オーブンがないお家でも！「とろけるショコラムースケーキ」でおひとりクリスマス【“クックパッド芸人”藤井21のソロ飯】

ケーキは好きだけどケーキ屋さんが苦手だ。
クリスマスにケーキ屋さんでアラサー男が一人で自分の為にホールケーキを選ぶ姿なんて、きっと変に思われるに決まっている…と思っている。焼肉もラーメンも一人で行けるけどケーキ屋さんはハードルが高い。

でも、クリスマスの街の雰囲気は好きだ。
12月になると途端に街は緑と赤のイルミネーションで彩られ、百貨店の前には煌びやかなクリスマスツリーが飾られる。街角にはクリスマスソングが流れ、カップル達のウキウキした足取りで多幸感に包まれた街の空気。
そんなクリスマスの街の雰囲気が好きだ。

きっと前を歩くカップルも「今年のクリスマスは一緒に過ごそうね」なんて約束していて、当日はいつもは行かないようなちょっとおしゃれなホテルでディナーをふたりで食べて「サンタさんからのプレゼントだよ」なんて少し照れながら彼氏が渡したプレゼントを彼女は満面の笑みで受け取るんだろうな…。
そんなことを考えながらクリスマスソングの流れる夕暮れの街をひとり闊歩する。

もちろんクリスマスを一緒に過ごす大切な人なんていないし、友達同士で盛大にパーティーなんてちょっと気後れして無理だ。
だから毎年24日も25日もしっかりと仕事して一人暮らしの家へと帰宅する。

サンタも繁忙期だからプレゼントは大丈夫なんて思いながら、それでもたったひとつだけどうしてもクリスマスには譲れないもの、

それが…「ホールケーキ」。

肥大した自意識でケーキすらまともに買えない独身アラサー男は、ケーキを作ることでクリスマス欲を満たす生き物だ。

ただ問題があるとすればケーキ作りが苦手な事と、そもそもうちにはオーブンがない事。

ケーキ作りが苦手でも自宅にオーブンがなくても、クリスマスの予定は仕事だけでも、ケーキ屋さんでケーキが買えない独り身男でも、作れるケーキそれは「ムースケーキ」。

生地をオーブンで焼成する必要もないし、材料を混ぜて冷やすだけだから簡単だし、調理時間も短い。もちろんケーキ作りの最難関「ナッペ」の必要もない。
100円で買えるクリスマスツリーと紙ナプキンがあれば、それだけでちょびっとだけ華やかに可愛くなってクリスマス気分が高まる。

暖房の効いた暖かい部屋で、ホールケーキに直でフォークをザクリ…。
一口食べるとまるで新雪のように淡く溶けて口の中で無くなっていく甘くほろ苦いショコラムースと、ザクザクとしたクッキーのボトム生地が食感のコントラストを生み、一瞬にして多幸感に包まれる。

ショコラムースのホールケーキが一人で過ごすクリスマスの夜を華やかに彩ってくれる。
こんな贅沢なホールケーキを聖夜に独り占めできるんだ。
簡単に出来るのに、我ながらいい出来だなと悦にひたれるのもムースケーキのいいところ。

きっと一人で贅沢にホールケーキをつつきながら今年も思うに違いない…

『あぁ来年はホールケーキを仲良くつつく様な人が欲しい！！』

料理と笑いで天下を目指す男性ピン芸人。
埼玉県東松山市出身。東松山のやきとりを愛し、東松山市親善大使「東松山市應援團」の一員。食品衛生責任者の資格を持ち、クックパッドには1000以上のレシピをアップしている。日本テレビ系列『ウチのガヤがすみません！』などに出演。

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