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おうちで焼きたてをゆっくり味わう!絶品「はちみつパン」の作り方【材料4つで本当においしいお菓子 Vol.12】

福田淳子

お菓子・料理研究家。シンプルなレシピが好評。

「お菓子はレシピ通り作れば、必ずおいしく作れます」と話すのは、お菓子研究家・福田淳子さん。丁寧なレシピとその再現性の高さで人気の福田さんに、この連載では材料4つで作れる“本当においしいお菓子”を紹介していただきます。第12回は、おうち時間を充実させるのにぴったりな「はちみつパン」です。

みなさん、こんにちは。だいぶ春らしい気候になってきましたね。

ただ、せっかくの陽気なのに、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、どのご家庭でも自宅で過ごす時間が増加傾向にあります。でもそんな時こそ“おうち時間”をより楽しくするために、手作りの「はちみつパン」に挑戦してみるのはどうでしょう?

「パンを焼く」ってとってもハードルが高い気がしますが、実はそんなことはありません。少し時間はかかりますが、ポイントをきちんと押さえれば、ふわふわのおいしい焼き立てパンがどのおうちでもできあがります。
もちろん今回も材料は4つです。工程はできるだけシンプルにしました。

パン作りといえば「発酵」。わかりやすくコツを紹介

パン作りに欠かせないのは、イーストと呼ばれる酵母。パンがふわふわに膨らむのはこのイーストの力です。ここで大事なのはイーストが活動しやすい環境を整えてあげること! 酵母にはいろんな種類がありますが、今回は1番身近で、扱いが簡単な「ドライイースト」を使います。

イーストは育ちやすい(発酵しやすい)温度帯があるので、まずは人肌くらいのぬるま湯に入れて、混ぜ合わせます。このときにはちみつも加えます。糖分はイーストの栄養として活躍します。少し置いたら、強力粉を加えて菜箸でくるくる混ぜます。ある程度まとまったら、今度は手でこねます。最初はベタベタと生地がくっつきますが、だんだんこねていくとまとまってきます。生地が粉っぽくて、まとまらない時は水を少し足します。

ひとまとまりになったら、バターを加えてさらにこねます。とにかく10分ぐらい、しっかりとこねていきましょう。表面がつるんとなったら出来上がり。

ボウルに入れて、ラップをして30〜35度くらいの温度帯に1時間ほど寝かせます。これを一次発酵といいます。一次発酵の方法は作り方のところでいくつかご紹介しているので、好きなものを選んでくださいね。どの方法でもいいのですが、大事なのは適切な温度になるようにすること。高すぎても、低すぎてもイーストはうまく育ちません。高すぎると死んでしまいますし、低すぎると活動できないのです。

生地が2倍の大きさになったら、一次発酵は終わりです。1時間経っても、まだ発酵が足りないようであれば、もう少しそのままおいてみましょう。逆に十分に膨らんでいるのに、そのまま放置していると、過発酵と呼ばれる状態になります。こうなると、パンを焼いたときに上手く膨らまなかったり、味が変わったりすることも。パンをずっと見張っている必要はないですが、時々様子を見てあげてくださいね。

生地のガスを抜いたら、10等分して丸めて二次発酵させます。そのまま焼けるように、オーブンペーパーを敷いた天板の上に置くといいでしょう。焼くと膨らみますので、間を開けてくださいね。ここでは30分ほど発酵させます。湿度が保たれるように、発酵中は濡れぶきんをかぶせておきましょう。1.5倍前後の大きさになれば準備はOK。お好みで強力粉を茶こしでふり、200度に予熱したオーブンで焼きます。

焼き上がったら、ぜひ焼きたてを食べてみてくださいね。とてもシンプルなパンなので、バターとはちみつを両方つけて食べるのがおすすめです。

アレンジは、少し形を変えて、ハニーバタークリームといちごをはさんでみました。濃厚なクリームといちごの酸味がよく合います。今の季節のぴったりなお菓子のようなパンです。

私はパン作りをすると、酵母が生きているのを感じて、いつも癒やされます。パン生地をこねるのもよいストレス解消になりますよ。親子で作るのも楽しいと思います。パンはシンプルなので、ジャムなど甘いものも合いますし、チーズやハムなどをはさんで食べてもおいしいです。

【基本のレシピ】

材料(直径約6〜7cm 丸パン10 個分)

ぬるま湯(人肌くらいが目安です)…150ml
はちみつ…大さじ1と1/2
ドライイースト…小さじ1(3g)
強力粉…250g
バター(有塩)…30g
バター、はちみつ…お好みで

下準備:天板にオーブンシートを敷いておく。

1.大きめのボウルにぬるま湯、はちみつ、ドライイーストを加えて混ぜる。2〜3分置く。

2. に強力粉を加えて全体を菜箸でくるくる混ぜて、まとまってきたら手でこねる。
*まとまらないようであれば、水を少し足す。

3.ひとまとまりになったら、小さめに切ったバターを練り込んで、力を入れて10分ほどこねる。表面がなめらかになり、つるんとしてきたら丸めてボウルの中に置く。


4.ラップをして生地量が倍になるまで、以下のいずれかの方法で1時間ほど発酵させる(一次発酵)。
・室温が30度以上あるときは室内でもOK。暖かい場所に置く。
・オーブンの発酵機能(35度前後)を使う。
・生地が入っているボウルよりもひとまわり小さなボウルに50℃前後の湯を入れて、その上にのせる(生地が入っているボウルに湯が直接触れると温度が高くなってしまうので、触れないようにする)。室温が低い時は途中で何度か湯を取り替える。


5.生地を取り出し、中のガスを抜いて、生地を10等分する。切り口が下になるように丸めて天板の上に間をあけて並べる。
濡れ布巾をかけて30分ほど、1.5倍前後の大きさになるまで暖かい場所で発酵させる(二次発酵)。

6.の上に、茶こしで強力粉をふる。200度に予熱したオーブンで、12分ほど焼く。

+αのアレンジレシピ 

ハニーバタークリームといちごのサンド

基本のレシピと同様に生地を作り、10等分ではなく8等分する。 丸ではなく、少し細長く成形する。基本と同じよう発酵させ、焼いて冷ます。
有塩バター50gを室温において柔らかくし、泡立て器でなめらかになるまで混ぜる。はちみつ大さじ1〜2を少しずつ加えさらに混ぜる。
パンの真ん中に切れ目を入れて、バタークリームを適量絞り入れ、半分に切ったいちごをはさむ。

これがあると便利!お役立ちグッズ

大きめのボウル

お菓子作り、パン作りには大きめのボウルがかかせません。
生地を混ぜる、泡立てる、こねる、寝かす…いろんな用途で使います。小さいボウルよりも、大きめの方が作業がしやすいですよ。
今回は直径24cmのボウルを使っています。

福田淳子(ふくだ・じゅんこ)

お菓子・料理研究家。カフェでメニュー開発や店舗の立ち上げを経験後、雑誌や書籍を中心に活躍中。身近な材料と、シンプルな手順で美味しく仕上がるレシピに定評がある。これまでに手がけたお菓子の本は30冊以上。
【Instagram】@junjunfukuda

執筆者情報

福田淳子

お菓子・料理研究家。カフェでメニュー開発や店舗の立ち上げを経験後、雑誌や書籍を中心に活躍中。身近な材料と、シンプルな手順でおいしく仕上がるレシピに定評がある。これまでに手がけたお菓子の本は40冊以上。

【Instagram】@junjunfukuda
【note】@sakuracoeur

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