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コラム

「家族全員1日2食」「食料がなくて雑草を」追い詰められる、ひとり親家庭の現状

山田周平

エンタメ記事や育児コラムなどを書いています。

コロナ禍の影響や止まらない物価上昇などにより、経済的に困難な状況に立たされている人も増えつつある現在。ひとりで子育てをしているひとり親家庭では、より大変な状態に陥ってしまう可能性も高いはずです。そんな中、ひとり親家庭のためのフードバンク「グッドごはん」を運営する認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパン(東京都大田区)が、ひとり親を対象に現在の状況や困りごとなどについてアンケート調査を実施しました。

約5割が「世帯年収200万円未満」

まず「2022年の収入額」を調査した結果、回答者の47%が「世帯年収200万円未満」で暮らしていることが明らかとなりました(世帯年収には各種手当・養育費・同居家族の収入も含まれます)。コロナ禍での減収も重なり、多くのひとり親家庭が厳しい生活を送らざるを得ない状況にあることがわかりました。

「雑草をおかずにした」「家族みんな1日2食」という声も…

次に、「ひとり親になってから、経済的理由であきらめた経験があること」について聞いたところ、約95%が何かをあきらめたことがあると回答。中でも、「家族旅行・レジャー」「子どもの習い事」などの割合が高いため、子どもの体験や学びの機会の不足が懸念されます。

さらに、「食料がないときには、土手の可食草をおかずにした」「土日祝日は家族みんな1日2食にしています。自分は平日も極力2食です」といった声もあり、毎日の食事にも困っている家庭も少なくないようです。

ひとり親自身の約6割が困難な状況にある

ひとり親の方の「自身についての状況」についての問いでは、約6割の人が経済的な困窮のほかにも困難な要素を持っていることがわかりました。「実親のサポートが受けられない(他界、遠方等)」という回答が最も多く、次に「日常生活の悩みやストレスを相談できる相手がいない」「持病がある」と続きました。

具体的なエピソードとして、

「自分が病気になって家にあった古い薬で何とか過ごしていたけど、それもなくなって、仕方なく病院に行きました。重病でしたので本当は介護が必要かもしれませんが、だからといって働かないわけにはいかず、苦しむために生きていると思うこともあります」(Aさん・50代・子ども3人)

「自分の食事は必要最低限で、衣類の購入は諦めているので、何年も同じ服を使い回しています。病院で血液検査を受けると貧血を指摘され、食事を見直すよう指導を受けましたが、肉や野菜が高くてなかなかな手が出ません(子どもの分のみ用意します)」(Bさん・40代・子ども2人)

といった声も寄せられました。個人の努力だけで解決するべき問題ではなく、社会的な支援が必要な状況が伺えます。

ひとり親家庭のためのフードバンク「グッドごはん」

「グッドごはん」は、認定NPO法人グッドネーバーズ・ジャパンが運営する、ひとり親家庭を対象としたフードバンクです。首都圏(東京都、神奈川県)、近畿圏(大阪府)において、約40カ所に配布拠点を設置。企業や個人の寄付によって集まった、お米や調味料、レトルト食品、お菓子など、約10,000円相当分のカゴいっぱいの食料を毎月ひとり親家庭に配布しています。

「ひとり親家庭等医療費助成制度(マル親)医療証」をお持ちの方、配付拠点に指定の時間内に直接取りに来られる方、首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、近畿圏(大阪府、兵庫県、京都府、奈良県)、九州(佐賀県、福岡県)にお住いの方が利用するための条件となっています。

詳細は公式webサイトをご覧ください。

画像提供:Adobe Stock

(TEXT:山田周平)

執筆者情報

山田周平

ライター。さまざまなWEBサイトでエンタメ記事や育児コラムなどを書いています。著書に『ひとのパパ見て わがパパ直せ』。
Instagramアカウント:@damepapa31

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