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なるほど納得!透明な「ピカピカ氷」がどうして作れるのか、大学の先生に聞いてみた

ピカピカ氷の作り方がちょっと話題に

全国的に梅雨入りして、ジメジメする季節がやってきました。梅雨が終われば、キーンと冷たい飲み物がおいしく感じる夏の到来です。

ジメジメして暑い季節に活躍してくれる、頼もしい相棒が「氷」。そんな氷をピカピカに作れます、という記事を先日配信しました。

この記事をクックパッドニュース公式Twitterでツイートしたところ、質問をいただきました。

これは、ぜひピカピカ氷ができる理由を読者の皆さまにお届けしたい!という想いから、調べることにしました。そしてこの度、「なぜピカピカ氷が作れるのか?」の理由が分かりましたので、お届けします。

大学の先生が詳しく解説

今回、ピカピカ氷ができる理由を解説をしてくださるのは、福岡県にある中村学園大学フード・マネジメント学科の山本健太先生です。

はじめに、どうして製氷皿で作る氷は白く濁ってしまうのか理由を教えてもらいました。

製氷皿の氷が白くなる理由

ーー どうして製氷皿で氷を作ると、白く濁ってしまうのでしょうか?

製氷皿で作った氷の白い部分は、水の中に含まれる不純物が、氷の中に閉じ込められてできます。水の中には、空気・カルシウムやマグネシウムなどミネラル分・塩素(水道水の場合)が含まれており、これが不純物に該当します。

そして、水は0℃で凍り始めますが、まず、製氷皿の外側から純粋な水が凍ります。中心に向かって凍っていきますが、空気などは逃げ場を失って、中心に集まった状態で周りの水が凍ってしまい、白く見える原因となります。透明な氷を作るには、水をゆっくりと冷却し、不純物を閉じ込めずに排出することが重要です。

市販の純氷の作り方

ーー 不純物が原因だったんですね!牛乳パックで作るピカピカ氷は製氷皿で作る氷と過程が異なるのでしょうか?

そうですね。ピカピカ氷ができる理由を知るには、市販の純氷ができる過程をまずは知ったほうが良いと思います。市販の純氷は、作る過程で色々と手をかけています。大まかな作り方を説明します。

1.  フィルターなどでろ過して、不純物を減らした水を容器に入れます。
2.  容器を-10℃の液体に浸けて、上面以外の面から凍らせていきます。
3.  水は-10℃で冷やされ、外側から中心に向かって凍っていきます。ここで純粋な水だけが凍った透明な氷ができてきます。
4.  不純物が氷に入らないように、チューブで水中に空気を吹き込み撹拌します。そして、不純物を含む水を中心に集めます。
5.  最後に、中心部に集まった不純物入りの水を排出します。

1〜5を繰り返すと、中心まで透明な氷ができあがります。できあがった氷は室温に戻し、15℃程度の水につけて、容器からから取り出します。水に浸ける理由は、急激な温度変化で割れないようにするためです。そして、カットして純氷が生産されています。

ピカピカ氷が家で作れる理由

ーー 市販品は不純物を取り除きながら作られているんですね。今回、牛乳パックで作ったピカピカ氷はこの作り方が用いられているのでしょうか?

その通りです。私が見た限りでは、ピカピカ氷の作り方では3つポイントがあると思いました。

ポイント1. 浄水器の水を使う

これにより、不純物を減らした水を使うことができます。

ポイント2. 牛乳パックを使う

牛乳パックを使うことで大きい氷ができるので、中心まで完全に凍るのに要する時間を延ばせます。

ポイント3. 完全に凍る前に冷凍庫から取り出し水を排出する

こうすることで、不純物が中心に集まって凍ってしまうことを防ぎます。また、不純物が集まった水を排出することで純粋な水のみでできた透明な氷が得られます。

このように、牛乳パックで作った氷は純氷の作り方に似ているため、市販品のような透明な氷ができるんです。

ーーとても納得できました!最後に、ピカピカ氷を作るときに注意したほうがいいことはありますか?

以下の4つのポイントに気をつけてもらえれば、ピカピカの氷を家で作ることができますよ。

・牛乳パックはきれいに洗ってから使用する。
・ミネラルウォーター(軟水)、一度沸騰させた水など、不純物の少ない水を使用する。
・急速冷凍ではない普通の冷凍室で凍らせる。
・中心まで完全に凍る前に取り出し、水を排出する。

ゆっくり凍ると、水に溶けていた不純物は氷に取り込まれずに、水の方に押し出され、透明な氷ができます。はじめにも言った通り、不純物の少ない水を使い、ゆっくり凍らせることを意識すると良いですね。

ピカピカ氷ができる原理を知って

今回、ピカピカ氷はどうしてつくれるのか?という疑問から氷の世界を知ることができました。製氷皿の氷ができる過程と市販の純氷の作り方を知ることで、牛乳パックで作るピカピカ氷がどうしてできるのか、より深く分かったと思います。

コロナ禍で家飲みをする機会が増えました。そんな時に、いつもの製氷皿の氷ではなくピカピカ氷を使うと、お酒や料理がもっとおいしく感じるかもしれません。牛乳パックと綺麗な水があれば作れるので、ぜひこの夏はピカピカ氷作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

※ 記事のメイン写真は記事をイメージして選定させていただきました

画像提供:Adobe Stock

取材協力:山本健太先生(中村学園大学フード・マネジメント学科 講師)

専門は食品化学、食品加工学。主にカンキツなど果実のフラボノイド、香気成分について研究。2008年中村学園大学栄養科学部栄養科学科を卒業後、2013年同大学大学院栄養科学研究科博士後期課程修了、博士(栄養科学)。同年同大学栄養科学部助手、助教を経て、2020年より講師(現職に至る)。2014年に日本果汁協会技術賞受賞。

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