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とっても簡単なのに本格味!絶品「濃厚チョコレートテリーヌ」の作り方【材料4つで本当においしいお菓子 Vol.11】

福田淳子

お菓子・料理研究家。シンプルなレシピが好評。

「お菓子はレシピ通り作れば、必ずおいしく作れます」と話すのは、お菓子研究家・福田淳子さん。丁寧なレシピとその再現性の高さで人気の福田さんに、この連載では材料4つで作れる“本当においしいお菓子”を紹介していただきます。第11回は、バレンタインのプレゼントにぴったりの「濃厚チョコレートテリーヌ」です。

バレンタインにぴったり!チョコレートテリーヌ

みなさん、いかがお過ごしですか。さて2月といえばバレンタインです。最近では、手作りお菓子よりも、ハイブランドチョコレートをデパートや専門店で購入する人が多いと聞きますが、みなさんはどうされますか?

チョコレートはデリケートな食材で、チョコレートのお菓子を丁寧にきちんと作ろうとすると、実はとっても大変なんです。
でも、今回ご紹介する「チョコレートテリーヌ」は本当に簡単。なのに、味は本格派。大切な人に、そして自分へのご褒美にもぴったりな濃厚で、満足度の高いスイーツです。

材料はいつものように4つ。チョコレート、バター、砂糖、卵。ここで大事なのがチョコレート選びです。

お菓子を作る時のチョコレート選びのコツ

材料の1番大きな割合を占めるので、どんなチョコレートを選ぶかで味や風味が変わってきます。予算に余裕があれば「クーベルチュール」や「製菓用」と書かれているものを選びましょう。

クーベルチュールチョコレートと一般的な板チョコレートとの最大の違いは、そのカカオバターとカカオ分の含有率の高さです。クーベルチュールチョコレートには「カカオバターが31%以上、カカオマスが2.5%以上で、かつその合計である総カカオ分が35%以上含まれなければならない」という国際規格があります。
板チョコレートより油脂(カカオバター)の含有率が高いので、口どけがよく、カカオ分が高いのでカカオ本来の味わいが楽しめます。各メーカーによって特色もありますので、チョコレート好きな人はぜひこだわってみてくださいね。ただ板チョコレートより、扱いにくい、高価、入手しにくい、というネックがあります。

なので、今日ぜひおすすめしたいのは「ブラックまたはビターの板チョコレート」を使うこと。そのまま食べる場合には、ミルクのほうがマイルドでほどよく甘くおいしく感じたりするのですが、このお菓子を作る際には、ぜひ「ブラック」また「ビター」と書いてあるものを選んでみてください。 日本の大手メーカーからはどこもこのブラックまたはビターの板チョコレートが出ています。こちらはどれも、ミルクチョコレートよりも甘さひかえめで、ビターさもきちんとあります。焼き菓子にしたときにこのほろ苦さがちょうどいいんです。

また今回はバターの量も多めなので、バターはぜひ「食塩不使用バター」を使用してみてください。少量の時はさほど気になりませんが、このくらいの量になるとしっかりと塩味として感じられます。

ポイントは「卵の取り扱い」

まずはバターとチョコレートを湯煎で溶かします。そのままだと時間がかかるので、チョコレートは小さめに割って、バターもほどよい大きさに切ってから入れます。チョコレートはデリケートなので、湯煎の湯の温度はぎりぎり触れる(50度)くらいがいいでしょう。

溶けたら砂糖、卵を加えて混ぜます。砂糖は基本は大さじ2。甘さひかえめが良い方は大さじ1、ほどよい甘さがいい人大さじ3入れてください。卵は1個ずつ混ぜ入れてしっかり乳化させましょう。しっかりまぜると生地がツヤっとしてきます。

冷蔵庫から出したばかりの卵を使うと分離しやすく、温度が下がって火が通りにくいです。常温にしばらくおいてから使うか、使う前に50度くらいの湯に5分ほどいれておいてから使います。

あとは型に流し入れてオーブンで焼きます。高温でさっと焼くのがポイント。焼く前にしっかりと予熱しておくのも忘れずに。

20分前後焼いて、取り出します。この時に真中は固まっていなくてOK(でも、中心部は生地が温かくなっている必要はあります)。型のまま1時間ほど冷まします。この柔らかい状態で食べてもいいですし、冷蔵庫で冷やしてねっとりとした食感のものをいただくのもおいしいです。

粉類が一切入っていないので、口に入れるとふわっと溶けていきます。切る時はナイフを温めると断面がきれいに切れます。冷蔵庫に入れて5日間ほど保存できます。濃いめのケーキなので薄く切って、少しずついただくのがおすすめです。

いつもはお茶派のわたしも、このケーキはコーヒーと一緒にいただきます。お酒好きな人は赤ワインと一緒に召し上がっても。ちょっとこっくりとした大人味のチョコレートお菓子、みなさんもぜひ作ってみてくださいね。

【基本のレシピ】

材料(縦18×横8.6×高さ6.3cmのパウンド型1台分)

板チョコレート(ブラックまたはビター)…3枚分(150g)
食塩不使用バター…120g
砂糖…大さじ1〜3
卵(M)…3個

下準備:型にオーブンシートを敷く。卵は室温に戻す。チョコレートは小さめに割る。バターは適当な大きさに切る。オーブンは190度に予熱しておく。

1.ボウルにチョコレートとバターを入れて湯煎にかけて溶かす。

2.が溶けたら砂糖を入れて混ぜて、卵を1個ずつ加えてその都度なめらかになるまで混ぜる。

3.型に流し入れて190度のオーブンで20分ほど焼き、型から出して冷ます。お好みで冷蔵庫でしっかりと冷やしてからいただく。

+αのアレンジレシピ

ラムレーズンチョコレートテリーヌ

基本の作り方での卵を混ぜた後に、市販のラムレーズン50〜100gを加えます。今回は70gで作りました。ラムレーズン好き! という方は100gくらいまで増やしても。逆に少し入っていればいいわ、という方は50gにしてください。

あとの作り方は基本と同じです。ラム酒が効いて基本よりもさらに大人味。焼いて1日以上置いてから食べるのがおすすめです。

今回はパウンド型ではなく、紙の焼型に入れて焼いてみました。焼き時間は190度で小さいものが7〜8分、パウンド型が15分くらいでした(型の大きさ、材質によって時間を調整してください)。バレンタインのプレゼントにもぴったりです。

これがあると便利!お役立ちグッズ

今の季節は100均の製菓用品売り場(特にラッピングとトッピング)が充実しています。
オーブンで焼けるカップもたくさん揃っているので、ぜひのぞいてみてください。

福田淳子(ふくだ・じゅんこ)

お菓子・料理研究家。カフェでメニュー開発や店舗の立ち上げを経験後、雑誌や書籍を中心に活躍中。身近な材料と、シンプルな手順で美味しく仕上がるレシピに定評がある。これまでに手がけたお菓子の本は30冊以上。
【Instagram】@junjunfukuda

執筆者情報

福田淳子

お菓子・料理研究家。カフェでメニュー開発や店舗の立ち上げを経験後、雑誌や書籍を中心に活躍中。身近な材料と、シンプルな手順でおいしく仕上がるレシピに定評がある。これまでに手がけたお菓子の本は40冊以上。

【Instagram】@junjunfukuda
【note】@sakuracoeur

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