有名アスリートの専属シェフである加藤超也さんが提唱するのは、心と身体が元気になることを五感で体感する「taikanごはん」。普段の料理に使う身近な食材や簡単な調理法で、日々の身体を少しずつ変えていくレシピをご紹介します。おいしい・簡単・おしゃれで何度も繰り返し作りたくなること間違いなしですよ♪
夏真っ盛り、少し日光に当たるだけでも日焼けが気になる季節ですね。肌状態の善し悪しは女性にとって大きな関心事のはずです。できるだけ日焼けをしないように日焼け止めやサングラス、日傘など外からの対策をしている方は多いと思いますが、身体の内側からの対策はできていますか?
肌状態が気になる方は食事にも目を向けてみてください。日焼けによる肌へのダメージを軽減することが期待できますよ。
まずはシミが生成されるメカニズムを簡単にご説明します。
紫外線が皮膚に当たると、紫外線の働きによって皮膚の基底層というところにあるメラノサイトが司令を出し、メラニン色素が作られます。このメラニンが皮膚を黒くさせるのです。
また、紫外線やストレスで発生する活性酸素は、メラノサイトを活性化させ、しみができやすくなる原因になります。
作られたメラニン色素は、身体の古い細胞組織を新しいものに置き換えていく作用・ターンオーバーによって皮膚の表面近くに現れ、紫外線が皮膚の中まで入り込むのを防ぐバリアとなります。メラニン色素は肌を守るための役割があるのです。
ターンオーバーが正常に行われていれば、細胞内に沈着したメラニン色素自身も、この作用により自然に排出されます。しかし、ターンオーバーが低下すると、メラニン色素をうまく排出することができなくなり、シミとして皮膚の表面に残ってしまいます。
このような状態になるのを防ぐことが期待できるのが、抗酸化物質が含まれている食品です。
抗酸化物質には活性酸素の発生を抑えるはたらきがあり、今回のレシピで使用しているトマトにはリコピンという非常に抗酸化作用の強い成分が含まれています。リコピンはカロテノイドという赤色やオレンジ色の野菜や果物(にんじん、かぼちゃ、パプリカなど)に含まれる色素成分のひとつですが、その中でも群を抜いて抗酸化作用が強いのが特徴です。
リコピンは油に溶けやすい性質があるため、今回のレシピのようにオリーブオイルなどの良質の脂質と一緒に摂ることで体内への吸収率も高くなります。帆立自体は脂質が少なく淡白な味であるため、バターで香ばしく焼いています。トマトサルサはお酢や柑橘系の果物を使用しさっぱりとしているため、暑さで食欲が落ちている時にもおすすめですよ。
毎日厳しい暑さですが、このレシピで日差しの強い季節を乗り切ってくださいね!
〈参考文献〉
須賀 康(2006) 皮膚科医が考えるアンチエイジング-皮膚老化の予防法と対応について-.順天堂医学,52:429-436
知って、なるほど化粧品 シミって何?
【活性酸素に関する調査】シミの原因は紫外線だけではない!~「活性酸素」でメラニン量が約1.3倍に~
株式会社Cuore 長友佑都専属シェフ。調理師、アスリートフードマイスター 2級、ケトジェニックダイエットアドバイザー。シンプルな調理法と素材の表現力に魅力を感じ、神奈川県内でイタリア料理を中心に修行を積む。横浜市のイタリア料理店「cucinapinocchio」にてシェフに就任し、「素材の持つパワー、魅力を最大限活かした料理」をテーマに活動。2016年より長友佑都の専属シェフに就任し、トルコと日本を行き来しながら、長友佑都のサポートに従事している。
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