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コラム

【お弁当にぴったり】プロが教える!「サンドイッチ」をおいしくラクに作る5つのコツ

「サンドイッチ」というと手間が多く、子どものリクエストに応えて運動会やレジャーでしか作らないという方も多いのではないでしょうか? でも実はコツさえ押さえていればかなりラクチンに作ることができる料理なんです!そこで今回は、「明日もサンドイッチ」の著者である進藤由美子さんに忙しいときにも簡単に作れるサンドイッチについてお伺いしました。

コツ1:パンに野菜の水分が移らないようにする

家庭で作るお弁当用のサンドイッチと言えば、ハム、チーズ、きゅうり、トマト、レタスなどが浮かびますが、実はこの中にお弁当のサンドイッチには向いていない具材があるんです。

きゅうりをサンドイッチに使う方は多いと思いますが、実はお弁当に入れるには難しい具材なんです。パンに挟むことによって水分が取られてしまい、パンもきゅうりも両方おいしくなくなってしまうのでお弁当には向いていません。もし、きゅうりやトマトを挟む場合は、作ってすぐに食べることをおすすめします」(進藤さん)

とはいえ、野菜たっぷりのサンドイッチもお弁当にいれたいですよね。そんな時、進藤さんは水分がパンに移らない工夫をされているそう。

レタスを挟む場合はハムとチーズを置いたあとにレタス丸めてのせます。サンドイッチの具の中心をレタスにするんです。そうすることで、パンがレタスの水分を取らないので、レタスがパリパリした状態で食べることができます。また、トマトやきゅうり、レタスなど水気のある野菜は、切ったあとにペーパータオルの上に置いて、ある程度の水分を取ってからサンドしてください」(進藤さん)

レタスが直接パンに触れないので水分が移らない!

コツ2:前日の余ったおかずを具材に使う

サンドイッチって細々と材料が必要なイメージがありませんか? わざわざ揃えるのも億劫だなと思っていた方にぜひ知ってもらいたいコツがありました。

「明日はサンドイッチにしようと思ったら、野菜を多めに茹でておく(ブロッコリー、いんげん、カリフラワーなど)、おかずを多めに作っておく。そして、翌朝にそれをパンにはさめばいいんです。例えば、カツやコロッケ、エビフライ、唐揚げなどの揚げ物は前日に多めに揚げておいてパンに挟むだけで完成です」(進藤さん)

揚げ物以外のおかずも活用できるとのことで、進藤さんに「照り焼きチキンサンド」のレシピを教えていただきました。

進藤由美子著『明日もサンドイッチ』より 撮影/三木麻奈

照り焼きチキンサンド

材料(分量はお好みで)

パン(おすすめは豆パン)
余った照り焼きチキン(前日に焼いたものでOK)
プリーツレタス
マッシュルーム
柚子胡椒マヨネーズ
・マヨネーズ…大さじ2
・柚子胡椒…小さじ1/2

作り方

~準備~
パンをトーストする。プリーツレタスの水気を拭いておく。マッシュルームをスライスする。柚子胡椒マヨネーズの材料を混ぜ合わせる。

~組み立て方~
1.2枚のパンの片面に柚子胡椒マヨネーズを薄く切り、1枚にプリーツレタスをひと口大にちぎって並べる。
2.柚子胡椒マヨネーズを少しのせ、照り焼きチキンをのせる。照り焼きチキンの上にも柚子胡椒マヨネーズを少しのせ、マッシュルームを並べてもう1枚のパンではさむ。
3.手でそっと押さえ、ワックスペーパーやオーブンペーパーで包んで10分ほど休ませてから取り出してカットする(ペーパーに包んだままカットしてもよい)

お子さまは柚子胡椒をカレー粉に変えてもおいしいとのこと。作りながら自分好みの味付けを試してみるのも良さそうですね。

コツ3:卵や缶詰などの「常備食材」を活用する

前日の残りもなく、なんにも用意していない!という時のために、朝にパパっと作れる具材も教えていただきました。

「当日の朝でもすぐに作れるサンドイッチの具材もたくさんありますよ。例えば、卵焼きや出汁巻き卵もサンドイッチにとっても合います。また、缶詰を利用するのもおすすめです。コンビーフやスパムもいいですし、ツナ缶やサバ缶などもおいしくできますよ。時間のある時にキャロットラぺや紫キャベツのマリネを作っておくと、彩りも良くできます」(進藤さん)

オムレツに茹でたブロッコリーだけというシンプルな具材でも充分おいしい!

缶詰を活用したサンドイッチの中から、定番の「ツナサンド」のレシピを教えていただきました。ディルを入れることで爽やかな風味がプラスされた一品ですよ。

進藤由美子著『明日もサンドイッチ』より 撮影/三木麻奈

ツナサンド

材料(分量は目安)

パン(おすすめはバターロール)
ツナマヨネーズ(作りやすい分量)
・ツナ水煮(小)…1缶(70g)
・ディル…1枝
・マヨネーズ…大さじ1
・白胡椒…少々
白煎り胡麻、グリーンリーフ…お好みで

作り方

~準備~
ツナは水分をしっかり絞り、ディルのみじん切りと合わせマヨネーズ、白胡麻で調味する。

~組み立て方~
1.パンに深く切り込みを入れる。切り込みをそっと開いてツナマヨネーズをはさむ。
2.お好みで、白煎り胡麻を散らし、グリーンリーフをあしらう。

ディルではなく、パセリやきゅうり、ピーマンのみじん切りを入れても食感がプラスされておいしいとのこと。ツナマヨだったら忙しい朝でもパパっと作れそうです。

コツ4:サンドイッチに合う調味料を用意しておく

ここまで主に具材について伺ってきたので、サンドイッチに役立つ調味料についても教えていただきました。

マヨネーズ、マスタード、練りからしはいろんなサンドイッチに重宝しますね。あと私はホースラディッシュ、柚子胡椒もよく使います。バターに粉の山椒を混ぜてもパンに合うんですよ。クリームチーズなどのチーズ系はどんなものでも合わせやすいです。カレールーをカツサンドに入れる時もあります」(進藤さん)

調味料の組み合わせ次第で印象が変わるサンドイッチは、マンネリ知らずのメニューと言えそうです。大人だけで食べる時は山椒を使ってみたりと、楽しみ方も無限大ですね。

コツ5:はさむ&切る作業は慎重に!

いざ出来上がったサンドイッチを切ろうとしたら、具材がはみ出て崩れてしまうという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか? はさむ&切る作業の際のコツも進藤さんに伺ってみました。

「はさむ量はあまり欲張らず、はみ出さない程度にしましょう。全体に均等になるよう、平らにのせるのも大事です。はさむときにマヨネーズをちょんちょんと置くと、糊の役目をしてくれるので、食べる時に具材がすべって出てきてしまうのを防げますよ」(進藤さん)

うまくはさみ終わって、すぐに切ってしまいそうなところですが、それはご法度とのこと。

「具を挟んですぐに切ってはダメ!軽く重しをして冷蔵庫で20〜30分おくのがベストです。クリーム系を使ったサンドイッチの場合は冷凍庫で20分、ラップでしっかり包んだ状態で冷やすと切りやすいですよ。切る際はよく切れるパン切り包丁でスパッと切りましょう。」(進藤さん)

パン切り包丁がなければ長い包丁を使うのがおすすめ! 恐る恐る切ってしまいがちですが、躊躇せずにスッと切ることを心がけましょう。

ナイフの両側に指を添えて押さえ、ナイフをあててから手で支えるようにして切ると安心です!

進藤由美子著『明日もサンドイッチ』より 撮影/三木麻奈

「サンドイッチ弁当」にぴったりの容器とは?

最後に、進藤さんおすすめのサンドイッチにぴったりのお弁当箱について伺ってみました。

サンドイッチ用のお弁当箱って実は探すと結構あるんです。ぎっしりと詰めたサンドイッチでもスッと取り出せるお弁当箱や、使い捨てできる箱。サンドイッチだけでは足りないときにおかずも一緒に入れられるものもたくさんあります」(進藤さん)

網の部分を上に持ち上げると簡単にサンドイッチが取り出せます

「今回、カツサンドとコロッケサンドを入れたのは漆のお重です。漆には保湿と抗菌作用があるので、実は乾燥しやすいサンドイッチを入れるのにぴったり。夏場のお弁当箱としても向いているんですよ」(進藤さん)

お重だけではなく、最近は漆の小さなお弁当箱もあるそう

「他にもワックスペーパーはあると便利なアイテムのひとつ。お弁当箱に並べるときの仕切りにもなりますし、食べる時に手を汚さずに済みますよ」(進藤さん)

いかがでしたか? コツさえ押さえれば具材も自由なので、意外と簡単に作れそうですよね! これからは特別な日じゃなくても、サンドイッチをぜひお弁当に取り入れてみてくださいね!

(TEXT:上原かほり)

進藤由美子さん フードコーディネーター・テーブルコーディネーター


進藤由美子著『明日もサンドイッチ』より 撮影/三木麻奈
美大卒業後、フリーランスのフードコーディネーター、テーブルコーディネーターとして食品メーカーのCM、商品開発などに携わり、2002年より料理教室「Cooking Studio Y」を主宰。国内外を問わず食を研究し、その成果を毎月のレッスンに生かしている。著書に『eat well and laugh often』『明日もサンドイッチ』(生活情報研究所 刊)

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