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コラム

1日1切れアレを食べるだけで突然死のリスク減!100年長生きする予防医学のススメ

いくつになっても若くて元気な人、そうでない人の違いはどこにあるのでしょうか?病気を遠ざけ、人生の質を底上げしてくれるのは、小さな健康習慣の積み重ねです。そこで今回は、予防医学のスペシャリストである医師・森勇磨氏による著書『予防医学で健康不安は消せる! 100年長生き』(ワニブックス)から、突然死を防ぐ食事のヒントを少しだけお届けします。

1日1切れの魚が死亡リスクを下げる!突然死を防ぐ食習慣

なんとなくだるい、やる気が出ないなど、だんだん無理がきかなくなって老いへのリアリティが増すのが、50歳前後ではないでしょうか。生活習慣病の存在をますます無視できなくなるのも、50代です。

だからこそ、50歳からは食習慣を変えてほしい。そうした思いで書いたのが、手前味噌ですが『50歳からの病気にならない最強の食生活』です。

たとえば、中性脂肪やコレステロールの代謝が悪くなる「脂質異常症」は、女性は更年期頃から、男性は30代あたりからどっと増えます。といっても、コレステロールも中性脂肪も本来は体にとって必須なものです。

ただ、肝臓でつくられたコレステロールは「LDL」に乗って全身に運ばれ、これが多すぎると血管の壁にたまり、動脈硬化を進めてしまう。そこで、たまったLDLを血管の壁から回収してくれるのが「HDL」です。そのため、LDLは悪玉、HDLは善玉と言われるのです。

そして、女性の場合、女性ホルモンの関係で更年期の頃からLDLコレステロール値が上がりやすいことがわかっています。

女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が低下すると、LDLの数値が上がりやすくなることがわかっています。そのため、40代までと同じや生活をしていても、LDLの数値は徐々に悪化してしまいます。『50歳からの病気にならない最強の食生活』より

ということで、50代になったら(くどいようですが早いに越したことはありません)、食生活をちょっと変えてほしいのです。

UCLA准教授の津川友介さんは、病気のリスクを下げる健康習慣をまとめた『ヘルス・ルールズ』の「食事」の章で、「何を食べ、何を食べるべきではないか」を端的に紹介しています。引用させてもらいましょう。

ずばり、数多くの信頼できる研究によって健康に悪いと考えられている食品は、【1】赤い肉(牛肉や豚肉のこと。鶏肉は含まない)と加工肉(ハムやソーセージなど)、【2】白い炭水化物、【3】バターなどの飽和脂肪酸の3つである。
逆に健康に良い(=脳卒中、心筋梗塞、がんなどのリスクを下げる)と考えられている食品は、、【1】魚【2】野菜と果物(フルーツジュース、じゃがいもは含まない)、【3】茶色い炭水化物、【4】オリーブオイル、【5】ナッツ類の5つである。『HEALTH RULES ヘルス・ルールズ 病気のリスクを劇的に下げる健康習慣』より

なかでも「健康に良い食べ物の筆頭」に挙げている魚については、67万人のデータから導き出された研究結果として、魚の摂取量の多い人ほど死亡リスクが低く、1日60gの魚を食べていた人は全く食べていない人に比べて12%死亡率が低かったことを紹介しています。

スーパーなどで売られている鮭や白身魚などの切り身1切れが80g前後ですから、1日1切れで60gはクリアできます。刺身であれば3、4切れでしょうか。それだけで死亡リスクを下げられる可能性があるのです。

中高年以降は、肉よりも魚ファーストに切り替えよう!

循環器内科医の池谷敏郎さんも『「100年心臓」のつくり方』で、「『心臓の健康』といったらコレ!」と、EPAとDHAを挙げます。EPA、DHAは、アジ、イワシ、サバといった青魚に多く含まれる油です。

EPAは末梢血管をしなやかに開いて、血小板の活性を抑え、血流をよくしてくれる働きがあり、DHAは脳に働きかけて、うつ病や認知症の予防に役立つ可能性がある、と池谷さんは説明します。

さらに、EPA、DHAには中性脂肪やLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす働きもある、とも。実際、中性脂肪値の高い人に使われる「ロトリガ」という薬の主成分は、EPAとDHAなのです。

魚がいかに大事か、わかっていただけたでしょうか。

ただ、肉を食べたほうがいいシチュエーションとしては、貧血があるときです。肉は、鉄分の摂取源としては非常に優秀。動物性食品を一切食べないビーガンの人は、爪が割れたり、白髪になって髪がパサパサになったりしやすく、その原因の一つに鉄分不足があります。

ですから、貧血の人は肉も意識的に食べてほしいのですが、一般的には、中高年以降の健康を守ってくれるのは断然、肉よりも魚。ぜひ魚ファーストの食生活に切り替えましょう。

脂質異常も高血圧も高血糖も“無言”。
命にかかわる病がズドンと来る前に、健康的な食習慣を!

生活習慣病の予防と治療に詳しい医師の岡部正さんは、『ズボラでも中性脂肪とコレステロールがみるみる下がる47の方法』の「はじめに」で、脂質異常症は自覚症状がないからと油断していると大変なことになる「警告としての生活習慣病」だ、と訴えています。それは高血圧や糖尿病も同じで、自覚症状がないからといってほったらかしていると、じわじわ動脈硬化を進め、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中などを“ズドン”と引き起こすのです。

“ズドン”の前に中間警告をハッキリしてくれるのは、尿酸値ぐらいです。尿酸値が高くなると痛風という形で症状が出ます。そして、足で痛風が起きていたら、腎臓や心臓にも痛風のもと(尿酸塩結晶)ができているかもしれませんし、動脈硬化が進んでいる可能性も高いのです。

痛風以外の生活習慣病はほとんど症状がありませんが、健康診断で問題を指摘された人は、「“ズドン”に一歩近づいてしまった」と自覚して、健康習慣を一つでも多く取り入れていただきたいと思います。

本文は『予防医学で健康不安は消せる! 100年長生き』(ワニブックス)より一部抜粋・編集しています。

画像提供:Adobe Stock

著者メッセージ

日本という国には国民皆保険制度という万全な医療体制があります。だからこそ自分の健康を軽視してしまいがちな人も多いです。しかし治療と予防はまったく別物。特に40歳を超えてからはがんをはじめとした病気のリスクも上昇します。本書はさまざまなベストセラーの中から重要なポイントを凝縮した一冊です。是非、予防医学のスタンダートな知識を身に着けていただき、健康寿命100年を目指して欲しいと思います。

書籍紹介

『予防医学で健康不安は消せる! 100年長生き』(ワニブックス)
ピンピンコロリは目指さなくていい!?
幸福長寿の秘訣が詰まった健康本ベストセラー100冊がたった1,650円で読める!

人生100年時代。寿命は延びても、最後の10年は寝たきりで過ごす人が大半の世の中。「健康寿命を延ばすためのノウハウは世の中にあふれているけれど、一体何が正解で、何をすればいいの!?」と悩む人も多いのではないでしょうか。

そんなお悩みに答えるべく、100冊分の健康書ベストセラーを1冊に要約しました。

選書は、予防医学のスペシャリストであり、登録者数70万人超の超人気YouTube「予防医学ch」を運営する医師・森勇磨。運動法や食事術に限らず、寿命を縮めるストレスへの対処法から老いへの考え方まで、信頼できる情報を厳選してお届けします。

著者紹介

森 勇磨 (もり ゆうま)
内科医、産業医、労働衛生コンサルタント。ウチカラクリニック代表藤田医科大学病院の救命救急病棟での勤務後、2020年2月よりYouTubeにて「予防医学ch」をスタート。登録者数は70 万人を超える(2024年3月時点)。株式会社リコーの専属産業医として、予防医学の実践を経験後、独立。法人向けの福利厚生としてのオンライン診療サービスの展開、健康経営のコンサルティングなどを通じて予防医学のさらなる普及を目指している。著書に『40歳からの予防医学』(ダイヤモンド社)、『怖いけど面白い予防医学』(世界文化社)、『認知症は予防が9割』(マガジンハウス新書)など多数。

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