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血圧・血糖値が気になる方は必見!我慢しない食事法「乳和食」とは?

食事療法というと「我慢」「おいしくない」「食べたらいけない」というイメージがあり、食事療法が必要な方の中には、つらいと感じている方も少なくないのではないでしょうか。食事療法は長く続けて欲しいものではありますが、なかなかそうもいかないのが人間です。そんなときにぜひ役立てて欲しいのが、今回ご紹介する「乳和食(にゅうわしょく)」です。乳和食は料理に牛乳を使うだけの食事法で、食事のおいしさを損なわずに減塩や血糖コントロールに役立つとされています。

乳和食とは?

和食×牛乳の食事法

乳和食は、「減塩食は味気がない」「減塩食なんて家庭では難しい」という方におすすめしたい、牛乳の力を借りておいしく減塩に取り組める食事法です。

「和食に牛乳?」と思うかもしれません。誰でもはじめは抵抗があるかもしれませんが、だまされたと思って一度食べてみて欲しいのです。

乳和食は、みそ汁や煮物などの和食に牛乳を足して作ります。和食は脂肪分が少なくあっさりしていますが、そこに牛乳を足すことで、牛乳の脂肪分により適度なコクや旨みがプラスされます。

そのコクや旨みで、普段より調味料を減らしても不思議とおいしく食べられるので、減塩ができるという仕組みです。

乳和食の効果

血圧が気になる方の減塩対策に!

乳和食は、食塩が多くなりがちな和食の減塩に役立ち、血圧が気になる方の対策としてすすめられます。

日本の伝統的な和食はヘルシーで健康的な食事と考えられていますが、味噌や醤油など保存性の高い調味料が多く使われているため、食塩が多くなってしまいがちなのです。そのため日本人は食塩のとり過ぎの傾向が続いており、長年の問題となっています。(※1)

血圧が高くなる最大の原因は「食塩のとり過ぎ」です。血圧が気になる方の対策として、おいしく減塩できる乳和食が役立つでしょう。

血糖コントロールにも期待!

乳和食は、食後の血糖値の上昇をおだやかにし、血糖コントロールにも役立つことが期待されています。

例えば、ご飯だけを食べるより、ご飯と牛乳を組み合わせた方が食後の血糖値の上昇を抑えることがわかっています。(※2)牛乳は低GI食品とされ、ご飯と組み合わせることで全体のGIを下げるためと考えられています。

牛乳を使う乳和食は、食後血糖値の上昇を抑えてくれるのに役立つため、血糖値が気になる方にもおすすめできます。

骨粗鬆症対策にカルシウム補給!

乳和食はカルシウムが豊富な牛乳を使うため、カルシウム不足の問題にも役立ちます。

日本人はほぼすべての年代でカルシウムが不足しており(※1)、将来の骨粗鬆症予防のためにもカルシウム摂取が欠かせません。

カルシウムが不足すると、血液中のカルシウム濃度を保つために骨からカルシウムを溶かしてしまい、骨量が減少してしまいます。カルシウム不足が長く続くと骨粗鬆症の原因となることや、ほかにも高血圧や動脈硬化を引き起こす可能性があることもわかっています。

乳和食を日常的に取り入れることで、牛乳からの*カルシウム摂取量を増やす&ことができ、骨粗鬆症対策にも活用できます。

乳和食の作り方

乳和食をおいしく作るコツ 乳和食は、味噌汁や煮物、肉や魚の漬け焼きなどの調味料に、牛乳を足して作ります。

乳和食をおいしく作るコツは、まずは「成分無調整の牛乳を使う」ことです。牛乳の脂肪分が乳和食のおいしさのカギなので、低脂肪乳や加工乳などは避けておきましょう。

次に、レシピに書かれている表記の分量をきちんと守りましょう。思っている以上に牛乳をたくさん使うレシピもありますが、牛乳を減らしたりすると味がぼやけたり、牛乳のくさみが気になったりしやすくなる場合があります。まずはレシピ通りに作ってみましょう。

また牛乳を入れることで焦げやすくなるため、火加減に気を付けましょう。フッ素樹脂加工の鍋を使うようにすると洗い物も楽に済みますよ。

あすけん栄養士が乳和食の「みそ汁」を作ってみた!

一般社団法人Jミルクの「Jミルク乳和食サイト」では、乳和食のレシピが公開されています。

今回はみなさんに味をお伝えすべく、あすけん栄養士がレシピ通りに「みそ汁」を作ってみました。みそは普段使う量のおよそ半分。2人分で大さじ1杯です。

みそ汁を作る際のコツは「牛乳とみそをしっかり合わせておくこと」。そうすることでみそ汁の色が白くなりにくいようです。

出来上がりは見たところ、「いつもよりやや白っぽいかな?」という印象ですが、そこまで違和感はありません。

早速いただいてみると、気になる牛乳の味やくさみはまったく感じません。舌に感じる塩味は「いつもより薄いかな?」という印象なのですが、不思議と物足りなさは感じません。これが牛乳のコクと旨みの効果なのでしょうか。あっという間に完食しました。

この後、何も言わずに夕食に出してみましたが、家族はまったく気づかずに完食。牛乳を入れていたことを伝えてみると「全然わからなかった!」とのこと。これなら家族全員で減塩に取り組めそうです。

⇒一般社団法人Jミルク 乳和食のレシピ(あすけん公式サイトに移動します)

乳和食を取り入れる際の注意点

メリットばかりに思える乳和食ですが、いくつか注意点をお伝えします。

・牛乳を飲むことでお腹がゴロゴロしたり、お腹を壊しやすかったりする人は、乳和食を取り入れることで牛乳の摂取量が増え、お腹の調子に影響することがあります。牛乳を温めてとったり、少量ずつとったりすることでお腹の調子の変化が起きにくいともいわれていますが、様子を見ながら取り入れるようにしましょう。

・コレステロール値が気になる方は、牛乳に含まれる脂肪分のとり過ぎはNGです。ですが乳和食に使う牛乳の量はあまり多くないので、大きく心配する必要はありません。もし気になる方は、例えば乳和食にはコクのある普通牛乳を使い、飲む牛乳は低脂肪のものに変えてみるなどで対策してみましょう。

おいしく手軽に減塩に取り組め、血糖コントロールも期待できる乳和食。魅力は伝わったでしょうか?一度みそ汁からでも試してみて、乳和食のおいしさを実感してみてくださいね。

【参考・参照】 (※1)厚生労働省 令和元年「国民健康・栄養調査」の結果<https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000687163.pdf>(最終閲覧日:2021/01/06) (※2)若木陽子ら,米飯と酢,牛乳,乳製品 の組み合わせ食のグリセミック・インデックス,Health Sciences,17 号: 3,2001,133-142 一般社団法人Jミルク Jミルク乳和食サイト<https://www.j-milk.jp/nyuwashoku/>(最終閲覧日:2020/07/08) 株式会社明治 明治おいしい牛乳 はじめよう、おいしい乳和食<https://www.meijioishiigyunyu.com/special/nyuwashoku/>(最終閲覧日:2020/07/08)

【執筆者:管理栄養士 広田 千尋】
これまでに500件以上の指導経験があり、ダイエットや生活習慣病対策はもちろん、妊婦から高齢者まで幅広い指導を経験。栄養指導、レシピ制作、栄養教室や料理教室開催などのスキルと知識を生かし、あすけんではコラム執筆やオンラインカウンセリングを担当。

※本記事は、AI食事管理アプリ『あすけん』の「ダイエットの知識」コラムからの転載記事です。

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