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——ボージョレ・ヌーボーをお店で見ると、安いモノから高いモノまで値段が様々です。なぜこんなに値段の違いがあるのですか?
一概にボージョレ・ヌーボーと言っても、農協でワインを購入して瓶詰にするタイプから、「ドメーヌ」と呼ばれる小規模の生産者でブドウの育成から醸造・ボトリングまで徹底してこだわったタイプのヌーボーまでいろいろあります。“値段の差=生産者のこだわりの差”と考えていただくのが良いと思います。
また味についても、最近ではフレッシュなものから深いコクのあるものまでタイプも様々ですので、いくつかのボージョレ・ヌーボーを飲み比べるのも楽しいと思います。
——少し値段が高い「ヴィラージュ・ヌーボー」というのがありますが、これはどういうものですか?普通のボージョレ・ヌーボーと何が違うのでしょうか?
ボージョレ地区の中には、より狭い生産地域の「ボージョレ・ヴィラージュ」というエリアがあります。この場所のみで生産されたガメイ種のブドウで製造されたのが「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーボー」です。より狭い地域限定なので希少性が高まりますし、若干標高が高いエリアのため、太陽をより強く受けることでブドウの色付きが良く、色が濃くて深い味わいのワインになります。
フレッシュな味がお好みなら通常の「ボージョレ・ヌーボー」、少し濃いめの味がお好きの方は「ヴィラージュ・ヌーボー」と選び分けるのもいいですし、白系の肉(鶏肉・豚肉)には「ボージョレ・ヌーボー」、赤系の肉(牛肉など)には「ヴィラージュ・ヌーボー」という使い分けも面白いですね。
——ボージョレ・ヌーボーを買うとき、絶対チェックすべきポイントは?
冒頭にも説明した通り「ボージョレ」というのは地区の名前を現しているので、新酒ではなく普通のワインでも「ボージョレ」と名の付く商品があります。ですからラベル上に「ボージョレ(BEAUJOLAIS)」という表記と「ヌーボー(NOUVEAU)」の文字があることのチェック忘れずに!これを見落とす方、結構多いようですよ。
——そして最後に、今年のボージョレ・ヌーボーの出来はどうですか?
ボージョレ委員会からは「2015年は偉大なヴィンテージ」、すなわち「かなりの傑作」と発表されています。今年のボージョレ地区は年初に雨が少なかったために、ブドウの実自体は小さいけれども、その分渋みやコクの要素である「タンニン」の比率が高いものになっています。また夏は日本同様に猛暑だったので、ブドウの果肉に十分な糖度が確保できています。そしてさらに今年は果実が熟すのが早く、昨年より2週間早い8月末から収穫も開始されました。解禁日が決まっているヌーボーですから、醸造に費やせる時間が長いことはワインに好影響を与えます。
ヌーボーだけに限りませんが、ワインは酒類の中でおそらく唯一水を加えないで果汁だけで造るお酒ですから、ブドウの出来が最も重要です。品質の良いブドウが出来れば、良いヌーボーの生産がしやすくなるということ。今年は期待大ですよ。
輸入ワインのスペシャリスト・木暮さんのアドバイスを参考に、今年はいろんな種類のボージョレ・ヌーボーを楽しみましょう! (TEXT:大河原裕美)
取材協力:サッポロビール
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