世界の家庭料理を旅しよう!世界中の食卓で料理をつくる人 (COOK) と食べる人 (HIKER) をマッチングするWebサービス、KitchHikeの世界各国の食卓を巡る連載。今回は、川崎にお住まいのインド人モウスミさんの食卓へ!おいしいインドの家庭料理をいただきました。
全てが全て、専門店から買い付けたものではありません。例えばこのボトル、何が詰まっていると思いますか?実はこれ、ガーリックとジンジャーのペーストです。1:1の配合で摩り下ろしたものをストックしているそうです。料理の味付けにより奥行きを出したいときに加えるそう。
とにかくスパイスをガンガン入れていくのかと思いきや、意外とシンプル。今回頂いたカレーはマスタードに水をすこし加えてペーストにしたものとターメリック、そして先ほど紹介したジンジャーとガーリックのペースト、塩です。通常マスタードオイルを使うそうですが、私が食べやすいように、また自宅で再現することも考えてオリーブオイルに変更してくれました。
使う食材にはちょっとしたこだわりがあるようでした。例えばタマネギ。今回は紫タマネギを使っていました。より、インドの味に近づき、彩りも普通のタマネギより美しいからだそうです。また、今回の料理に使ったお魚もそうで、なるべく身が甘いものを選ぶように心がけていました。モウスミさんいわく、日本のお魚は全般的にインドのものより塩味が強いそうです。味が淡白な白身を選ぶのがより美味しく食べるためのポイント。
さて、お次は付け合せのライタ。インドの定番メニューであるヨーグルト風味のラッシーをベースに作ります。ナスを使って、お食事っぽくもあり、デザートとしても楽しめ、これまた絶品。 市販のプレーンヨーグルトを入れたラッシーに、お塩とチリを加え、オリーブオイルにクミンや香り付けのためのインドならではのスパイスを入れて揚げナスを投入。素揚げされたナスは甘みが増していてそのままでも美味しいので味付けはしません。仕上げにパクチーを投入。
そして主食はお米。レストランに行くと大抵の人はナンを頼んでいるイメージがあるけれど、今回はインディカ米をいただきました。お米そのものが持っている味が違って、日本のお米と違うのは一目瞭然。甘みを引き出すためにドライレーズンを入れ、ピスタチオとカシューナッツを加えて炊き上げました。
たくさんの全く見当もつかないようなスパイスやオイルを使うイメージがあったけれど、実際、今回頂いたカレーは今まで食べたインドのカレーの中でもっとも油分が少なく、でも味に奥行きがあったと思います。レストランで頂けるお料理ももちろん立派なインドの料理だけど、そのほとんどがナン主流でお米は日本のお米を使っているところも少なくない。また、お魚よりチキンとかマトンといったお肉を使ったカレー屋が目立つ気がします。インドも大きな国なので東西南北、地域によって味や使う食材も変わってくるそうですが、なかなか外食ではその違いに触れたりすることってできない気がします。
モウスミさんは今回もてなしてくれた料理のほかにもたくさんのレパートリーをお持ちでした。でも、お料理をちゃんと始めたのは日本に来てからだそう。全くの異文化を持つ国に住むことになった9年前。新しい生活に慣れなければならない状況と襲う孤独感から逃れようと台所に立つようになったのがきっかけだそうです。
「インド人同士のコミュニティーをしっかり作って行きたいのはもちろんだけれど、私の国の料理を食べたいって思ってくれる日本の方とも、もっと仲良くなりたい。」 と、彼女は言っていました。
また近いうちに、楽しい会話とともに、美味しい料理と学びを受けに、モウスミさんの食卓を訪れたいと思います!
※お詫びと訂正
初出時、インディカ米とライタのメニュー名について誤った表記があったため、記事を修正いたしました。お詫び申し上げます。
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