種類があります。それぞれの特徴をご紹介します。
プロペラファンは直接屋外に排気できるので、排気量が大きくなります。取り付けが簡単で部品がプロペラのみのため、 お手入れしやすいことがメリット。一方で、使用時の音が大きいことや、屋外の風の影響を受けやすいことがデメリットです。戸建て住宅であれば設置できますが、集合住宅の場合は避けたほうがいいでしょう。
近年のキッチンで最も多く使われているのが、このシロッコファン。コンロ上に覆いかぶさるように設置するため、効率よく空気を取り込めます。機密性の高い住宅・マンションにもおすすめです。
ただし、ファンの羽根が多いため油やホコリなどの汚れがつきやすく、定期的に掃除する必要があります。プロペラファンに比べると、吸い込む力が弱いことがデメリットとして挙げられます。
戸建てでプロペラファンからシロッコファンに変更する場合、単純に交換するよりも3~5万円程追加費用がかかります。プロペラファンのほうが外壁面の排出口が大きいため、小さくする部材が必要なためです。
ターボファンは、深型のレンジフードによく使われています。3つのなかで最も排気効率が高く、静音性にも優れています。
デメリットは、機能性の良さから価格が高くなりやすいこと。一般的な住宅での使用であれば、シロッコファンやプロペラファンで十分に対応可能です。予算とのバランスを考えて導入を検討しましょう。
レンジフードの設置費用には、取り付け方も関係しています。費用やデザインが異なりますが、自分のキッチンレイアウトを踏まえて選ぶことで、快適なキッチンづくりにつながりますよ。
壁付け型は、レンジフードの後方を壁に付けて設置します。壁付きキッチンによく使われており、スタンダードなタイプのレンジフードです。比較的簡単に設置できるので、工期が短く、費用も抑えられます。
横壁付型とは、レンジフードの横が壁に面しているタイプで、ペニンシュラキッチンで使われることが多いです。デザイン性が高いものを選ぶことで、リビングやダイニングから見ても圧迫感が少なく、おしゃれな空間に。
ただし壁付けタイプに比べると設置に時間がかかるため、費用が高くなる傾向にあります。
天吊型はレンジフードの前後左右が壁に面しておらず、天井から吊るすようなデザイン。換気を広範囲で行うため、高機能なモデルが多いです。
他の2つに比べて工事が難しく、フードを支える補強工事も必要になります。レンジフードの本体、設置費用のどちらも高額になりやすいため、予算を多めに想定しておくと安心です。
ファンの種類や取り付け方に違いがあるレンジフード。種類が多いため、実際に選ぶときに迷ってしまうことも。選ぶときは、キッチン周りで過ごす時間が楽しくなるかがポイントになります。実際に設置・使うときを想像しながら、選び方のコツを確認していきましょう。
レンジフードのサイズは、後から変更するのが難しい箇所です。キッチンの上に吊り戸棚がある場合は、壁との隙間、または吊り戸棚どうしの間にピッタリ入るものを選びましょう。
レンジフードの横幅は、60cm・75cm・90cmの3つが規格サイズとされており、サイズが大きくなるほど費用も高くなります。ペニンシュラキッチンやアイランドキッチンの場合、キッチン全体とのバランスを考えて選ぶことで、インテリア性が高く仕上がります。
レンジフードを選ぶとき、やはり気になるのがお手入れのしやすさ。毎日使うキッチンのなかでも掃除しにくく、負担に感じる方も多いでしょう。
レンジフードのお手入れが苦手な方におすすめなのが、フィルターレスのタイプです。これまで換気扇の部分にフィルターが付いているのが一般的でしたが、現在はフィルターがないものも増えています。
フィルターレスの場合、簡単に取り外して洗える換気扇のほか、ファンを外さずに掃除できる「セルフクリーニング機能」が付いたものを選ぶようにしましょう。
レンジフードはキッチン全体の印象に影響します。ただしデザインによって機能性も異なるため、自分のキッチンに必要な機能があるかを確認しておきましょう。
主に「ブーツ型」「スリム型」「平型」の3種類にわけられます。
ブーツ型
フードの部分が手前に突き出しているのがブーツ型です。レンジフードのなかでも一般的なデザインといえるでしょう。換気扇を大きく囲い込むような形でフードが設置されているため、匂いや煙を集めやすく、換気能力が優れています。一方で、サイズが大きく幅も広いため、掃除の手間がかかることがデメリットです。
スリム型
スリム型のレンジフードは見た目がスタイリッシュで、近年人気のあるモデルです。フィルターレスや汚れにくいプレートなど、多機能な点もポイント。そのため種類によって価格に幅がありますが、お手入れを楽にしたい方にぴったりと言えます。
平型
平型は、縦の幅が短いタイプのレンジフードです。全体のサイズがコンパクトなので、天井が低い家や梁がある場合など少ないスペースでも取り付けられます。また、平型はフィルターが付いているため、定期的なお手入れが必要です。ブーツ型と違ってフィルター部分がまっすぐになっているので、真上を向いた状態で掃除しなければなりません。
キッチンの排気設備として欠かせないレンジフード。ネックになりやすいメンテナンスが簡単にできるものを選べば、掃除の負担が減り、いつでもすっきりした気持ちでキッチンに立てます。
気分が上がるレンジフードを設置して、理想のキッチンづくりを楽しみましょう。