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食あたりで発熱したら…これは危険な状態?どうすればいいの?

食あたりすると下痢や腹痛が起きますが、状態がひどくなると熱が出ることがあります!…熱が出ると、より心配になりますね。食あたりで発熱するのは、なぜでしょうか?病院に行かなくてはいけないのでしょうか?

今回は、食あたりのときの発熱について、医師に詳しい話を聞いてきました。

食あたりで発熱するのはなぜ?

食あたりのときの発熱は、主に2つの原因、いずれかである可能性が考えられます。

1. 細菌が原因の場合
腸から身体の中に有害な細菌が入りますが、細菌から“熱を出す物質”が出ることによって熱が出ることがあります。たとえ細菌が腸でとどまり、身体の中に入らなくても、腸の中で細菌から出た“熱を出す物質”が直接に働いて熱が出ることがあるのです。

または、身体に入った細菌自体には、熱を出す物質がなくても、細菌は身体にとっては異物ですので、身体の中では細菌を排除する免疫の働きが起こります。この働きのために熱が出ることがあります。

2. 食物アレルギーの場合
細菌が原因でない食あたりで熱が出るのは、食べ物自体に対するアレルギーの反応の場合があります。

食あたりで発熱した場合の治療方法

【細菌が原因の場合】

1. 水分補給をする
細菌から出る熱を出す物質が原因の場合と、細菌を排除する免疫の働きが原因の場合は、症状を緩和するために整腸剤の内服と、下痢による脱水やナトリウムやカリウムなどの電解質バランスの乱れを改善するためにスポーツドリンクで水分を補給する必要があります。

2. 有効な抗生物質が必要
細菌が原因での食あたりによる発熱は、細菌を身体の中から除き去らないと良くなりません。症状が軽い場合は市販の整腸剤で良くなる場合がありますが、熱が出るような食あたりの場合は整腸剤では良くならないことが多いです。このためにはどんな細菌が原因かを調べて、その細菌に対応する抗生剤を服用する必要があります。

3. 必ず病院を受診すること
下痢止めなどで下痢を無理やり止めると、腹痛や発熱が悪化することがあります。発熱を伴う場合は、必ず病院を受診するようにしてください。またこのような細菌の中には、抗生剤によって排除しないと、身体の中に居ついてしまうものがあります。本人には症状は起こりませんが、他の人にうつす感染源となることがありますので、便検査で確実に細菌がいなくなったという確証が必要です。特に食品を扱う仕事、幼児や高齢者を介護する仕事についている場合は注意が必要です。

4. 経過の観察も必要
細菌が原因の食あたりでは腎不全などの2次的な合併症が起こることがあり、症状が良くなるまでは注意深い観察が必要になります。特に幼児や高齢者、持病のある人は合併症が起こり易いので注意する必要があります。

【食物アレルギーの場合】

食べ物自体に対するアレルギーが原因の場合は、整腸剤等で症状が治まるのを待ってください。アレルギー反応は1度目よりも2度目の方がひどくなるので、同じものを再度食べないように注意する必要があります。原因となる食べ物を調べるには、病院を受診して血液検査を受ければはっきりします。

医師からのアドバイス

食あたりでも熱が出ないもの、便に血が混じらないもの、腹痛がさほど強くないものは市販の整腸剤で様子を見ることが可能ではあります。

しかし、幼児や高齢者、持病がある場合は病院を受診しないで市販薬だけで様子を見ると思わぬ合併症が起こることがありますので、2〜3日以上様子を見ても症状が改善しない時は病院を受診した方が良いでしょう。

(監修:Doctors Me 医師)

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