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東京2020の選手村であなたのメニューが提供されるかも!? 「日本の食を世界へ発信」するプロジェクトの舞台裏

クックパッドニュース編集部

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東京オリンピック・パラリンピック競技大会の選手村で提供されるフードメニューの一部を一般公募していることをご存じでしょうか? 日本の家庭の味を、世界のトップアスリートに届けるという『あなたのメニュー募集キャンペーン』。この企画の意外な立ち上げ背景について、東京2020組織委員会の香川晴美さんが明かしてくれました。

すべての人が楽しめる東京2020へ

世界のトップアスリートが、もし自分の料理を食べてくれたら?
家庭の味にほっとし、「おいしい」という一言を返してくれたら?

そんなワクワクする想像を掻き立ててくれる企画が、『東京2020みんなのフードプロジェクト 日本の「食」を選手村アスリートへとどけよう!あなたのメニュー募集キャンペーン』だ。

2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会。この準備・運営を推進する公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、東京2020組織委員会)は、2019年8月8日(木)、選手村のカジュアルダイニング(※)で提供するフードメニューの一部を一般公募するキャンペーン企画の実施を発表した。

東京2020組織委員会マーケティング局の香川晴美さんは、企画立ち上げ背景についてこう語る。

「スポーツが大好きという方は、きっと東京2020にも強い関心を持ってくださっていると思うのです。でも、スポーツはあまり興味がないという方もたくさんいらっしゃいますよね。そういう方にも東京2020を楽しんでいただく方法はないか、と考えたことが企画の発端となりました」

公益財団法人 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 マーケティング局 パートナーエンゲージメント部長 香川晴美さん

“食”は、すべての人の日常にある。多くの人にとって、食は楽しみであったり、大事な生活基盤として根付いているだろう。たとえ、スポーツには興味がない人でも。

「“食”というテーマを入り口にすることで、東京2020に関心を寄せる新しいきっかけが提供できればと思っています。もちろん、競技会場に来場された観客の方への飲食提供戦略など、東京2020をより楽しんでいただくための食の企画にはもともと力を入れていました。しかし、こちら側から提供するだけではなく、一般の皆様側からご自身の『おいしい思い出が詰まったお料理』をご紹介いただく参加型の企画もあれば、より楽しみが広がるのではと考えたのです」(香川さん)

料理の背景にある“人の想い”を届けたい

言うまでもなく、選手村には世界各国のトップアスリートたちが集う。大舞台に臨む選手たちが、最後のコンディション調整をする場所。そして試合を終えた後、心身を癒やす安息所にもなる。

選手村内で、基本的に選手たちは各々の宿泊棟で生活をするが、ダイニングは唯一、各国の選手たちが自由に出入りし、交流を図ることができるエリアだ。選手たちは、他国や他競技の選手たちとのコミュニケーションも、オリンピックの大きな楽しみの一つとしてとらえているという。

「特にカジュアルダイニングは、よりリラックスして選手同士が親交を深められる場として運営していきたいと思っています。そもそも食は、コミュニケーションツールとして大きなパワーを持っていると私たちは考えていますが、各国の選手たちの日本食への期待値ってものすごく大きいんですよ(笑)。おいしい食事がたくさん出てくるんだろうな、と楽しみにしてくださっています」(香川さん)

海外のトップアスリートの中には、これまでにも競技大会への参加などで来日し、日本の食事やサービスの質の高さに触れた経験がある人が少なくないという。だからこそ、世界最大のスポーツイベントの開催時ともなれば、並々ならぬおもてなしが待っているはずだと期待を寄せられているわけだ。

では、今回の『あなたのメニュー募集キャンペーン』も、そのおもてなしの一つということになるのだろうか? 香川さんは笑顔を見せる。

「そうですね。選手にとって最高のオリンピック・パラリンピックの思い出を作ってもらうためにも、日本の多くの人の気持ちが入ったものをお届けしたいと思っています。高級食材を使った料理や、高度な調理テクニックが必要とされる手の込んだ料理だけが“おいしい食事”ではないですよね?

今回のキャンペーンも、決して難易度の高さなどの軸で受賞作品の選定をしようとはしていません。最も重視しているのは、その料理の背景にあるストーリーなんです。家族や大切な人のために想いを込めて、ひと工夫をこらした、日本ならではの温かみのある手料理を選手たちへ提供したいという思いで運営しています」

観戦するだけじゃない「東京2020の楽しみ方」

とはいえ、自分が作った料理の中で特に印象深い一品を選ぶのは、実はなかなか難しい。想いは込めた側よりも、受け取った側の方が、より鮮明に記憶しているものだ。

例えば、子どもの頃食べた母の料理の中で忘れられない一品があるという人は少なくない。が、当の母親の方はあまり覚えていないという話はよくある。香川さんは、「逆に聞いてみてほしいんですよ」と話す。

「確かに私自身も、自分が作ったものより、母が作ってくれた料理の思い出の方が実はたくさんあります(笑)。ですから、ぜひご家族や周りの方に、ご自身が作ってあげたお料理の中でとても嬉しかったもの、好きだったもの、よく覚えているものは何だったか聞いてみてください。そして、なぜそのお料理なのか、理由も一緒に。

ご自身はもう覚えていなかったり、意外な答えが返ってくるかもしれませんが、それもまたきっと楽しいですよね。このキャンペーンをきっかけに、たくさんのご家庭で素敵な思い出をシェアする会話やコミュニケーションが生まれてくれたら、こんなに嬉しいことはありません」

競技を観戦する以外にも、こうした広がりもまた東京2020の楽しみ方なのだと香川さんは語る。誰かの大切な思い出になっている“あなたのメニュー”を紐解いて、トップアスリートたちへ「世界最高のおいしい思い出」を届けてみてはいかがだろうか。

(TEXT:福井千尋)

選手村カジュアルダイニング
選手村の中にあり、日本の食文化の発信の場として、被災地や東京都産の食材、各地の特産物など、さまざまな食材を活用したメニューを提供することで、アスリートにリラックスして日本の食文化を堪能・楽しんでもらうことを目的としたダイニング。

東京2020 みんなのフードプロジェクト
日本の「食」を選手村アスリートへととどけよう!
あなたのメニュー募集キャンペーン

東京2020 みんなのフードプロジェクト』は、世界のアスリートに知ってほしい、堪能・楽しんでほしい、日本の食文化や食卓の味などを広く一般の方々から募集する参加型のプロジェクトです。メニューそのものだけではなく、メニューにまつわるエピソードや調理のポイントなども含めて募集し、総合的に選定されます。採用されたメニューは選手村カジュアルダイニングにおいて実際に世界各国のアスリートにふるまわれるほか、考案者にはアスリートを交えた試食会への参加など、すてきな特典が検討されています。

東京2020大会に「食」の観点から参加する機会として、また、世界に日本の「食」の魅力を発信する機会として、アスリートに食べてほしいおいしい我が家の味などを応募してみてはいかがでしょうか?

ご応募にあたっては以下の特設サイトをご覧ください。(応募期間:2019年8月8日から9月6日まで)

執筆者情報

クックパッドニュース編集部

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