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コラム

主役はあの野菜!思い立ったら作れる、インドのスイーツ「ガジャル・ハルワ」

【世界の台所探検】世界中の台所を訪れて現地の人と料理をする台所探検家・岡根谷実里さん。今回は、家に常備されている方も多い“あの野菜”で作る、インドのデザート「ガジャル・ハルワ」を紹介します。

海外のスイーツというと、すごく甘かったり材料が手に入りにくいというイメージを持っていませんか?特にインドのスイーツは、くらっとするほど甘いものとして話題に上がることが多いもの。私も、インドの道端で買ったおやつで「ひと口でお腹いっぱい!」という経験をして以来、私もちょっと敬遠していました。ところが、家庭の台所で野菜が主役のやさしいスイーツを教えてもらい、大好きになってしまったんです。

にんじんが、デザートに!

教えてくれたのは、インド西部のグジャラート州出身で日本で働くヴィルさん。24歳の青年です。

この日の夕飯は、じゃがいもとカリフラワーでつくるカレーです。スパイスを炒める横で取り出したのは、袋いっぱいのにんじん。おかずをもう一品作るのかと思ったら、これがデザートになるようです。

作り方は、本当にシンプル。まずはにんじんを皮ごと、千切りスライサーで千切りにしていきます。

次に、バターを熱したフライパンに入れて弱火でじっくり炒めていくと、みるみるかさが減っていきます。

水分が飛んでしんなりしてきたら、牛乳を入れて煮込みます。煮詰まって少しねっとりしてきた頃、砂糖を加え、砕いたくるみをまぜて完成。じっくり加熱していくのに小一時間かかりますが、やることはとってもシンプルで、カレーを作るかたわらでできてしまいました。

やさしい甘みのデザートが完成

器に盛り付けると、何だかアイスのようなプリンのような見た目。スプーンですくって口に運ぶと、ぎゅっと詰まったにんじんの甘みと練乳のような風味が口に広がり、なんだかとてもほっとしてしまいました。
このデザートの名前は、「ガジャル・ハルワ」。ヒンディー語でガジャルはにんじん、ハルワはプリンやおかゆ状のスイーツ全般を指します。

「何か甘いものがほしいなという時、よくお母さんが作ってくれていたんだ。家にあるもので、思い立ったらすぐ作れるからね。」とヴィルさん。
一年中いつでも作れるものですが、このおやつに適した種類のにんじんがとれる冬の時期には、特によく作るのだそう。 にんじんがたくさんある時に、自然な甘みのおやつがほしい時に、ぜひつくってみてください!

岡根谷実里さん

台所探検家。世界各地の家庭の台所を訪れ、世界中の人と一緒に料理をしている。これまで訪れた国は60カ国以上。料理から見える社会や文化、歴史、風土を伝えている。
著書に 「世界の台所探検 料理から暮らしと社会が見える(青幻舎)」がある。

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