この春から大ブレイク中の塩レモン。皮も実も汁も活用するということで、いま国産レモンに注目が集まっています。さて、そんな国産レモンの収穫高一位は広島県だって知っていますか? 広島県にはレモン&塩レモンの活用の知恵がたくさん溢れていました!!
クックパッドを始め、さまざまなところで塩レモンが話題ですが、この塩レモン、実や汁だけでなく皮まで使用するため、各レシピには「国産レモンを使用してください」とのコメントがついていますよね。そこで、色々調べていると、国産レモンは広島県が生産量一位ということが判明。
温暖で雨の少ない気候により、もともと広島県はかんきつ類の栽培適地。そんな中、明治末期から呉市、尾道市などの島しょ部を中心にレモンが栽培され、平成21年度には全国の59%の生産量を誇るまでになった日本一の「レモン県」なのです。
中でも、尾道市瀬戸田町はレモンアイランドと呼ばれる程レモン栽培がさかん。広島県の東南部、瀬戸内海のほぼ中央に位置していて生口島と高根島の二つからなっているのが瀬戸田町。人気急上昇中の「しまなみ海道」の途中に所在し、最近ではサイクリングやドライブを楽しむ人たちが訪れることも多くなっているようですよ。ということで、いきなりですが広島県瀬戸田を訪れてみました!!
レモンときくと、唐揚げに絞ってかけるものくらいの認識しかなかったのですが、皮まで丸ごと使える国産レモンならいろんなメニューに展開できるんですね。これは、この先の取材も期待出来そうです。
広島県のレモン栽培は豊田郡大長村(現広島県呉市豊町大長)が、明治31年に和歌山県からネーブルの苗木を購入した際、レモンの苗木3本が混入し、それを試植したのが始まりだといわれています。その後も生産量は増加し、昭和38年には生産量も600tを越し日本の主産県になったのです。
ところが様相が大きく変わったのが、昭和39年5月に実施された「レモンの輸入自由化」。これにより国産レモンは大打撃を受け、生産量は一時激減し、昭和52年にはレモンは10万tの輸入量を超えていきます。
しかし、いっぽうで輸入レモンの防カビ剤(OPP)の収穫後使用が問題化。そこで消費者グループや生協等を中心に安全な国産レモンを求める声が高まっていることを背景に、瀬戸田町では全島を揚げてレモン増殖運動を展開し、日本でいち早くレモン産地の復活を成し遂げたのです。
瀬戸田町の「せとだレモン」は、「皮まで食べられるレモン」として環境に配慮した作り方である環境保全型農業への取り組みを実施。そうして平成20年広島県認証の特別栽培農産物に指定され、広島レモン最高峰プレミアム「せとだエコレモン」が誕生したのです。
「皮ごと味わう塩レモンの人気は、国産レモンの良さを実感できる本当にいい機会だと思います。ぜひ、皮まで食べられる国産レモンそして広島のレモンの良さを、実感してほしいと思っています」(広島県庁広報課・石田雅之さん)