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私の勝ちごはん:旅Runで食べるご当地メニューが最高の贅沢

マラソンランナー 千葉真子さん:世界陸上にて、世界初となるトラック種目とマラソン両方でメダルを獲得、その明るいキャラクターから「ちばちゃん」の愛称で親しまれている千葉さん。最近はマラソン大会のゲストランナーとしてひっぱりだこで、沿道に手を振り、一緒に走るランナーには声をかけながら走るその周りはパッと華やかな空気に包まれます。そんな明るさの源になっている「勝ちごはん」を伺いました。

ランニングは自分との対話、身体に足りない栄養素も見えてくる

ランニングと食との関係について教えてください。
「最近は若い女性をはじめ、ランニングを生活に取り入れられている人が多いですよね。女性用のウェアもオシャレになってきているので、『走るっておしゃれでかっこ良い』というイメージもありますね。

クックパッドを利用されている方は、食べることが大好きという人が多いと思います。でも女性は特に『太るのが怖くてお腹いっぱい食べられない!』という方も多いんです。よりおいしく健康に食べるためにも、スポーツを生活に取り入れるというのはとてもいいことだと思います。

ランニングしている時間は自分の身体と心と対話をしながら、向き合う時間でもあるんですね。自分のことをより知ることができるんです。汗をかいて、体内の循環がよくなることで『今、自分はどんな栄養素が足りなくて、なにを欲しているのか?』ということを鋭く感じることができるんです。ランニング後に食べたいものが、今、身体に足りていないものな気がします。身体の声をキャッチできるのもランニングと食の面白い関係だと思います。

特に運動をしていないのに疲労している状態だと、脂っこいものや甘いものを食べたくなるんですが、身体を動かすことによって、身体にいいものを自然と欲するようになるんですよね。心地良いポジティブな疲労にはそんな効果もあると思います。

疲れている時こそ積極的に身体を動かして、汗をかいて、深い睡眠をしっかり摂ることで、実は疲れが早く取れるといわれているんです。健康のために『食事、睡眠、運動』の3つは、切っても切り離せない大事なものです。食を気にするように、この3つをセットで考えることをおすすめします。まずは難しく考え過ぎないで、散歩のようなウォーキングから始めてみてはどうでしょうか。いつもよりごはんが美味しく感じられると思いますよ。」

旅Runのススメ!全国のご当地メニューも楽しみ

千葉さんにとって「勝ちごはん」とは?
「競技を引退した今は、週末のたびに全国のマラソン大会に出向いてゲストランナーとして走っています。『旅Run』って言葉をご存知ですか?少し離れた土地のマラソン大会に参加申し込みして、当日は家族やお友達と旅行気分でワイワイ楽しみながら向かいます。土地の人とのふれあいや雄大な自然を堪能しながら走るのは本当に気持ちいいですよ。走り終えたあとは、土地のおいしいものを食べて、観光もセットで楽しむ!それが『旅Run』です。

つい先日も、『第30回気仙沼つばきマラソン』という大会に行ってきたのですが、この大会では走り終えたあとに、大きなマグロの兜焼きが参加者全員に配られたんです!大きなドラム缶を密封して、炭火を使ってじっくり焼いた本格的なメニュー。参加者全員分なので約2000人分を焼いていて驚きました(笑)。走り終えたあとって、味覚がとても鋭くなっていて、ただのお水でも美味しく感じるんです。そんなタイミングでいただいたので、みんな無言で一生懸命食べていました(笑)。まさに地元、気仙沼の味ですよね。

他にも京都ならお豆腐、山形ならさくらんぼ、と地元名産の食材を貰えるだけでなく、最近はご当地B級グルメの屋台なども出ていて、本当に楽しい大会が多いですね。私は選手時代から全国の色々な場所でご当地のものを食べているので、舌は肥えていると自分では思ってます(笑)

本当に一番おいしいものって、東京で高級なお店に行くのも良いですが、その土地で採れた新鮮な食材をその土地でいただくことだと思うんです。やっぱりそれが最高の贅沢ですよね。ランナーならではの食の楽しみ方でもあるので、とてもおすすめです!」

マグロのパワーで夏も元気に

スポーツ栄養アドバイザー石川三知さんの栄養解説
世界の中で、最もマグロ好きな民族は、きっと日本人ではないかと感じています。
日本は、どの国のスーパーやお魚さんよりもマグロの品揃えは豊富ですし、レシピもたくさんありますよね。私も選手の食事を考える時にマグロを利用しています。それは、好みだけではなく豊富な栄養素に惹かれているからです。特に赤身と血合いの部分の栄養は拍手したいくらい!

マグロは暑い夏にもぴったりな栄養素を何種類も摂り入れることのできる食材です。マグロのたんぱく質はとても良質で、赤身の部分はもちろん、他の部位も比較的低脂肪といえます。これは食べやすいだけではなく消化の負担も軽減してくれますから、暑い季節に疲れた胃腸にうれしい食材です。

更に赤身のたんぱく質には、メチオニン・シスチンといったアミノ酸が含まれているので、寝苦しくて睡眠の質が下がった時に弱りがちな肝臓をサポート。また、発汗で失われがちな鉄分やカリウム、ビタミンB群(B6・B12・パントテン酸)を補給してくれるので、運動している方や貧血が気になる方にもおすすめです。

いかがですか?大きなカマ焼きをご自宅で作るのは難しいかもしれませんが、売り場で小さめなものを見つけたら、是非お試し下さい。そして、その時は緑黄色野菜を、たっぷりと付け合せると(生野菜と加熱野菜の両方で)、マグロの栄養が上手に活用していただけます。

おすすめレシピはマグロの良さを部位ごとに活かして使いきれるレシピです。 大きなカマごと焼くのは無理でも、ガーリックの風味が食欲をましてくれ、十分にカマ焼きのダイナミックさが味わえる思います。

石川三知さんのおすすめレシピ

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マラソンランナー 千葉真子

立命館宇治高校から旭化成に入社し、アトランタ五輪1万mで5位入賞、アテネ世界選手権1万mでトラック初となる銅メダルを獲得、パリ世界選手権マラソンで銅メダルに輝き、トラック、マラソン両種目のメダルを手にした。持ち前の明るいキャラクターで、「スポーツで世の中を元気にしたい」という目標を掲げ、現在はゲストランナーとしてマラソン大会に出演する他、講演会、メディアなどで活動。2010年に「千葉真子BESTSMILEランニングクラブ」を立ち上げ、市民ランナーの指導や普及活動も積極的に行っている。2011年に結婚し、現在は1児の母。

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