葬儀の際、よく耳にする「友引」という言葉。そもそも友引と葬儀の関係性って何なのでしょうか?
「友引」とは先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の6種からなる六曜のうちのひとつです。みなさんも、どこかで目にしたことはありませんか?そう、カレンダー・暦に記載されていますよね。その六曜とは暦注(れきちゅう)といってその日の運勢を表すもののひとつです。そこで「友引」の意は?というと“昼は凶。午前、夕方、夜は吉”“勝敗の付かない引き分け”とあります。ここまでは葬儀との関連性は見えないのですが…。
実は「友引」は「共引」と書いていました。時代の変化とともに「友引」と書くようになり、友を引く=親しい方が故人と一緒に天の世界へ連れて行かれるのでは?=葬儀を避ける…といった意味合いとして取られるようになっていったのです。すなわち、友引に葬儀を行わないようになった理由がここにあります。 しかし、本来は「共引」と書き、意味合いも全く違う事から、あくまでも作られた迷信や俗説であると考えられています。世間一般的に縁起の悪い日と思われがちなのですが、実はそのようなことはないのです。
意味合いからして友引の日に葬儀を行う事は問題ないとお解りいただけたかと思います。しかし、友引に葬儀を嫌う傾向から火葬場もお休みにしている所が少なくありません。ただ、友引を関係としない宗派や「友引なんて気にしない」と考える方々もおり、事実、開場している火葬場もあります。地域性も異なり、富山県地方では友引の日に葬儀を行うと“友引人形”と言って身代わりになってくれる人形を柩に入れたりと、これが慣習にもなっています。
いくら、友引に葬儀を行っても構わないとはいえ、親戚や参列者の中には気にする方はたくさんいます。故人とのお別れの式を気持ちよく迎えるためにも、喪主になった際は、故人を取り巻く環境、宗派、地域性などを考慮し葬儀の日程を決める事も葬送儀礼のマナーかもしれません。
新潟県生まれ。1級葬祭ディレクター(厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度)。大学在学中からマスコミ関係で働くも、火葬場を見学したことを機に20代後半に葬祭業界へ転職。以後、「葬儀は人と人との信頼が商品である」を信条とし、将来の人材育成に力を注いでいる。
駿台グループの教育精神「愛情教育」をベースに、観光業界に必要なマインド&スキルを備えた人材を育成。就職のためではなくワンランク上の、就職してからも役立つ力をつける。それがスンダイの目標です。教員は業界の第一線で活躍中のエキスパート。仕事現場の視点からの授業は迫力が十分。基礎力から専門知識・専門技術まで「本物の実力」を身に付けられるスンダイ独自の授業です。 駿台トラベル&ホテル専門学校HPはこちら