2019年10月、料理研究家のジョーさん。がTwitterに投稿した「炊飯器に入れるだけ カマンベールまるごとチーズおじや」は、8万件を超える「いいね」、1.8万件ものリツイートと大きな反響を呼びました。投稿された写真を見ただけで、誰もが「おいしいこと間違いなし!」と感じる「カマンベールおじや」を開発したジョーさん。に、カマンベールチーズのやみつきレシピについて聞きました。
昨年、Twitterで大反響となったカマンベールまるごとチーズおじや。「SNSで見かけた!」「真似をした!」という方も多いのでは? 見たら試さずにはいられないこのレシピは、どのように生まれたのでしょうか。
ジョーさん。:チーズがトロッとしたリゾットがあったら絶対においしいだろうと思ったんです。ちょうど友人が家に遊びに来ていて、食べてくれる人たちが揃っていたので挑戦しました。実際、机の上から秒で消えるほどおいしくできたんです(笑)。
Twitterに投稿したレシピは、試行錯誤を重ねた結果生まれた、黄金比レシピなんだとか。世の中にありそうでなかったカマンベールチーズがトロトロに溶けたおじやを投稿したことで、想像以上の反響を得たジョーさん。は、カマンベールチーズに特化したレシピ本を企画することに。
ジョーさん。:チーズがトロッとしたメニューがSNSでウケるとは思っていたのですが、メディアの取材やテレビ出演の際にも、カマンベールチーズのおじやについての質問や問い合わせが多かったんです。
もしかしたら、思っているより広い層に受け入れてもらえる食材なのでは? と、1冊のレシピ本にまとめてみました。
カマンベールチーズ、みなさんは普段どんな風に食べることが多いですか? カットして、そのままの状態で食べるという方におすすめなのが、「焼くだけカマンベール」だそう。
ジョーさん。:チーズって、焼くとくっついたり溶けてしまったりしますが、カマンベールチーズは皮があるので焼きやすいんです。表面をこんがりと焼いて、中がトロッとした状態で食べると、より一層おいしくなります。
個性がしっかりあるので、オリーブオイルや胡麻油で焼いたり、黒胡椒などのスパイスをプラスしてもいいですね。焼いてみることで、カマンベールチーズの可能性を感じてもらえるのではないかと思います。
焼くだけカマンベールチーズで可能性を感じた方は、次に具材のひとつとして、カマンベールチーズを料理に取り入れてみましょう! 少しハードルが高く感じるかもしれませんが、いつもの料理に”ちょい足し”してアレンジするだけで料理の幅がグッと広がります。
ジョーさん。:今回のレシピ本の中では、普段作っている焼きそばやちらし寿司にカマンベールチーズをちょい足ししたレシピを載せています。
カマンベールチーズを料理に使うぞ~! と思うと構えてしまうという方は、まずはカマンベールチーズを食べ慣れた料理にプラスしてみてください。食べてみると、意外とカマンベールチーズが何にでも合うことがわかってもらえるのではないかと思います。
まずはチャレンジすることが“おいしい”と出会う最大のポイントなんですね。ジョーさん。もレシピ開発で多くの食材との組み合わせに挑戦したそうです。その中で、予想外に相性が良いもの、こんな使い方もあったのか! と感じた組み合わせを教えてもらいました。
ジョーさん。:味噌ラーメンは、すごくおいしくなる組み合わせだなと思いました。味噌とチーズは、同じ発酵食品なのでとても相性が良いんです。ラーメンにカマンベールってちょい足し感がありますよね(笑)。
今回、本の中で紹介されているレシピには、大葉を使った春巻きのレシピが出てきます。ジョーさん。、実は大葉が苦手だったそう。苦手な食材でも、試作レシピに合わせてみたことで、今まで気づかなかったおいしさに出会うことができたんですね!
ジョーさん。:以前、苦手野菜を克服するというプロジェクトでピーマンとミルクを合わせると食べやすくなるということを知りました。今回、カマンベールチーズを使ったレシピを考案しているときに、苦手な大葉もチーズと合わせることで食べられるのでは? と思ったんです。
実際に完成して食べてみたら、「食べられる!」ではなくて、「大葉があるからおいしいな」と思えたんです。香味野菜もチーズとの相性が良いということもわかりました。
カマンベールチーズを1つプラスするだけで、料理の幅が広がることがわかりますね。
ジョーさん。:カマンベールチーズって、コンビニにも売っていてすごく手軽なものなのに、ハレの日のご飯に使える華やかさがあるんです。市販のピザにのせるだけで映えるし、焼いた厚揚げにのせたらおしゃれ居酒屋のメニューのようになる。また、スープに入れるだけで満足感たっぷりに仕上がります。幅広い用途で使えて、とても使い勝手がいいんです。
レシピは、簡単に作れるものから少し手間がかかるものまでさまざま。でも、どのページの写真も、特別な日の食卓のような雰囲気が溢れています。
ジョーさん。:今回、レシピ開発をする中でも華やかさが出る見た目を意識しました。おもてなしにも使えるし、贅沢なおつまみとして作れば自分の気持ちを上げてくれます。食べるときだけでなく、作っている最中から、カマンベールチーズを使う楽しさを感じながら料理してもらえると嬉しいです。
カマンベールチーズは、外側は固い皮、中はトロトロクリーミーな状態のチーズです。包丁で切ると、クリーミーな部分が包丁にくっついてしまいうまく切れないことがあります。そこで、上手に切る方法や、料理に使うときに気を付けたいポイントを聞いてみました。
ジョーさん。:カマンベールチーズは、冷蔵庫でしっかり強めに冷やした状態にすると切りやすくほぐしやすいです。冷やし足りない状態でカットしたい場合は、ラップを巻いた包丁で切るとキレイに切り分けることができます。
また、揚げ物を作るときは破裂させないように気をつけてください。強火ではなく低温で揚げるのがポイントです。
僕は、キッチンに立つのが大好きです。同じように、料理をすることが楽しいと思う人が一人でも増えたら嬉しいなと思いながら、SNSで情報を発信したり、レシピ開発をしています。そして、この『ジョーさん。のカマンベールチーズやみつきレシピ』も、料理を楽しむひとつのきっかけになればと思っています。
カマンベールチーズのレシピを発信したとき、「生で食べるイメージしかなかった」という声を聞いて、逆にびっくりしました。僕には生で食べるだけという考えがなかったから。
今回6つのチャプターにわけてレシピを紹介していますが、最後のチャプターではスイーツを取り上げています。その中でも、特に試してもらいたいのが、「カマンベールのようかん包み」です。ようかんの甘さとチーズの塩味の絶妙なバランスにハマると思いますよ。
また、「洋風カマンちらし寿司」もおすすめの一品です。ちらし寿司というと、和風のイメージが強いと思いますがこれは洋風の食材だけで作っています。いつもと違うちらし寿司を楽しめると思います。
このレシピ本は、ヒットポイントが5くらいしかないとき用のレシピから、余裕があるときに作ると楽しいレシピまで幅広く紹介しています。その日の自分のヒットポイントに合ったものを作って、ぜひカマンベールチーズの可能性を感じてみてください。
写真:片桐圭(lingua franca)、TEXT:上原かほり
料理研究家。世界に一つでも多くの幸せな食卓を作り出す仕事をしています。
食の企画会社にて3年の勤務を経て独立。
Webで”バズる”企画を得意とし、Twitterで投稿した”春巻きの皮クレープ”、”アスパラのバターごはん”が20万いいね!を獲得、テレビなど各メディアで注目を集める。
企業様向けレシピ開発、レシピ動画、記事の企画開発、調理、盛り付け、撮影、記事作成、編集を一貫して行います。
Twitter:@syokojiro
Instagram:@syokojiro1206
公式レシピサイト:タベタノ?