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コラム

暑い季節はNG!?「予約炊飯」より「早炊きモード」がオススメな理由【至福の「ごはんのおとも」レシピvol.5】

これさえあれば白ごはんが何杯でもいける!というような絶品ごはんのおともに出会ったら、ごはんライフが楽しくなること間違いなし。ただし、ごはんのおともは「おかず」ではなく、あくまでも“ごはんの味”を美味しく引き立ててくれる存在。主役は白ごはんです。だからこそ、そのレシピはシンプルに。日常の白ごはん量がぐんとアップするようなごはんのおともを、お米ライター柏木智帆がお届けします。

夏にぴったり!さっくりした歯ざわりの長芋漬け

子どもの頃、「とろろごはん」が大好きで、とろろごはんの日はごはんを3杯は食べていました。しかし、大人になるにつれて、おかずをごはんにかけるよりも、ごはんを汚さずにおかずと分けて食べるほうが好きになってきました。

そこで、長芋が手に入ったときは、長芋を煮物にしたり、千切りにして青のりと醤油をかけて食べたり、素焼きにして醤油麹を乗せて食べたりしていたのですが、その中で最も「ごはんに合う!」と感じたのが、「長芋漬け」でした。

最初はサクサク、徐々にシャキシャキ、噛むごとに長芋特有のさらりとした粘りが漬け汁と絡まり合い、ごはんがぐんぐん進みます。

薄く切ると、味が濃くなってしまうだけでなく、歯ざわりがものたりなくなってしまいます。厚めに切ったほうが歯ざわりを楽しむことができ、味のしみ方もちょうど良いように感じます。お好みで調整してみてください。

サクサクとした歯ざわりが楽しい♪


今回の漬け汁は、醤油7、みりん5、酢3の比率で作りました。いつどこで覚えたのか忘れてしまいましたが、記憶力が悪い私でも覚えやすい「七五三」の黄金比率

冷蔵庫に作り置きしておくと、冬なら水炊きのつゆに使えたり、柑橘汁を足してポン酢醤油として使えたり、胡麻油やオリーブオイルなどを加えてドレッシングにしたり、何かと便利。これさえあれば、市販のドレッシングやポン酢醤油を買う必要はありません。

「予約炊飯モード」はNG!

さて、今回は夏もおいしくごはんを楽しんでもらうための「炊飯」についてお話ししたいと思います。

ほとんどの炊飯器には「予約炊飯モード」があります。しかし、お米を常温で水に浸けたままにしておくと、米質によっては米粒の表面が溶解しやすくなるだけでなく、特にこれからの暑い季節は雑菌が繁殖してしまう可能性も。

浸水は年間通して冷蔵庫の中で行うのがベスト。同じ理屈で、炊飯器の予約炊飯もおすすめできません。

予約炊飯したごはんと、冷蔵庫浸水で炊いたごはんを比べるために、炊飯器の予約炊飯で6時間後にセットしたごはんと、冷蔵庫で6時間浸水して炊飯器の早炊きモードで炊いたごはんを食べ比べてみました。

予約炊飯したごはんは、冷蔵庫浸水のごはんに比べてやや軟らかく炊きあがりましたが、一杯目は旨みや甘さをちゃんと感じられました。しかし、もち米っぽい香りが若干気になりました。

そして、一杯目を食べ終えて二杯目をよそう時には、すでに米肌がざらついていました。米の表面のツヤ(保水膜)も飛んでしまっているように見えます。冷蔵庫浸水のごはんでは見られなかった劣化の早さです。

それぞれのごはんをわざとそのまま保温して15時間後に見てみると、冷蔵庫浸水のごはんでも、ふっくら感やみずみずしさや粘りはなくなり、舌触りが悪くなっていて劣化していることが分かりました。

一方で、予約炊飯したごはんは、冷蔵庫で浸水したごはん同様に劣化していることに加え、色が若干くすんだように見え、ところどころがダマになり、のどに引っかかって飲み込みにくく感じました。

そもそも炊飯器での保温はおすすめしませんが、予約炊飯(常温浸水)のごはんは劣化速度が早いと言えそうです。

特に、朝に弁当用のごはんを炊く際は、前日の夜に炊飯予約をするよりも、米を冷蔵庫で浸水しておき、朝起きてすぐに冷蔵庫から米を取り出して炊飯器の早炊きモードをオン。出掛ける支度をしている間にごはんが炊きあがりますので、弁当にごはんを詰めてから職場や学校へ。ごはんがおいしいとランチの楽しみがちょっぴり増しますよ。

柏木智帆

お米ライター。元神奈川新聞記者。お米とお米文化の普及拡大を目指して取材するなか、お米農家になるために8年勤めた新聞社を退職。2年にわたってお米を作りながらケータリングおむすび屋を運営した。2014年秋からは田んぼを離れてフリーランスライターに。お米の魅力や可能性を追究し続ける、人呼んで「米ヘンタイ」。
【ブログ】柏木智帆のお米ときどきなんちゃら
【クックパッド】柏木智帆のキッチン

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