7月第3月曜日は「海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日」として制定された、『海の日』です。海の幸がないニッポンなんて、ちょっと考えられませんから、海に向かって「ありがとう~」と叫びましょう!
海から恩恵を受けている和食の代表格といえば、やっぱり「お寿司」ですよね。4月に来日したオバマ大統領の接待に、東京・銀座の有名寿司店が使われたのも記憶に新しいところ。
お寿司はいまでこそ鮮度が決め手ですが、平安時代に日本に伝わったお寿司の原型は、さばいた魚に塩をふり、炊き上げたごはんの上に乗せて数日~数ヶ月かけて発酵させて完成させる「なれずし」と呼ばれる保存食でした。当時は出来上がると魚だけ食べて、ごはんは捨てていたようで、かなり今のお寿司のスタイルとは違っています。
平安時代の製法のままではありませんが、「なれずし」は現在でも関西や北陸地方などの郷土料理として残っています。ただ発酵食品特有の酸味や匂いがあるので、好き嫌いが分かれる食べ物。ところによっては“なれ具合(=発酵の度合い)”を選べるところもあるようで、発酵が浅い初心者向けの「早なれ」、なれずし通が楽しむ「中なれ」、さらに“通の中の通”とでもいうべき人が好む「本なれ」があるんだとか。
「お寿司の原型」に興味のある方はぜひそちらを探索いただき、一般的な「寿司好き」の方々には、爽やかな押し寿司レシピをご紹介しましょう。
あなたはお魚をさばくこと、できますか?
お魚を食べるのは好きでも「頭を落としたり、内臓を取り出すのがダメ」という方、結構いますし、「難しそう」という先入観でさばいたことがない方もいるかも知れません。
でもさばき方を覚えると、半分はお刺身に、半分はフライに、骨はから揚げになんていう工夫ができて、メニューのバリエーションが豊かになります。また骨も捨てずに食べてあげれば、海からの恩恵を無駄にしないという感謝のカタチになると思いませんか?ぜひ『海の日』の理念に賛同して、さばきにトライしてみてください!
美味しい魚介や美しい風景を私たちに提供してくれる海ですが、天候や潮の流れなどによっては危険が伴う場所。これから海のレジャーを予定しているみなさん、くれぐれも無理をせず、安全第一で海と触れ合ってくださいね。(TEXT:大河原裕美)