日本には昔から行われてきたさまざまな習わしや行事があります。子どもにもぜひ伝えていきたいですよね。親子で語る季節のお便りシリーズ、1月はお正月についてお届けします。ぜひ、お子さんに読み聞かせしてあげてください。
お正月は1年の始まり。でも本当はどんな日か、知っているかな?
お正月は、「年神様(としがみさま)」がやってくる日なんだ。年神様とは田んぼの神様で、冬には山にいて、お正月にはそれぞれのおうちに来る。その年1年を幸せにしてくれる神様だから、おもてなしして、お祝いするんだよ。
家の前に飾る門松は、年神様が迷わないでおうちにたどり着くための目印なんだって。
おせち料理は、本当は年神様にお供えする料理なんだ。それを年神様といっしょにいただだいているんだよ。それに、普段忙しいお母さんたちが料理をしないでお正月は休めるように、長もちする食べものが入っているんだ。
中に入っているのは、お祝いにぴったりなおめでたいものばかりなんだよ。たとえば黒豆は「まめ(元気)」に働けるように、っていう願いが込められている。昆布巻きは「よろこぶ」に言葉の響きが似ていておめでたいから、おせち料理に入れるんだよ。ダジャレみたいでおもしろいでしょ。
お正月で一番うれしいのは何かな? お年玉をもらえることかな?
お年玉は昔、今みたいにお金ではなくお餅だったんだって。
お正月に欠かせない鏡餅、これは年神様へのお供え物なんだ。この鏡餅には年神様の魂が宿るんだって。そのパワーをもらえるように、鏡餅を分けたのがお年玉の始まりだったんだ。
1年の始まりである元旦、山から降りてきて家々に幸せをもたらす年神様(歳神様)をお迎えする行事がお正月です。年神様は山の神であり、実りをもたらす田の神であり、先祖の霊が神様になったものと信じられてきました。門松やおせち料理、鏡餅などは年神様をお迎えするための大切な風習です。
昔から、日本ではお正月は1年のうちでももっとも重要な行事であり、様々なしきたりが今にも引き継がれています。大人も改めてその意味を考え、子どもにも伝えていきたいですね。(TEXT:松崎祐子)