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コラム

3つのコツで明日から実践!頑張りすぎない“おうちごはん”ルール【一汁一菜生活のススメ vol.2】

一人暮らしをされている方にとって、料理とはどういう行為でしょうか。お料理大好き!という方もいる一方で、料理はめんどくさい、継続するのがむずかしいという方もいるでしょう。一汁一菜スタイルで一人暮らしごはんを愉しんでいるフードプランナー・山口祐加さんが、“料理の肩コリ”をほぐすお話をお届けします。気張らず、毎日のごはんをおいしくいただくコツとは?

外食で食べられないものを食べる

前回の記事で一汁一菜生活の入門編をお届けしたので、今回は一汁一菜生活の実践編です。私が毎日一汁一菜を作る中で、続けるためのコツをいくつか発見しました。今回はそのコツを3つに分けて、「一人暮らしの一汁一菜生活」のために知っておいていただきたいことをまとめました。

まず、実践編に入る前にお話したいことがあります。大前提として、おうちの料理は外食ではありません。毎日のおうちの料理は、気取らず、頑張りすぎないことが大切です。

旬の食材と冷蔵庫の残り物をテトリスのように組み合わせ、財布の余裕と身体の調子と料理に割ける時間を考えて作る。時には外食から得た食材の組み合わせや調理法も真似してみる。そのようにして日々、自分や家族が楽しく飽きずに食べ続けるのがおうちの料理です。

つまり、おうちの料理は「外食で食べられないものを食べること」ことが大事だと私は思っています。その上で、明日から実践できる一汁一菜のコツとして、以下の3つをおすすめします。

【一汁一菜実践の3つのコツ】
(1)間違いない味の組み合わせを覚える
(2)まとめ買い・食材冷凍・作りおきは「しすぎない」
(3)朝ご飯から実践する

それでは1つずつ、解説していきますね。

(1)間違いない味の組み合わせを覚える

前回の記事で、料理とは「食材を食べやすい大きさに切り、火を入れ(サラダなどはそのままで)、味をつけること」と書きました。料理に味つけは避けて通れない道ですが、味つけのパターンさえ覚えてしまえば大丈夫。毎回レシピに頼らなくても料理することができます。

おかず編

私の味つけの基本は4パターンだけです。味つけが同じでも、食材が変われば当然味も変わるので飽きが来ることはありませんよ。

塩だけで味付けしたネギと卵の炒め物。素材のうまみが味わえる、シンプルでごはんに合うおかず

①塩
味つけの基本ですね。新鮮な野菜であれば、塩茹でしたり、油で焼いて塩をふったり、塩もみしただけで十分おいしいです。シンプルすぎて「料理した感」がないかもしれませんが、立派な一品です。

②塩胡椒+油
サラダ、肉・魚のソテー、野菜炒めなど、何にでも応用できる味つけです。油はオリーブオイルを使うと洋風に、ごま油を使うと中華風・和風になります。ただし、どちらも香りが強いので、食材の風味を際立たせたい時は米油など癖のないものを使うのがおすすめです。ドレッシングを作る場合、洋風はプラスαでレモン果汁やマスタード、和風・中華風はプラスαで砂糖と醤油を加えます。

③醤油+みりん
みんな大好き甘辛味。炒め物・和え物・肉魚の料理など、何でもおいしくしてくれる魔法の味つけです。煮物をする場合は、だし:醤油:みりん=10:1:1の割合が煮物の基本と言われています。濃く味つけしたい場合はだしの割合を少なくすればOK。酒を足しても旨味が加わっておいしくなります。時間がないときはめんつゆを使っても良いですね。

④だし+塩または醤油
炒め物で大活躍のコンビです。何か味が足りないなと思ったらちょっと顆粒だしを足してみてください。絶対おいしくなります。チャーハンもこれで味付け完了です。

汁物編

汁物も同じく4パターンの味付けです。①みそ汁、②コンソメスープ、③中華スープ、④塩だけスープの4つです。

十六穀ごはんと豚汁。豚汁は一菜の役割も果たしてくれる

①のみそ汁は一汁一菜の大定番。おだしはだしパックを使うこともありますし、時間がある時は昆布とかつお節または煮干しでとります。コンソメはコンソメキューブ、中華スープは顆粒の中華だしを使います。

④の塩だけスープは、旨味≒だしが出やすいたんぱく質食材(ひき肉やベーコン、油揚げなど)を使い、塩だけで味つけるシンプルなスープです。こちらに関してはスープ作家の有賀薫さんの記事が参考になりますよ。

(2)買い置き・食材冷凍・作りおきは「しすぎない」

個人的に食材のまとめ買い、あまりおすすめしません。私の場合、突然外食になることも多く、家にたくさん食材があるとストレスになります。2日分の食材を買って、なくなったら買い足すというルーティンで回しています。

ただし、人参、じゃがいも、玉ねぎは常備しています。日持ちがよく、スープやみそ汁の具にも、単品で炒めても、何かと一緒に合わせてもOKな万能食材だからです。

また、食材を冷凍しすぎないことも大事です。食材が余ると「とりあえず」と冷凍してしまい、結局使わずに時間が経って状態が悪くなってしまうことってありますよね。なので私の場合、冷凍食材は極力少なく、ご飯、ハム・ベーコン類、油揚げ、きのこだけです。冷凍をうまく活用できる人を心底尊敬します。

最後に作りおきについて。ここ数年作りおきが大ブームですが、私は作りおきをほぼしません。家族で住んでいるのであれば大量に作っても食べ切れますが、一人暮らしで作りおきすると食べ切るのに時間がかかります。そして食べ続けるうちに味に飽き、鮮度も落ちていき、悲しくなってしまう経験を繰り返すうちに作りおきをやめました。

ただし、鶏そぼろや、きのこの当座煮など、冷凍しても味が落ちず、様々な料理に展開できるものだけは作りおきすることがあります。

(3)朝ご飯から実践する

仕事をしていると会社の同僚とランチをすることになったり、夜飲みに誘われたりすることってありますよね。パートナーと一緒に住んでいる場合は、食事を用意しておいたのに、会食が入って1人分余ったなどもよくあることです。

昼も夜も急に予定が変わることが多いので、一汁一菜を実践するのであれば朝の食事を整えるのが一番続けやすいと思います。朝10分で作るみそ汁と、昨日の残り物や納豆など、手間がかからないものでご飯を食べると、1日の始まりに元気が出ます。

今回ご紹介した3つのコツさえつかめてしまえば、無理なく自分のペースで一汁一菜生活が始められると思います。私のツイッターでは、(ほぼ)毎日の一汁一菜の献立をアップしていますので、参考にしてみてくださいね。

山口祐加

フードプランナー、ライター。1992年東京生まれ、慶應義塾大学総合政策学部卒業。出版社、PR会社を経て独立。両親共働きで、母親に「ゆかが料理を作らないと晩御飯ないよ」と笑顔でおどされ、7歳のときに料理に目覚める。一人暮らしを始めた時から一汁一菜を実践し、TwitterInstagramnote など、SNSを中心に料理と食の楽しさを発信中。好きな食べ物はみそ汁。

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