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コラム

スタイリングは”◯◯目線”で!いつもの料理をグッと素敵に演出できる方法とは

【まいにちごはんの撮り方レッスン vol.10】暗くなってしまったり、うまく質感が出せなかったり、料理の写真を撮るのは意外と難しいもの。この連載では、料理写真家・田部信子さんに「おいしい料理写真」の撮り方をレクチャーしていただきます。コツをマスターして、SNSやブログにアップする料理写真をぐっと魅力的にしてみませんか?

前回のコラムでは、構図についてお伝えしました。 写真がうまくまとまらない〜という方は、この構図法を是非活用してください。 ただ、その構図を決める際にも、スタイリングする際にも、実はよく抜け落ちている大事なポイントがあります。今回はそこのお話をしていきます。

◎撮り方のステップ

(1)イメージを決める
(2)どこで撮るかを決める(どんな光を使うか)
(3)どこから撮るかを決める(アングル、カメラの位置)
(4)どのくらいの範囲を写すのか決める(レンズを選ぶ)
(5)構図を決める
(6)スタイリングを決める
(7)明るさと色の調整
(8)主役にピントを合わせて撮影

今回はこの中の(6)番の「スタイリングを決める」について書いていきます。

スタイリングは「カメラ目線」で

私がカメラ教室で生徒さんを指導していた時の話です。 ご自宅で料理教室をやっている30代のSさんは、テーブルセッティングは得意なのに、思ったような写真が撮れない、という悩みをお持ちでした。

カメラ教室での撮影実習の様子を見ていると、Sさんはご自分の席にカメラを置いたまま、楽しそうにスタイリングを始めます。そして、一旦スタイリングが完成すると、カメラを取りに戻り、撮影に入るのです。

ある時そんなSさんに、「これ、どの位置から撮るんですか?」と私が聞くと、「えーっと・・・」と言ったまま黙ってしまいました。彼女はどこから撮るか、ということを意識しないで、ただ自分が好きなようにスタイリングをしていたのです。そして、いざ撮ろうと思うと、思ったような雰囲気に撮れない。そこでつまずいているようでした。

Sさんが何故つまづいてしまうのか、その原因をお伝えします。どんなに綺麗にスタイリングしても、「カメラ目線」でスタイリングしないと撮影はいつまでも終わらない、からなのです。

その理由は、2つあります。 1つは、どのぐらいズームするか決まっていないので、どこからどこまでが画面に入るのか分からず、どこまでスタイリングしたら良いのか分からなくなって無駄が出る、ということ。 2つめは、どこから撮るかが決まっていないので、どう見えるか分からず、せっかくスタイリングしてもやりなおさなくてはいけなくなる、ということ。

0ad533c07d45de79736eb880310c93e3 同じプリンでも、上から見ると、低く見えますね

それぞれ少し詳しくお話します。

⑴レンズが決まらないと、写る範囲が決まらない。

どんなレンズを使うか、またはどのぐらいズームをするかによって、どこからどこまで写るのかが変わってきます。写真の場合、写る範囲の中だけスタイリングできれば良いので、まずはその範囲を知りましょう。そして、その上で、必要なものを配置していきます。 目の前にお料理があると、ついついこの写る範囲を忘れて、テーブル全体をコーディネートしてしまう方が多いようです。そうすると、必要以上に時間がかかってしまいます。細かいところを調整する前に、ここはカメラからどう写るんだろう?というところを確認することをオススメします。

⑵カメラの位置によってスタイリングは変わる。

どの高さから撮るかが決まらないと、何と何が重なるか、お皿とお皿の間がどのくらいあくか、ということが決まりません。その「カメラ目線」がないままに、なんとなくその時に自分が見ているところからスタイリングしたところで、思ったようには撮れないのです。

つまり、スタイリングする時に一番意識すべきなのは「カメラの目線」なんです。

例えば、この写真を見てください。

お盆の上のお箸、少し後ろの方にあるように見えませんか? でも、実はこのお箸、お盆の真ん中に置いてあるんです。

上から撮ると、こんな感じです。

同じものでも、撮る角度によって見え方は変わってきます。だから、カメラの位置を先に決めることが大切になります。

これを応用して考えると、撮る前にどの高さから撮るかを考えておけば、最適な盛り付けもできる、ということです。 真上から撮る場合は、お皿のど真ん中に盛り付ける。斜めから撮る場合は、少し手前に盛り付けると、写真になった時に自然に写ります。

このようにカメラ目線を意識しながらスタイリングするには、三脚を使うのが一番簡単な方法です。お料理撮影の場合は、基本的に室内で撮るので、それほどしっかりした三脚でなくても大丈夫。ご自分のカメラを支えられるだけの耐荷重がある三脚を選んでください。スマホで撮っている方も、スマホ用の三脚も多く売っています。そういった三脚を使って撮ってみると良いですよ。

「カメラの目線」を意識すると、思いのほかスピーディに撮影でき、作ったお料理も早く食べられるので、ストレスが減ると思います。

次回は明るさと色の調整についてお伝えしていきます。お楽しみに。

田部信子

横浜市出身。青山学院大学文学部英米文学科卒業。外資系IT企業のSE職を経て、カメラマンへ転身。広告、雑誌、ブライダルの撮影を行う。双子出産後、カメラ教室で約3000人の生徒さんに写真の撮り方を教える。2018年より、料理写真家として活動中。