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コラム

炊飯器のご飯が「イマイチ」と感じたら、最初に見直すべきポイントとは!?

【お米ライターのコメバナシvol.6】私たちにとってお米はあって当たり前の存在ですが、実は意外と知らないことだらけ。そこで、巷でよく耳にするお米に関する「疑問」や気になる「噂」をお米ライター柏木智帆が検証します。おいしい白飯や米料理さえあれば食卓は豊かになる!をモットーにお米のおいしさを追究していきます。

そのお米、劣化していませんか?

「最近、炊飯器で炊いたごはんがちょっとイマイチ」
「おいしく炊けないからそろそろ炊飯器の替えどきかな」

そう感じたら、すぐに買い替えずに、まずはお米の扱い方を見直してみましょう。お米の扱い方に問題があるままでは、たとえ炊飯器を買い替えてもごはんの炊きあがりは改善しません。

お米は精米した時点から酸化が進んで劣化していきます。そのため、精米年月日から日数が経ちすぎてしまったお米は、炊飯すると古米臭が広がり、ツヤも粘りもない状態になり、食感も悪くなってしまいます。「最近おいしく炊けなくなってきたなあ」と感じたときは、まずは精米年月日からどれくらい経っているかを確認してみてください。

白米を購入する際は、まずは米袋に記載されている精米年月日をチェック。そして、精米年月日からおおむね2週間以内で食べ切れる量かどうかを考えてから購入することをおすすめします。「購入日から2週間」ではなく「精米年月日から2週間」です。その場で精米してくれる店で購入すると、精米後の日数に余裕をもって食べることができます。

お米をおいしく食べられる期限については、「数週間以内」から「数ヶ月以内」まで幅広くいろいろな意見がありますが、お米の質や販売店舗での保管状態はまちまちですので、2週間くらいが無難だと感じています。

ごはんの味を左右するお米の保管方法

また、お米の保管状態もごはんの味を左右します。購入した米袋のまま常温に置いていたり、米びつに移して常温に置いていたりしませんでしょうか。

お米は空気に触れると酸化が進むほか、気温が高い状態でも酸化が進みます。また、お米が乾燥してしまうと、割れてしまったり、目では分かりにくい小さなヒビが入ることで炊飯中に割れてしまったりして、炊きあがりの食感が悪くなってしまいます。

そのため、購入後はすぐに密閉容器に入れて冷蔵庫で保管することをおすすめします。密閉容器に入れると、酸素を遮断することで酸化を遅らせるだけでなく、乾燥やにおい移りを防ぐこともできます。また、低温に保つことによっても酸化を遅らせることができます。

常温で使う桐の米びつはとっても素敵ですが、お米の新鮮さを保つならば、ジッパー付きビニール袋、プラスチックのタッパーなどの密閉容器が無難です。品種名・生産者・精米年月日がわかるようにしておくと良いと思います。

以前に「もっちり粘りが強いと聞いて購入した『ゆめぴりか』が、もっちりと炊きあがらない」と話している人がいました。精米年月日を尋ねると、なんと半年前。しかも常温保存でした。きっと古米臭もあったはずです。

お米は「保存食品」ではなく、「生鮮食品」。保管に気をつけるだけでも、もしかしたらお米がおいしくなるかもしれません。

また、内釜を外した炊飯器本体の中にある温度センサーにごはん粒などがついていたり、内釜の外側が濡れていたりしていても、センサーがうまく働かないそうです。炊飯器をこまめに手入れしたり、内釜をセットする際には外側についた水をしっかり拭き取ったりすることも大切です。

少量購入、密閉保管、冷蔵保管で、そのお米が持つ“本当の姿”に出会えるはず。おいしいお米をおいしいまま味わうために、ぜひお米の扱い方に気をつけてみてください。

柏木智帆

お米ライター。元神奈川新聞記者。お米とお米文化の普及拡大を目指して取材するなか、お米農家になるために8年勤めた新聞社を退職。2年にわたってお米を作りながらケータリングおむすび屋を運営した。2014年秋からは田んぼを離れてフリーランスライターに。お米の魅力や可能性を追究し続ける、人呼んで「米ヘンタイ」。
【ブログ】柏木智帆のお米ときどきなんちゃら
【クックパッド】柏木智帆のキッチン

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