もうすぐ新米の季節。暑さも落ち着いてくるとやっぱり「お米」が食べたくなりますよね。社会科見学&工場見学を通じて日本のものづくり現場を紹介・応援するメディア「しゃかいか!」が、四万十川のブランド米の産地リポートをお届けします。
米を保管したり運ぶ時に使われる何十キロも入る米袋。農家のみなさんには当たり前に昔から使われてきたこの袋、米が息ができるようになっているのですが、女性が持ち運ぶには大変。そこで地元のデザイナーさんと相談して、可愛い小袋を作りました。この小袋が大ヒット、5キロ、4キロ、2キロ、3合、2合とバリエーションがあり、お菓子などのお土産代わりに持っていくには2キロがちょうどいい、結構売れてヒット商品になりました。
この袋には名前をつけることもできるので、水引をつけて引き出物などにも使われることがあるんだそうですよ。
ブランド米というと、インターネットや道の駅などでの直販が思い浮かびますが、山間米の場合は違います。
生産者から一旦農協に販売。生産者である山間米組合員が買い戻し、山間米になってお店や全国にお届けする、という流れになっています。なんでこんな面倒なことをしているかというと、倉庫がないから。新たな倉庫を持つことはなかなか難しいので、農協と手を組み保管コストを軽減。付加価値の高いけどお手頃な価格のお米としてお届けすることができます。農家の農協離れが全国的に話題になっていますが、上手なおつきあいで本当のウィンウィンを実現。うまい米はうまいことやってます。はじめは農協との関係を気にして、山間米への参加を迷っていた生産者さんたち、今では競うように植え始めるようになりました。
お話のあいだにも、おかわりガンガンいきます。
山間米の生産者で作る「四万十山間米組合」の現在の組合員は23人。田んぼの条件も違えば、作る人も違う、当然生産者ごとに味が変わってくるのですが、レベルの高いお米を維持するために、毎年必ず、目選、手選、色選を行い、全ての生産者ごとにお米を試食しています。8月下旬から収穫されるお米は普通、年を越すと古米と呼ばれ味が落ちますが、山間米の品種であるヒノヒカリは、冷温倉庫で保管することで、品質の変動をおさえ、甘み・粘りなど年を越しても美味しさが持続します。毎日食べるお米は味が変わればすぐに気がつくもの。「いつものお米を、いつものように」が山間米のテーマです。
アッ!というまに空っぽです。
今年山間米が生まれて10年目。ここまで続くとは思っていなかった中脇さんですが、すでに新たな商品も生まれています。
初めてのお酒づくり、地元に酒蔵がないので中土佐町の酒蔵「西岡酒造店」さんに協力してもらって、1年目には1樽(720mlが1,600本)を製造、販売に苦労しましたが、3年目には一升瓶もつくってもらい、売れるようになりました。4年目には酒蔵の社長さんから「今年も作らせて!」とお声がかかるようになりました。酒米ではなく、食べるお米からつくったお酒はめったにありません。
川の魚に合うように辛口でカッと飲めるような味にしていただきました。
西土佐ふるさと市のおとなり、ストローベイルSANKANYAというスイーツのお店も開店。こちらも素材はオール四万十です。
左のレモンのチーズケーキは甘すぎないので男性にも人気。
もちろん、みんなでいただきました。ごちそうさまでした。
地元の良いものがわかるようになった
地元のおばちゃんたちが四万十の河原でとってくるたけのこ、無農薬のゆずの皮を使ったソースなどを使い、川弁、山弁といったここにしかない特長あるお弁当づくりもしています。自然の素材を使っているのでお腹が減りにくいのに吸収されやすい、オール四万十のお弁当。
「どう?おいしかった?」と笑顔で聞いてくる中脇さん、じつは今日は試食の会だったんです。
おいしいお昼ごはんと元気をいただくことができました。
ごちそうさまでした!のパシャ!また四万十の素材オールスター弁当を食べにきます。今日は有難うございました!
【詳細情報】
四万十の山問屋「山間屋」
電話番号: 0880-31-6474
住所:高知県四万十市西土佐江川崎2363
URL: http://www.sankanya.com/
ストローベイルSANKANYA
電話番号: 0880-31-6474
住所:高知県四万十市西土佐江川崎2410−1
開館時間:10:00〜17:00
(text:西村 photo:市岡 ※一部の写真は山間屋さん提供)