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コラム

「大根ステーキがおいしい!」ウクライナ避難民が日本人に伝えたい、"困っていること&感謝していること"

ニュースの報道で、ウクライナから日本にも避難されてきた方々がいることは皆様ご存知かと思います。ウクライナからの避難民入国者数は2022年8月6日時点で1672名。成人男性はウクライナ国外に出ることが基本的に禁止されているため、避難してきているのは女性や子ども達です。

大変な状況の中、日本に避難されてきたウクライナの方がどんなことを考え、感じているのか。2022年4月に横浜市に避難されてきたテチアナさんにお話を伺いました。

2022年4月に横浜市に避難されてきたテチアナさん

日本語が分からないと仕事に就けない

ーーなぜ日本に避難することにしたのですか?

私はバレリーナで、18歳の頃にバレエの公演で来日した時に日本のことが好きになりました。そして、帰国後はウクライナの大学で日本語を学んでいました。今回日本に避難することになったのは、語学関係のSNSで知り合った日本の方が親切にもお声がけをしてくださり、身元保証をしてくださったおかげで入国することができました。

ーー日本に来て困っていることはありますか?

ウクライナから日本に避難してきた人にとって、まず困ることは言葉の問題です。私は幸い日本語を学んでいたので大丈夫ですが、多くのウクライナ人は日本語ができません。

日本での様々な手続きはもちろん、生活面においても電気の支払いやゴミの分別、病院のかかり方まで、言葉がわからない為にどうしていいかわからないことはたくさんあります。また言葉ができないことで仕事をすることも難しいという現状もあります。

「梅がゆ」にハマってます

ーー食事や料理の面で困っていることはありますか?

ライ麦パンがあまり手に入らないこと。日本ではなかなか売っていないので恋しくなります。また、フルーツがウクライナより全体的に値段が高いこと。バナナは比較的手頃なので購入しますが、それ以外のものは母国ほど気軽に買えません。

私は日本の食事はおいしいと思うものが多いのですが、一緒に避難してきた16歳の娘は口に合わないものが多くあるようです。茶碗蒸しや、お好み焼きなどが苦手なようで、味覚の違いは慣れが必要かなと思います。

日本に来て、おいしくて私がよく食べるものは梅がゆ、チーズはんぺんなどです。また、魚肉ハンバーグのような魚の肉をこねる料理も大好きです! 最近はクックパッドを見て、大根ステーキを作りました。とても簡単でおいしかったですよ。これからも料理は覚えていきたいです。

テチアナさんが初めて作った大根のステーキ

ーー日本の方に伝えたいことはありますか?

とにかく感謝の言葉しかありません。 5ヶ月以上前に戦争が起き、私たちが住んでいるところにもサイレンが鳴り響き、ミサイルが飛んできて、とても大きなショックを受けました。そして夫をウクライナに残し、私と娘は国外に避難しています。離れ離れになったのはとても悲しいことですが、私たちが避難できたのは優しくて心の広い方々に助けていただいたからです。とても感謝しています。

娘がとても落ち込んでいるのですが、私は落ち込んでいても何も変わらないので、頑張って笑って過ごしたいと思っています。「幸せだから感謝をするのではなく、感謝するから幸せなのだ」という言葉が好きなので、そのように過ごしていきたいと思っています。

みなさんに伝えたいもう1つのことは、大切な人と過ごす時間を大事にして欲しいということです。人生は一度きりで時間が経つのが早いです。明日がどうなるかもわかりません。後悔しないように、家族や大切な人と過ごしたり、相手に大好きやありがとうといった言葉をぜひ届けてください。

本当にありがとう。

テチアナさんの故郷 ドニプロ(Dnipro)

この夏、ウクライナの方から学びませんか?

現在クックパッドではウクライナ避難民の方の支援を目的に、レシピ本の発売や料理教室などの企画を実施しています。料理を通じてウクライナの方々と繋がり、気持ちを届けてみてはいかがでしょうか?

ウクライナ料理教室(小学生対象)

ウクライナの方と文通企画(中高生対象)

小学生対象の料理教室は横浜市に避難してきたウクライナ人のサポートをしている公益財団法人横浜市国際交流協会(YOKE)の協力の元実施しています。

公益財団法人横浜市国際交流協会(YOKE)ではウクライナ避難民への支援活動に当たって寄付を募集しております。寄付への協力方法は下記口座への振込となっております。

横浜銀行横浜市庁支店 (普)6063491 公益財団法人横浜市国際交流協会
※当ご寄付につきましては寄附金控除の対象にはなりませんのでご注意ください。

わたしたちは料理でつながろう

クックパッドはウクライナにおける紛争の影響を受けた方々を支援することを目的に、調理環境が十分でない中でも作ることのできる料理のレシピ募集プロジェクト「#powerofcooking」を2022年3月に行いました(関連記事)。募集期間に寄せられたレシピの一部はウクライナ語に翻訳し、ウクライナ版クックパッドを利用するユーザーに提供しています。

電子書籍『ウクライナのレシピ帳』は、クックパッドのウクライナ支援プロジェクト第2弾です。クックパッドに投稿されているレシピの中から、本施策にご賛同いただいた方のウクライナ料理のレシピをセレクトし、1冊にまとめました。諸経費を除いた売上金は、ウクライナから横浜に避難されて来た方々を支援する公益財団法人横浜市国際交流協会への寄付および、料理を通じた支援活動に使用されます。

ウクライナのレシピ帳』(クックパッド株式会社)

2022年6月30日(木)より電子書籍各ストアにて配信中です。

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