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コラム

野菜を切ることで自分を整える。私が、行き詰まったら“キッチン整理”するわけ

【からだに沁みるごはんのヒントvol.2】心身のバランスを整えるのに食事は重要とわかっていても、どうすれば…?という人は多いですよね。そこで、食卓料理家の森本桃世さんに、からだが喜ぶごはん作りのヒント教わります。自分で自分自身を癒せるようになりましょう!

からだのサインを見逃さないために

私はからだと食を整える旅の途中ではありますが、そのために必要な知識や資格などは何も持っていません。学んだこともありますが、知識を入れれば入れるほど、からだの中は宇宙に思えて、知れば知るほど自分のからだの中が分からなくなっていく気がしたのです。

そのときは「これだ」と思っても、ここも当てはまるな、これも当てはまるな、と思ううちに、知識の中で私は寝たきり状態に等しくなっています。でもまあ、整体で、東洋医学的に“死から2番目の状態”といわれることもあったので、決して間違ってはいないのだとは思うのですが……。

頭ではわかっていても、からだが出しているサインにちゃんと向き合わないと、いいことをしていてもずっと“ゾンビ”のままですし、大切なのは疲れていることをちゃんと感じて休むとか、ストレスが溜ってることをきちんと認識するとか、まず自分のサインを見逃さないことが大切に思えます。

なので、知識は必要なときに“自分を知るツール”や“視点を変えるツール”として使っています。例えば、昔からの知恵や、古くから伝わっているものには理由があり、からだの仕組みは大きくは変わらないので、利にかなってることもたくさんあります。大切なのは知識に頼り過ぎず、自分自身から目をそらさないことだと思っています。

行き詰まったらキッチンを整理する

私は仕事でもプライベートでも、行き詰まった時はキッチンの整理整頓をすることにしています。

あまりマメな方ではないので、「明日食べよう」とか「後で使おう」と思ってそのまま冷蔵庫に入れっぱなしするなど、気づいたら中がパンパンになっていることも。冷蔵庫がぐちゃぐちゃな時は私の思考も停止してることが多く、キッチンや冷蔵庫のあり方が何となくその人を示している気もするのです。

実際、産前産後の食事ケアをしていたときに40人以上のお家のキッチンを借りて作っていましたが、キッチンは本当に様々な景色があり、どれも愛おしい光景で、キッチンを借りるだけでそのおかあさんと対話しているかのようでした。

なにがよくて、なにが悪いではなく、ありのままのキッチンや冷蔵庫を見つめることに意味があるのです。

ちょっと行き詰まったときはぜひキッチンを見てみてください。そして、冷蔵庫や収納庫に半年以上使ってないものがあれば、思い切って捨ててみてください。捨てる前にそれらを並べてみると、意外な共通点が見つかることもあります。

前に蓋の空いたお酢がたくさんあるお宅に伺ったことがあり、気になって東洋医学の先生に聞いたら、「肝臓が弱ってるのかもね」といわれました。その方とお話すると、確かに飲み過ぎることもあり、そんな時は酸っぱいものを欲するようでした。

貧血気味の方のお家には封を開けたひじきがたくさんありました。お話を聞くと、貧血は意識して心がけており、家にあるのに忘れてまたひじきを買ってしまうのだとか。本能的に危機感を感じたとき、無意識に買っているのかもしれないなと思いました。

私は夕飯の残り物がちょっとずつ残ったとき、「明日、朝か昼に食べよう」と思うのですが、次の日は昼になってもお腹が空かず、夜は一食目だから新しいものが食べたくなり、結局捨ててしまいます。

そういうときはだいたいストレスが溜っており、胃腸が弱っていて食欲がわかないのに、頭はやる気満々なのでたくさん作ってしまう。でも食べられない。という負のループを繰り返してしまいます。

そんな風に整理整頓をしながら、自分の心とからだを見つめて答え合わせをしています。

キッチン整理整頓のコツ

・いつか使うととっておいたもので、賞味期限が切れているものや、半年間出番のないもは捨てる
・捨てたものの共通項を探してみる
・出汁などの乾物はひとつづつ密閉容器にいれる。鰹や煮干しは酸化しやすいので冷凍庫で保管する
・同じ種類のものはまとめて見やすくする
・カビが生えてるものは捨て、汚れているところは掃除する
・作ったものは作った日付と内容をラベリングする。賞味期限のあるものも書いておく
・冷蔵庫内をカテゴリーで分ける

など、基本的なことだけれど、改めて意識してすると、整理しながらなんとなく自分の“今”が見えてくると思います。

片付いてすっきりすると、気持ちも整理されます。「今、食欲ないな」とか、「疲れてるな」とかわかったら、そっと座って目を閉じ、深呼吸をしてみてください。からだの中を見つめるように、自分を感じるだけでいいのです。

野菜を切ることで自分を整える

少し整ったら“野菜を切る”というのも、呼吸やリズムを整えたりと、自分の軸を確かめる作業に向いているので、ぜひやってみてください。

普段なにげなくしている作業ですが、意識してやってみると、瞑想のような感覚も味わえると私は思っています。仕込みの多いときなどは、ひたすら野菜を切ることでなんだか自分が整っていくような気がしています。

包丁は慣れているものを使いますが、できればよく切れる方が良いです。その方が余計な力がかからず、野菜が“痛みを感じる”前に切れると思うからです。そうすると、変なエグミもでない気がします。

ハーブを「ちぎる」と言うのではなく「摘む」と言うだけで、痛くない感じがする

からだと並行になるようにまな板を置きます。ぬらして良く絞った布巾を下に敷くと、滑らず切りやすいです。

皮を剥くものはなるべく薄く剥き、ヘタのあるものはなるべく小さくとると良いと思います。野菜の頭やお尻にもエネルギーがたくさん詰まっているので、なるべく全部いただきたいです。

切るポイントとしては、繊維を断つか、繊維にそって切るかというのがあります。私の尊敬する料理家には、野菜の“エネルギーライン”と呼ぶ方もいます。野菜が水分を吸い上げたり、全体に巡らせたりする部分なので、繊維を裁てば、エネルギーや栄養や成分が出てくるし、繊維にそえばある程度中に閉じ込められます。

玉ねぎを生で食べる時は繊維断ちすることが多いのは、玉ねぎの辛味成分などを出やすくして、水にさらすことで感じにくくなるからだと思いますが、栄養成分も出てしまうので良くないという方もいますね。 そのへんは、私は感覚で決めます。新玉ねぎのように、玉ねぎの中の水分が多いときは、辛味も薄まっている気がするので、繊維にそって薄切りにして軽く水にさらして食べます。

野菜の状態も農家さんや季節によってさまざまなので、野菜と自分のコンディションを見ながらちょうどいいところで決めます。

野菜を切る時はなるべく同じリズムで切ることをおすすめします。

切る前にどう切るかを決め、呼吸を整えるように切っていくと、気持ち良く切れます。乱れていくようなら一度深呼吸して落ち着きます。そのとき、まな板全体を視野に入れて切ると、切ったものもこぼれずスムーズに切れますよ。

力を入れるのではなく、抜いた方が包丁の重さでまっすぐ切れます。これはロールケーキやショートケーキなどを作ってすぐ切る時にこころがけていたのですが、柔らかいものは特に、力を入れると崩れたり曲がったりしてしまいます。力加減も工夫して、気持ちよく切れるちょうどいいところを見つけてみてください。

大きいものやかたいものでも、テコの原理を利用すると切りやすくなります。姿勢や、どこに重心を置くかによっても変わってきます。うまく切れるところを探ることが、自分のからだを知り、自分とのつきあい方を見つけるヒントにもつながります。

あとは、同じサイズ感できれいに切ると、料理が格段においしくなります。火の通りや、ラペなど生のものは食感が均一になり、ドレッシングなどの絡みもよくなるので、見た目の美しさはそのままおいしさや喜びに直結していきます。

おいしいものを食べると、自然と整っていくから不思議です。

森本桃世

“身体は食べ物でできている”をコンセプトに野菜の素材や発酵食品を活かし、手を加えず手間をかけ、からだの喜ぶ料理を作る食卓料理家。循環タイヒにまつわる食材を扱うオーガニックレストラン「Taihiban」の運営シェフ、木更津市サステナブルファーム&パーク「KURKKUFIELDS」を経て、現在はフリーランスとして活動。

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