【ママ&パパのはじめて離乳食vol.8】離乳食っていつから始めればいいの?作り方がわからない。食べてくれない…そんなお悩みを解決すべく、自身でも離乳食ブランドを手がける平澤朋子さんにあれこれ聞いてみました。第8回目は「遊び食べ・歩き食べ」について。どこまで許してOK? 放っておいた方がいいの? 好奇心旺盛なこの時期だからこそ迷ってしまいますよね。そこで、自身の子育て経験と食育アドバイザーとしてどう向き合ってきたのかをお話したいと思います。悩めるママ・パパたちのヒントになったら嬉しいです。
私の場合、娘が5〜6ヶ月頃に離乳食をスタートして、はじめはお口に運んであげるので何も汚れることなく、「ゴックンできてえらいね〜!」とやさしく声をかけてあげられるくらい余裕がありました。よく離乳食って大変って聞くけれど、食べている姿もかわいいし、全然そんなことないじゃ〜ん、と思っていました。
ところが、9ヶ月頃になると、自分で食べたい意欲が芽生え、手掴み食べが始まり、それから間もなくして、「遊び食べ」が始まりました。
食べ物を掴んでは潰してみたり、口に運んでいるつもりが顔にべっとりついていたり…。投げたりすることはあまり無かったのですが、せっかく作ったのに食べてくれなくて、テーブルや床は汚れ放題。お洋服も汚れ、一気に離乳食の大変さを知ることとなりました。
そこでまず取り入れたのが、汚れてもすぐに洗えるシリコンアイテム。ランチョンマットとスタイを変えただけで、テーブルとお洋服の汚れが気にならなくなリ、それだけでも随分気持ちが楽になりました。
むしろこの時期は好奇心が旺盛で色々知る時なんだから、学ぶためにもどうぞ掴んで潰してぐちゃぐちゃにして! と気持ちを入れ替え、同じメニューだけど、“食べる用”と“触ってぐちゃぐちゃにする用”の2皿を用意して、食卓に並べることにしました。それが良かったようで、娘は食べながら“触ってぐちゃぐちゃにする用”のお皿の中身をいじり、お互いにストレスを感じることがほぼなくなりました。
遊び食べは、赤ちゃんはみんな通る道。五感をフル活用して、色々知るチャンスと捉えることが大事かなと思います。
歩き食べについては、これまた子どもが小さい時は好奇心旺盛で、集中力もまだまだ続かないので、ある程度は仕方ないと受け入れていました。しかし、絶対にさせないと決めていたのが、歩きながらものを食べるということ。食べ物が口に入っている時は、食卓でなくても必ず座らせるようにしていました。
足がついて踏ん張れる椅子を選び、できるだけ集中力を持続させるようにしていました。足がつくので立ち上がってしまうのですが、座らないと食べられない習慣をつけるようにしていたので、そのうち立ち上がらなくなりました。
あとは、赤ちゃんもお腹が空いていれば食べることに集中できるので、1日の時間割を決め、お食事前には母乳やミルクはあげないようにしていました。
「遊び食べ・歩き食べ」が酷いと感じる時は、下記の原因をチェックしてみてください。
1)お腹が空いていない
2)お腹がいっぱいになった
3)おもちゃが目につくところにある
4)テレビやパソコンなどがついている
さらに、2歳くらいになってからは、
5)苦手なものが多い
これも「遊び食べ・歩き食べ」の原因になりがち。苦手でも出し続けることで好きに変わって、好き嫌いなく何でも食べられるようになると聞きますが、あまりにも量が多いとそれだけで食べる意欲を削いでしまうもの。好きなものと一緒に苦手なものを少しずつという配分がベストだと思います。
そもそも子どもが食事に集中できるのは約10分、最長でも約20分まで。その子によって食べる量は異なるので、その間に食べ切れる量を出すことも大切です。また、食材の大きさや柔らかさが我が子に合っているのかを見極めるのことも遊び食べや歩き食べを防ぐポイントです。
私の娘は7歳になった今でも、お腹が空いていなかったり、量が多すぎたり、苦手なものが多いと集中できずに席を離れてしまうことがあります。それでも、食べる時は必ず椅子に座る習慣は変わらず、だらだら食べずに時間を決めて「集中しておいしくいただこう」と伝え続けています。
夕飯は大人も一緒に食べ、「これがおいしい」「こうやって食べるともっとおいしいかも!」「秋ならではでいいよね〜」なんて言いながら、食の楽しみを娘と一緒に共有しています。
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食育アドバイザー。ライター歴23年、ビューティー&ファッションを中心に女性誌やWebマガジン等に執筆。2014年に女児を出産し、自身の経験から「本当に自分の子どもに食べさせたいかどうか」を基準としたこだわりの無添加離乳食「bebemeshi」を企画・開発する会社を2016年に設立。食育アドバイザーの資格を取得し、子どもの「食」の大切さを広める活動も行なっている。旅と食とお酒を愛する一児の母。
『bebemeshi』の公式サイト
Instagram『bebemeshi』