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コラム

お茶で体調がわかる!?季節の変わり目に、自分の身体に意識を向けてみよう

【からだに沁みるごはんのヒントvol.5】心身のバランスを整えるのに食事は重要とわかっていても、どうすれば…?という人は多いですよね。そこで、食卓料理家の森本桃世さんに、からだが喜ぶごはん作りのヒントを教わります。自分で自分自身を癒せるようになりましょう!

自分の身体のことがわかる「薬草茶」

40代に入り、季候の変化による体調不良が以前よりひどくなった気がします。なんか頭が重いなと思ってカーテンを開けると、昨日まで晴天だった空が淀んでいたり、突然雨が降ってきたり。

そんな私は今年も夏バテにやられてしまい、今回は特にひどくて、一日中何も食べたくなくどうしたものかと困ったものでした。

そんな時は、いつも飲むお茶に救われています。水分補給は大事ですが、食欲がない時は特に、何を飲むかが非常に重要だと思っています。

私は以前、『タイヒバン』というレストランの運営シェフをやっていたのですが、そこでは自分の“興味はあるけど知らない事”について、講師の方々を呼んでイベントを行っていました。

発酵に興味を持ち始めた時にちょうど、「薬草茶」のブランドをやっている方に出会い、薬草について教えていただきました。

薬草は古くから日本にあるもので、さまざまな種類があります。ただ、当初の私には何がどれかも区別がつかず、薬草茶に至っては地方の道の駅に売っているお茶、というイメージでした。

薬草たち

その方のワークショップではまず、インナーチェックインといって目をつぶり、身体の中を自分でなぞるように感じるとこから始まりました。そうやって自分の感覚に敏感になる準備をするのです。

そのあと、ブラインドテイスティングと言って名前が伏されたさまざまなお茶を飲んでいきます。お茶を一杯ずつ飲んでいくと、おいしいと感じるもの、おいしくないと感じるものがありました。

その中でおいしいと感じるものをいくつか選んでブレンドすると、これまたびっくりするほどおいしいものができ、お腹の底から思わず「うまっ!」と出てしまうのです。隣の人がブレンドしたものを飲ませてもらうと、自分のお茶の方がおいしいと感じます。

講師の方いわく「選んだお茶は、自分の身体が欲しているもの」とのことでした。そして最後にお茶の名前と簡単な特徴を教えてもらうと、今の自分の体調と一致し、腑に落ちました。この出来事がきっかけとなり、薬草に興味を持ち始めました。

一度、“薬草仙人”と呼ばれる方と一緒に山に行ったことがあるのですが、その方に「君は胃腸が悪いからこれを食べるといいですよ」と葉っぱを渡されました。食べてみると、ひどいくしゃみに見舞われました。

帰って調べると、確かに胃腸は悪いけど、薬効が強すぎて今の私には合わなかったのではないか、と思ったのです。それからも薬効の強いものを口にするとくしゃみが出るのです。それによって、身体に必要のないものは、くしゃみによって出そうとしているんだなと感じました。

これらの経験を通して私が思ったのは、身体は必要なものと必要のないものをわかっているということ。

身体の欲してるものに耳を傾ける。すごく難しく感じますが、従うと身体がすーっと楽になるのを感じます。

ではどうやって? その方法は、まず自分に意識を向ける。そして、お腹の底から本当においしいと思えるもの、食べたら身体がすーっと軽く感じるものを覚えておくことです。それらを意識的に見てみると、自分の身体が何を欲しているのか少しわかる気がします。

あと、ハーブティーや薬草茶などは煮出し方によっても味が変わってきます。それも自分の感覚を感じるきっかけにもなります。まずは急須でお湯を注ぎ、数分待ってから飲んでみる。次は鍋で煮出してから飲んでみる。身体に合っているハーブや薬草茶などは、案外煮出した方がおいしいと感じるかもしれません。

赤丸薄荷ティーを煮出し方を変えたもの。右:ポットで5分蒸らしたもの、中:ポットで10分蒸らしたもの、左:鍋で15分煮出したもの。ミントの香りや味が全然違う

普段何気なく飲んでるお茶も、身体のサインを読み取るヒントになると思います。昔から無性にに好きなもの、無性に嫌いなものも何か身体のサインかもしれません。食べ物だけではなく、好きな香りなどもヒントになるかも知れません。

疲れた身体には出汁ドリンクもおすすめ

食べるのが少し億劫に感じる時は、お茶以外にも、いりこや昆布などにお湯を注いだ出汁をドリンクとして飲んだりします。出汁の話は別の機会に詳しくお話しますが、一般的に出汁といえば、昆布、鰹、椎茸、いりこなどを思い浮かべると思います。ですが、こちらも種類や煮出し方によってさまざまな味になります。

焙煎いりこと昆布を水出ししたもの。これをそのまま飲んでます。

いろいろ飲んでみると、自分の身体が「うまい」と感じる出汁に出会えたりします。お湯を注いだ出汁や、そこに味噌をといただけの味噌汁は疲れた身体にとても沁みます。

季節の変わり目に、少し身体に意識を向け、自分を知る。そして、身体に沁みる食べ物を探ってみるのはいかがでしょうか?

森本桃世

『身体は食べ物からできている』をコンセプトに野菜の素材や発酵食品を活かし、手間をかけ、からだの喜ぶ料理をつくる。循環にまつわるオーガニックレストラン「Taihiban」の運営シェフ、「KURKKUFIELDS」を経て現在は発酵デパートメント飲食部に関わっている。

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